夜中、寝ていたところを叩き起こされた。起きてまずギョッとしたのが、覗き込んでくる人達。霊夢さんはわかる。八雲紫と以前会った藍とか言う九尾は、何。固まっていると霊夢さんが着替えてくるように促して来た。着替えるから部屋から出てくれないかな。流石に三人から見られながら着替えるのはちょっと。フランみたいに見た目が子供であればまだしも、全員見た目も中身も大人と遜色ないはずだし。着替えて部屋から出たら式神を連れてこいと。異変かと聞けばそうと言われた。
「あら、今回は多いのね」
「…邪魔じゃない?」
「これくらい多くしないと遅いよ」
「じゃあ仕方ないか」
「…そんなに?」
そんなに遅い。ので仕方がない。と言うか私までついていく必要ある?異変の概要は?月のすり替え?…私が出る意味あるのかな。霊夢さんに来いと言われればあの世だろうがついて行くけど、それでも疑問を抱く。八雲紫は妖怪なのに賢者やら幻想郷を作ったやつやら呼ばれているし、九尾も霊夢さん曰く大妖怪の代表格らしい。霊夢さんは言わずとも知れたはずなので言わない。そこに私だ。肉壁になることを期待されているのならその通りに動くのだが、そうでもなさそうなのがなんとも。
「露払いは七の仕事よ」
「蛍を見て喜ばないなんて」
「行け」
「うわっ何これ気持ち悪い!?」
「…蟲の妖怪に何言われても無視よ、七」
「蟲に言われたくないと思いませんかね、霊夢さん」
「無視?」
結局私は弾幕ごっこが通じる相手に対して紙を大量に投げつける、美しさを捨てた勝ちをとりにいく絶対に楽しくない弾幕ごっこプレイヤーを強いられているわけだ。私もつまらない。しかし役割なのでやらせてもらう。夜雀も同様の手順で撃退。一瞬何も見えなくなったが、私を中心に紙吹雪を起こしたら勝てた。数は正義である。そのまま進んで行くと、なんと不思議人里があるはずの場所に人里がない。これは一体、と思っていたら慧音さんが出て来た。あれ、なんか弾幕ごっこ始まった?
「人里は襲わせない!」
「暗くて私たちのこと分かってないんじゃない?」
「満月なのに…」
「まあ、勘違いなら大人しくさせてからにしましょう。心当たりがあるなら話してもらいましょうか」
と言うわけで私だ。紙吹雪をおこして相手に突撃させる。…ねえあれ当たってるよね。もしかして夜雀も同じような感じだったの?それならなんで話してくれなかったの??…まあ良いや。紙吹雪を止めて一個にまとめてドンとやってやろうと思ったら足場にしている式神の束に弾幕が直撃。落ちなかったけど、私の重さに対して式神の量が足りなくなってしまった。ゆっくり、ゆっくりと落ちて行く。一個にまとめた紙の束をこちらに戻して落下を食い止める。…一回の被弾でどれくらいの式神が消えたのか全然わかんないけど、これ私無理じゃない?
「七。片付けたから、早く行くわよ」
「これからの戦いについていけないよ」
「それでも良いのよ。手数が多いに越したことはないわ。」
「そんなぁ」
その次。出て来たのは魔理沙。と、よく分からない人形使い。…前会ったことあるかも。と考えを巡らせたところで面倒だからと必要最低限の紙を残して全式神を突撃させる。無論、一瞬で制圧する。…紙吹雪って弱かったんだなぁ。やっぱり紙吹雪だと他の弾幕に掻き消されたりしてたのかな。そんなことを考えていたら私の隣で破裂音。紙の束から落ちてしまう。落ちながら見たのは、紙の束に群がる謎の人形集団。…もしやあの破裂音は人形が起こしていたのか。高性能だな。式神に自分を追わせるが、間に合うだろうか。
「いだっ」
間に合わなかった。僅差で。まあ間に合っても衝撃を和らげるくらいしかできないだろうけど。そして僅差なので勿論私にぶつかる。魔理沙を襲った紙の束が、それよりも早く私にぶつかる。二度目の落下する感覚、地面にまたぶつかる。多分だけど、結界にぶつかってその結界をぶち破って地面にぶつかったのかな。死ぬほど痛い。もう動きたくない。そう思っていたところに追い討ち。追い討ちなのか分からないけど、なんか、多分だけど追い討ち。変な人が私の頭付近に立っていた。
「…えーと、これは何ウサ?」
「七!」
「下がってて良いわ。藍、治療」
「はい」
「…あ、多分腹の方が重症です」
私の真横を極太ビームが通ったり、人形の破裂音が聞こえたりと少し怖かったが、傷を治してもらったからにはもう問題ない。帰って良い?ダメだって。私がいったい何をしたのか。藍さんと共に、いつのまにかあった屋敷へと突入する。ほーんと、私が何をしたのか。藍さんは八雲紫に追いつくので必死になっていたようだが、私はそれよりも気になることがあったので寄り道。私の式神も大半を帰らせているため、早く動けないことを誤魔化しているだけだよ。申し訳ない。でも気になるところがあるのは本当だ。こんだけ長い廊下に無数にある襖。開けて中を見たくなるのも不思議ではない。何かあればお手柄になるんだけどな。
「お、やっぱり」
「どうした」
「見てこれ、変な服」
「…早く行こうか」
「乗せて」
「…はぁ…」
「式神が結構減ったから仕方ないでしょ」
変な服を着ている八意永琳先生の意見
人の家を漁るな、持ち物血まみれ男が。