元東風谷です   作:覚め

9 / 19
守矢神社って外の世界だと大きい神社だったのかしら。
もしそうなら一人と二柱で来た当時の守矢神社ってとんでもない危機だったのかな。


第九話

痛い。深くまで切られてはないと思うけど、それでも痛い。式神をくっつけて止血を試みる。無理かも。どうすんのこれ。…どうしようもないなこれ。次からは異変に関わらないようにしよう。私が覚悟を決めたところで緑と白の子が自己紹介を始めた。妖夢、と言うらしい。数少ない式神を消費するわけにはいかない。止血に使った方がいい。ただ問題は妖夢が刀を構えたこと。まずい。私の考えよりも先に現実が襲ってくる。顔だ。顔をやられた。本当に殺しに来ている。訳がわからない、弾幕ごっこは?

 

「幽々子様を謀った者に弾幕ごっこをするつもりはありません」

 

「聞こえてるのかよ…」

 

「さあ、次で…っ」

 

妖夢が姿勢を崩した。まあ当然と言えば当然、咲夜の放ったナイフが大量の傷を着けているから。…多分。時間止めてる間に殴られてたりしたのかな。わからないけど、とにかく助かった。顔に式神を貼って止血。勿論できるのは止血だけ。八雲紫からはそのやり方だと跡が残るなどと言われて良くないこととか言われていたが、まあ知らん。私の能力で言えば、血が流れ続けることは悪いことしかない。鼻血を流しながら魔理沙に式神を突撃させたところ、そこら辺の床板が剥がれて魔理沙を襲ったことがある。予想外の式神を産むから嫌だ。

 

「…よっと」

 

「このっ…!」

 

「迷い込んだのは本当ね。それで、咲夜とは知り合い」

 

「だから、謀ったと…」

 

「…あの、やっぱり春が来ない異変って元凶がここなの?」

 

妖夢の口から息混じりに異変の概要を聞いた。なんか、春?を集めていたらしい。何を言ってるのか。わからないぞと頭を傾げたところ、そもそも私が幽々子さんと見た桜はその春を集めて献上しなければ咲かないらしく、それを咲かせたいと言った幽々子さんのために動いていたのが妖夢と。…春を集めるって何?結局どう言うこと?首を傾げまくったところ、妖夢が集めていた春がないと、そもそも春が来ないらしい。春を集めると春が来ない。なるほど、わからん。とにかくはあの桜が春を吸っていると言う考えで良い…のか?

 

「さあ、次の一太刀で…っ」

 

「辞めだ、妖夢」

 

「!?」

 

「?」

 

「七には死なれたら困る、と紫様から言伝を頂いている。」

 

「…そう、ですか」

 

「紫?」

 

また首を傾げることになった。八雲紫から言伝を貰った謎の女が妖夢を静止した。…???九尾の狐だろうか。妖怪であることに違いはない。訳がわからずぼんやりしていると、私の式神を剥がして傷口に手を当て始めた。…本当に、よくわからない。そんな考えでされるがままになっていたところ、傷口が治った。…は。傷口が治った?訳がわからない。八雲紫の命令で妖怪が人間を治すのか。変なことだな。傷口を治し終わったのか手を離された。…何?な、何??

 

「…まだ霊夢達は来ないのか…」

 

「私のことを探してるらしいですけど」

 

「…なんだ、それは。」

 

「あ、ほら来た」

 

「いたぞ!」

 

「どこ行ってたのよ!!」

 

激しいお叱りの後、私が持つ大量の式神と再会。私の持つ式神の多さに、後ろから悲鳴が聞こえた。誰からかと思えば妖夢から。どうやら九尾の妖怪も引き気味。これら全部の式神は私の血で染まっているため、確かに気持ち悪いかもしれない。でも臭くないし便利なんだ。霊夢さんは臭いとか言わないし。魔理沙も。人間を食う妖怪は臭いがしたりするのかな。まあわかんないけど。私が式神に乗って安定させると、すぐに帰って良いかを聞いてみる。ダメだった。私はどうやら一人では帰れないらしい。

 

「…その数は、一体…?」

 

「この式神の分、私の血で出来てるからね。臭い?」

 

「これは、なぁ…七が全力だったら…」

 

「負けてましたね。参りました」

 

「いや、臭うか聞いてるんだけど」

 

臭いはしないって。よかった。式神を解くには私が命令すればすぐに終わる。その場合血がどろっと紙から抜け出すからその時は臭うかも。…こんな血の使い方してるのに、血を扱うことはできないんだよなぁ。不便すぎて嫌になる。私の体、こんなに扱いづらかった。霊夢さん達が幽々子さんを弾幕ごっこで制した後、私は式神に乗りながらゆっくりと帰ることになった。あー…怖かった。異変にはもう関わらない。私も命が惜しくはあるので。後痛いの嫌だ。

 

「おわっ」

 

「七も魔法覚えたらどうだ?」

 

「魔力がないんだよね」

 

「自力で飛べないと不便ね」

 

「式神にも意識があるから完全に操れる訳じゃないし」

 

「風でどっか行くし」

 

「火に弱い」

 

うそ、私の式神弱すぎ…?原材料が石とか木とかそう言うのになると流石に式神にするのが大変すぎるので、重い物は普通に嫌。軽くて染まりやすいやつ。布と紙。これが一番式神として扱いやすい。神社にたどり着いた後魔理沙とお別れをし、霊夢さんに叱られながら除雪作業をしていく。そんな私の前に人影。誰だと顔を伺えば、いつの間にか消えていた九尾の妖怪だった。あとなんか、猫。二尾の猫。何をしに来たのかと思えば霊夢さんに挨拶しに来たとか。まあ挨拶くらいなら良いか、と通した。…なんで来たんだ?

 

「シャーッ!」

 

「お前はなんでここにいるんだ?」

 

「藍様に待ってろって」

 

「…じゃあ除雪手伝え」

 

「ミ゜ャ゜!?」




エクストラステージなんてねえよ
うるせえよ
痛えよ
紫なんか知らねえよ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。