6は単体では何も出来ぬカスである。
何が何やら。変な服だと馬鹿にした服を着ている自称医者に触診をされている。背中と腹を。と言うのも、霊夢さんに頼まれてここに薬を受け取りに来ているのだが、その道中で落とし穴に引っかかってしまったのだ。つまり私を落とす落とし穴を作ったてゐが悪い。あのウサギが悪い。深いんだよあの穴。…まあ、愚痴はここまで。触診は何故されているのかはわからない。ほんとに。まあでも、触診の方法は大体学校であった…なんだっけあれ…?健康診断だったかな?と同じだった。
「んっ」
「くすぐったくても我慢」
「いや私のこと殺しに来た人外がいて驚いたんですけど」
「私もよ?」
「違くて。」
「優曇華のことでしょ、分かってるわよ。席を外してもらえる?」
「…いや、あの、私も片目潰されてまだ見えてないんですけど」
「優曇華、席を外してもらえる?」
渋々、といった形で退いてくれた。が…見えてないのならなんであの優曇華とか言うやつは私をはっきりと視認してたんだ?ちゃんと目を隠したのに。…そう言う能力、なのかな。触診の後は何をするまでもなく薬を受け取った。何がしたかったんだ。するなら痛み止めとか塗り薬とか寄越してほしかった。まあ過ぎたことは仕方がないので帰るとする。もらった薬は風邪薬と胃痛薬とか。書かれた紙を渡しただけなので詳しくは知らない。あと思ってたより多い。落とさないように式神に持たせておく。
「ったく…」
「あつっ」
…が、それがダメだった。どこからともなく火を扱う女が出現。私のすぐ横を通り、式神に引火。燃えた式神に離れるように命令を出したところ、遅くて式神の三割が燃えた。薬の入った袋を式神から受け取り、全体に引火した式神を横目に火を扱う女を見る。じろーっと。…薬に変化はなさそうだ。まあ良い。まあ良いんだ。良いことにして、さっさと帰る。しかし火を扱われると私の天敵になることが分かったな。…安全な帰り道は消えた。ここからは博麗印のお守りが頼りだ。大妖怪以外はこのお守りが怖いんだって。大妖怪来るな。
「あやや、七さん。」
「お守り怖くないの?」
「いえいえ。…ところで、後ろの方は?」
「…私の天敵」
「??」
「あー…」
後ろをついて来ていたらしい。文と共に睨みつけたところ、自己紹介を始めた。名前は藤原妹紅。この人もまた、変な格好をした変人である。変人多いな。火を出すことができるとか、不老不死とか、そこら辺も話された。…大体1000年生きているようだ。でも関係ない、私は天敵とは関わりたくないので…と退散したいがそうも行かない。着いてきた理由の一つに護衛目的があったらしく、式神を焼いたから目的地まで後ろを着いて行く予定だったようだ。私としてはそれもありがたい。ありがたくはある。
「でもちょっと怖いので」
「私がいますし」
「妖怪の言うことなんか信じて良いのか?」
「確かに…」
「ええっ!?あの、そこで変わります!?」
「見て、怖い」
「人間を食うための芝居がバレたから焦ってるぞ」
博麗の巫女と同居していることは、必ずしも妖怪に食われないと言う保証にはならない。巫女自体が平等に接されるべき存在であるためだ。…と言うのが八雲紫の主張。要するに、巫女と知り合いだからといって妖怪に食われないわけではないってことだな?と当時は理解したのだが、どうも違う。外来人である私はいつ食われてもおかしくはない存在なので、残酷なことに巫女だろうが八雲紫だろうが私が食われても介入することはないってことだった。よくわからない?私も。
「結局みんなで帰るのか」
「私は今日の配達先に霊夢さんがいなかったからですがね」
「新聞かぁ…たまに捨てられてるアレか!」
「えっ捨てられてる…?」
「文々。新聞だろ?私も知ってるさ。…恐ろしくつまらない新聞だったな」
「七さん…」
私を見ないでもらいたい。と言うのも、私自身はあの新聞でいいと思っているだけ。正直言って、他のことはそんなにだ。ユーモアセンス…は、文にあっても無駄だろう。人里の細かい話か幻想郷の天気予報か、後は妖怪の山、他の勢力についての話がチラホラ。…まあ、そんなところの話。そう、四コマ漫画を付け足しても客が増えないだろうなとは思ってる。紅魔館の門番も睡眠時間予報なんてものを出した時は流石にネタ切れかとも思ったがな。そんなふざけた命題で割と当たってるのがまたなんとも。
「あのコーナーは蛇足に近いものがあったな。」
「苦肉の策、とでも言いましょうか…私としても流石になぁ、と言った具合で」
「あんなので喜ぶ奴いたのか?」
「一人だけですね。その後は窓拭きとかに使われたようですが」
「魔理沙だな」
「あの子か」
知っているふうだ。が、私はそれを無視する。面倒な感じがしたので。博麗神社に着いたので二人とさよなら。神社に戻って薬を届ける時に式神について聞かれたが、風に吹かれて竹に破かれたと言うことにしておいた。嘘だと言うことはわかっているようだけど、一応の納得は示してくれた。私としてもありがたいことだ。と、薬の入った袋の中から一つポンと渡された。傷薬らしい。軟膏タイプ。理解できずにいたが、どうやら私が式神を増やす時に作る傷を早く治す為のものらしい。
「血が戻るわけじゃないからなんともだけどね、萃香」
「私に聞くなよ…わからないんだから」
「萃香の力なら、私の式神作成も捗ると思うんだけど」
「…確かに…」
その後、萃香だけ怒られたが式神は八枚作れた。