フランドールは私が殴りましたザマーミロ。
怪我を治して来い
完治してから来い
博麗霊夢より
P.S.
前書きの内容は本編とは一切関係がない。
「驚いた」
「そう?」
痛みに耐えながら起き続けていると、不意にそんな言葉を聞いた。私、と言うよりも人間がここまで意識を保つことに驚いているようだ。勿論私も驚いている。でも多分意識を失った時が死ぬ時だと直感しているからだと思うよ。少なくとも私は。目の前の吸血鬼が読んでいた本を閉じる。…どうやら私の式神は神社に届いていなさそうだ。雨に打たれてしまったか、それとも妖怪にぶつかった。ここから神社の式神は動かせないだろうし。遠すぎ立地悪すぎ。仕方ない部分もあるだろうけどね。
「…で、何?」
「さっきの発言。ずっとって、どう言う意味?」
「ああ。いや、家族から頭のネジがないやつって思われてるでしょ」
「え、そうなの」
「え、違うの」
可哀想な子供だと思って話を聞いてみれば、どうやら地下室に長いこと篭っていたらしい。ザッと400年。いや500年?まあ良いか。主人の妹なのに引きこもりか。なんとも変な話だな。妹っていうのはこう…活発的なものだろう。私も外の世界にいた時一人いた。…思い出したくもないことを思い出した。しかしそうなると目の前の吸血鬼は妹だと言うのに媚びず動き回らず。いやさっき動いてはいたけど。私の持つイメージと異なった妹であるこの吸血鬼は、なんと姉が嫌いらしい。だろうねと言ったら怖い顔でこちらを見てきた。
「私は妹が大嫌いだったから。」
「お姉様もそんなことを考えてくれてたら…」
「嬉しくないでしょ」
「癪ね」
「そう?」
姉妹も兄弟も同じようなものだと思ってたんだけどな。勘違いで何より。世間話を少し重ねたところで扉が吹っ飛ぶ。なんだなんだと覗いてみればそこにいたのは霊夢さん。式神が届いていたようだ。そりゃ良かった。こうして吸血鬼はボコボコにされた。私は胸の痛みを訴えた。吸血鬼の傷が更に増えた。そんなことしちゃって良いのかな…まあ霊夢さんだし良いかな…。その後、神社に帰った私は八雲紫のよくわからない術で痛みを除去。治ったのかわからないけれど、多分治ったんでしょう。
「じゃあ、説明」
「…七とフランは相性が良いと思ったのよ。実際私の目にもそう写った。何を間違えたのか…」
「お前フランって言うの?」
「そう言う貴方は七って言うのね。」
「フランみたいなのが妹だったら良かったなぁ」
「私の妹よ」
「そもそも七に妹がいたの?」
いた。が、それはどうでも良い。こちらに来るような人間じゃないはずだし。フランのような妹がいたのなら恨み甲斐があると言うのに、私の妹はフランとは似ても似つかない。姿も種族も性格も。何一つとっても似てない。割と活発的だし面倒だし…面倒なのはプランも同じか。そう思った途端にフランに睨まれた。顔に出てたかな。境内の掃除を再開し、フランとレミリアが神社に残る。なんで?帰れよ。私だって霊夢さんと一緒にだらけたい。そんなことができたことは一つとしてないが。
「霊夢の従者?」
「同居人」
「…一人だけじゃ不便でしょ。ウチの咲夜でもどう?」
「いらない」
「霊夢さんには私だけで間に合ってますよね」
「ぶっちゃけいらない」
「紅魔館って衣食住揃ってますか?」
「んー…死なない限りは。」
「私の下だと三日保てば良い方ね」
「…ごめん、要る」
魔理沙が来た。どうやら私の少し後に紅魔館へ行っていたらしく、パチュリーとか小悪魔がとか知らない人の名前ばかりが飛び出す。その人らの弾幕が恐ろしく激しかった為、霊夢さんが全て蹴散らした後じゃなかったら満足に漁れなかったんだって。その間私はフランと相部屋だったわけだ。魔理沙を呼べば良かったか。フランが何やら疑うような目で魔理沙を見ている。正直言って私も疑ってはいる。私が連れ去られていく途中も見られていたのではないか。見殺しにされたのではないか??
「何言ってんだ、私が入った時はいつも通りの図書館だったぞ」
「…あぁ、咲夜の仕業ね」
「咲夜の?」
「あの子が空間を弄って、多分魔理沙達のいる空間とフラン達のいる空間を区切ったのよ。」
「…成る程ね。私達は化かされてたわけか。」
「???」
「私と七は引き伸ばされた空間の中で行き来してたのよ。1kmだと思ってた範囲が、実際は1mでしたってだけ」
「…あのメイドさん万能すぎない?」
話を盛るにしても限度というものがあるだろう。少なくとも私はそう思う。霊夢さんについて話すときも、鬼に打ち勝つとかで抑えるのに。咲夜とはそこまですごい人だったのか。…どこかで機会があれば私にもやり方を教えてもらおうかな。それが出来ればかなり便利になるだろう。空間を引き延ばす力。それを使えば、霊夢さんからすればかなり離れていても実際はそこまで離れてないということが出来る。あと普通に楽しそう。実際咲夜も楽しそうに生きていたし。…そんなことが出来る咲夜はそもそも人間なのかな?
「私の部屋は咲夜のせいでたまに寝返りも打てなくなるくらい小さくされるのよ」
「咲夜ってかなり変だな」
「魔理沙ほどじゃないと思うけど」
「フランは?」
「私はないわ。元からあの大きさ。誰かが入ることを認めた覚えはないもの。」
「道理で。」
「何?」
「少し臭ったのよ。七は何も感じなかったの?」
どうやらあの部屋は少し臭かったようだ。でも多分それ香水とかそういうやつだと思う。後胸が痛くて臭いに敏感になれなかった。とにかく私はそこまで臭いは気にならなかったよ。フランが自分の臭いを確認する意味はないと思うよ。…多分ね。私は本当に気にならなかったし。言われても思い当たるようなものもない。魔理沙を後で連れていけばわかるんじゃなかろうか。魔理沙は鼻もまだ効くだろうし。住む森が少し臭う気はするけど、臭いとかは気がつくだろう。
「おい、私を連れ去ろうとするな、あ、ちょっ、離せ」
「さよなら〜」
「箒は預かっておくから〜」
「あ、返せ!!」
魔理沙の感想
フランの部屋 少し臭う。
レミリアの部屋 臭わない。