元東風谷です   作:覚め

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題名が元東風谷な理由は七が東風谷家だったからだよ!!!!
なんで幻想郷にいるんですか???


第五話

十字を切って見ると、目の前にいる吸血鬼が顔を歪める。咲夜と並んでもう一回。咲夜に対して怒号が飛んだ。正式な謝罪、というわけで私は紅魔館に招かれた。付随して八雲紫も来た。八雲紫は来て早々に姿を消したけどね。多分だけど興味があったんじゃないかな。紅魔館に。ここに来たことがないのならそうだし、来たことがあっても普通にもう一回来ようと思っただけだと思うよ。詳しくは私も知らないけど、そんなものだろう。人間と妖怪の間にはそこまでの違いを感じたことがない。私が変か。

 

「怒られてしまいましたので、ここからはお一人で」

 

「神の祈りを」

 

「神社住まいの七がなんで西洋の祈りを知ってるのよ…」

 

「だって外の世界出身だし」

 

「…は?」

 

「?」

 

外の世界出身だよと伝えたところ、意外な反応。そうか伝えてなかったのか。それなら驚くのが普通か。ともかく私は外の世界で暮らしてた外来人という奴だ。外だと西洋も東洋も関係がなくなっている。素晴らしいことだと思う。とにかくレミリアの固まった顔に十字を切ったところ、後ろからフランに話しかけられた。残念ながら今日は式神を多く持って来たので逃げるくらいならできると思う。問題は館の中からどうやって出るのかだけど。警戒してたら、フランがため息をついて両手を上げた。どうやらなにをするつもりもないらしい。

 

「前のことを謝りに来ただけ。そこの雑魚より直接手を出した私が謝るべきでしょ?」

 

「だってよ雑魚」

 

「フラン???」

 

「あら、博麗の巫女に腰が引けて神社を壊せなかった…とか聞いたけど違う?」

 

「誰が言ってたのよそれ!?」

 

「咲夜」

 

咲夜に対する怒号がまた飛ぶ。こういう戯れ方を良くしているのだろう。私には何も理解できないし、何も理解するつもりが湧かないのだが、まあそういう関わり方もあるということだ。それか、もしくはフランがこんな関わり方じゃなければ腰が引けるだけかもしれない。頭のネジが外れたなりには可愛らしい関わり方をするなぁ。窓から門を見てやれば、船を漕ぐように揺れる赤髪が。…あれでも来訪者を察知するんだからすごいと思う。素直に賞賛。

 

「外の世界出身って聞いたけど、なんでこっちに来たの?」

 

「結界の不備。だと思ってる」

 

「…嘘ね。私は騙せない。」

 

「だってよ雑魚」

 

「私に振るの?それで??」

 

「フラン、あの雑魚が私を騙してここに送ったんだよ」

 

「騙しても尚、か」

 

まあそれはそれとして、だ。私としてもこのような館で自分の立ち位置に迷いながら話し続けるのは少し嫌なので。足早に帰してもらうとする。じゃーねー。謝罪は受け取った。土産に変な酒と変な本を貰った。酒は霊夢さんにあげるとして、この変な本はどうするべきか。私としても扱いに困る。困る理由に何があるかと言えば、まあ…魔導書だから。聞いたことがある、と言うか霊夢さんに言われた。魔導書は開いた瞬間に爆発したり変な式神を作ったりするから開くな、と。…どうしよう…?

 

「…ってわけ」

 

「なるほど、それならこの私に任せろ、だな」

 

「魔理沙、開くなら一人の時ね」

 

「霊夢の当たりがキツく感じるんだが、心当たりあるか?」

 

「ないです」

 

私としてはそんなことよりも気になることがある。帰る間際、フランが妙に私に対して理解者ヅラをしてきたこと。何だろう、あいつは何やってんだろう。私に対して理解者ヅラをするなんて…何かとち狂ったのだろう。後でレミリアに教えておいてやるか。式神で。多分届かないけど。まあ届かなくてもいいでしょ別に。呑気に考えていたところ、何故か魔理沙が魔導書を開いていた。私が気づき、霊夢さんが気づき、魔理沙がやべっと小声を漏らした。…結局、何も起こらなかったけど。

 

「…」

 

「ご、ごめんって。何もなかったしさ」

 

「危険を顧みずに行動するなら一人でやりなさい」

 

「なんでレミリアはこのよくわからない魔導書を?」

 

「あー…入門書だから、パチュリーからじゃないか?」

 

どうやらパチュリーと言うよくわからない人の…誰?結局誰なの、パチュリーって。図書館にいた、紫の人?…あの人か。よく思い出した。あの人から謝罪の品として魔導書が来たのか。…興味がない。霊夢さんに渡そうとしたが、霊夢さんもいらないらしい。暇があれば魔導書を読んでみるかな。読めるようにならなきゃだよな、めんどくさ。やっぱり後で返そう。フランの理解者ヅラを知らせると同時に…流石に貰い物を式神に持たせるのはアレか。次行くときに持って行くか。

 

「…で、紫の奴は?」

 

「どこいるんだろ」

 

「置いてきたのか」

 

「八雲紫〜」

 

返事も姿もない。どうやら紅魔館に来て早々にどこかへ行っていたようだ。それならまあ仕方ない。帰る時に妖怪に襲われなかったことだけは喜ぼうか。わーいわーい。終わり。とりあえず酒を霊夢さんに献上し、魔理沙にそれを指摘されながらも無視。私がもらったものなんだから、霊夢さんに献上しても文句は言われないはずだ。霊夢さんにねだってみればいい。霊夢さんがあげると言えば私も納得するし、私が何かを言う権利はそこにはない。結果霊夢さんはあげなかった。残念でした魔理沙。

 

「レミリアが寄越す酒なんて上等に決まってるだろ」

 

「だから欲しがったのか」

 

「あのレミリアがお詫びでそこら辺の酒を寄越すわけないでしょ。だからあげない」

 

「くそっ」

 

「残念でした」




レミリアが寄越した酒(ワイン)
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