強化人間C4-621が、人として幸せになる為に   作:03-AALIYAH

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ちょっと見ない間に評価が赤バーで全て埋められている……!???

馬鹿な……こんな事が……


これも全て応援してくださる読者の皆さんのお陰です!

本当にありがとうございます!

これからも頑張って執筆していくので、どうぞよろしくお願いします!


……地味に第六話が二回連続になってたことに結構な間気付いてなかったことには目を瞑ってくれると助かります(小声)


第八話 (実質)大喜利会場

アビドス高校へ戻ってきた頃には、空はすっかり夕焼けに染まり切っていた。

 

砂混じりの風が校舎の壁を撫で、戦闘の熱気が冷めていくのを感じる。

 

気の緩みを感じたと同時に、身体のあちこちがようやく重さを訴え始めた。

 

銃を握っていた腕も、砂の上を走り続けた足も、ほんの少しの疲労を滲ませている。

 

 

そんなこんなで再び教室に到着後、真っ先にアヤネがセリカへ駆け寄った。

 

 

「セリカちゃん、怪我はない?」

 

 

「うん、私はだい……じょう……」

 

 

そこまで言ったところで、セリカの身体がぐらりと揺れる。

 

 

「あ」

 

と思った瞬間には、完全に力が抜けていた。

 

 

「セリカちゃん!?」

 

 

慌てるアヤネ。

 

 

シロコは即座にセリカの身体を支え、そのまま軽々と抱え上げた。

 

 

「私が保健室につれていく」

 

俵担ぎなのね…。

 

 

うーん、多分、今まではアドレナリンが出ていて気付いていなかったんだろう。

 

極限状態だと痛みとか疲労感が鈍くなるって、前にどこかでやっていた気がする。

 

緊張の糸が切れた、って奴だっけ。

 

 

 

「Flak41の対空砲を喰らったんだし、歩けるほうがおかしいって。ゆっくり休ませてあげよ」

 

 

そういうホシノはガッツリ耐えて反撃しそうなもっとおかしい側だと思うんだけど。

 

 

というか、防御に意識を集中していない状態なら、多分私でも耐えられそうにない。

 

 

「大変なことになるところでした。先生達が居なかったら…」

 

 

アヤネが胸を撫で下ろすように呟く。

 

その表情には、まだ完全には消え切っていない不安が残っていた。

 

 

「先生のお陰でセリカちゃんの居場所を知れましたし、レイヴンちゃんだってあんな凄いことを…」

 

 

ノノミがこちらを見ると、その隣でホシノが小さく笑った。

 

 

「レイヴンちゃんのやってることがおかしいのはともかく、先生もただのストーカーってことじゃなかったってことだね」

 

 

「いや、私のやってることはそこまでおかしくないと思うんだけど」

 

反射的にそう返していた。

 

妙に大袈裟に言うけれど、別に不可能なことをしたつもりはない。

 

 

「手榴弾を複数の戦車の砲口に投げ入れるって言っても、向こうは履帯だから動きが遅いし。ある程度の動体視力と身体のコントロールが出来れば十分可能だよ」

 

 

言いながら、自分の中で整理する。

 

距離、角度、タイミングに身体のコントロール。

 

必要なのはそれくらいだ。

 

 

「え〜?私にはあんな離れ業不可能だよ〜。そういうのはレイヴンちゃんにしか出来ないって」

 

 

ホシノは苦笑混じりに肩を竦めた。

 

ホントかなあ…ホシノなら普通に出来そうな気がするんだけど。

 

 

“すっかりストーカー扱いされてる…”

 

 

少し離れた場所で、先生がしょんぼりした声を出す。

 

 

「ストーカーなのは……まあ……先生だし……?」

 

 

“ククク…酷い言われようだな”

 

“まあ事実だからしょうがないけど”

 

 

「まあまあ、今回は昨日の夜から今まで寝ずに頑張ってきたんだから、とりあえず今日はお開きにしよっか」

 

 

ホシノがぱん、と軽く手を叩いた。

 

うん、私も普通に眠い。

 

流石にこのまま活動を続けるのはちょっと厳しいかもしれない。

 

 

……でも、この時間から寝ると生活習慣が崩れそうで嫌だな。

 

 

シャワーを浴びて、砂と汗を落として。

 

その後、銃のメンテナンスくらいはしておこう。

 

戦った後に整備を怠るのは落ち着かない。

 

 

そんなことをぼんやり考えながら、シャワー室へと歩みを進める。

 

 

廊下は静かだった。

遠くで風が砂を撫でる音だけが聞こえる。

 

 

「あー……眠い」

 

 

口から零れた呟きは、自分でも驚くくらい気の抜けた声だった。

 

 

 

 

 

「これを見て下さい」

 

 

翌朝。

 

まだ朝の光が完全には強まり切っていない対策委員会の部室にて、皆集まっていた。

 

窓の外では砂混じりの風が校舎の壁を撫で、古びた窓枠が時折カタカタと小さく鳴る。

 

 

そんな中、アヤネが机の中央へ慎重に置いたのは、金属片だった。

 

焦げ跡の付いた、鈍く歪んだ部品。砕けた断面には熱で溶けた痕跡まで残っている。

 

 

「えーと……なにこれ」

 

 

見た感じ、ただの鉄くずにしか見えない。

 

いや、部品なんだろうけど。どこかの装甲板……?いや違うか。

 

 

「先日、レイヴンさんが爆破して散らかった戦車の部品です」

 

「ああ」

 

思わず視線を逸らした。

 

……うん、まあ、あれは確かに爆発した。したというか、爆発させた。

 

砲口に手榴弾を投げ込むのが一番早かったからやっただけなんだけど、改めて残骸を見せられるとちょっとだけ居心地が悪い。

 

 

「大部分は砕けていたり変形していましたが、比較的無事なものを発見したので回収してきました」

 

 

アヤネはそう言いながら、資料を捲る。

 

「確認してみたところ、現在キヴォトスでは使用が禁止されている違法機種だと判明しました。詳細はこれから調べる必要がありますが……」

 

 

ただの不良集団が持ち歩くには、少し話が大き過ぎる気もする。

 

 

「ヘルメット団は、どうやってそんなものを手に入れたんでしょうか」

 

 

ノノミが首を傾げる。

 

その疑問に、セリカが腕を組みながら答えた。

 

「ブラックマーケットとかじゃない?」

 

 

「ブラックマーケット……」

 

聞き覚えがある。

 

ある、気がする。

 

脳の奥に引っ掛かる感覚だけが残っていて、肝心の輪郭が掴めない。

 

名前だけ知っているような、逆に深く関わっていたような、そんな妙な違和感。

 

 

……まあいっか、今考えても思い出せないし。

 

 

「やっぱり、なんらかの組織がバックについているのかも」

 

自然と口から言葉が出た。

 

「ヘルメット団って、ああいう行動を自分達だけで考えてやるようには見えないし」

 

単純に暴れるだけなら分かる。

 

でもこういった普通は手に入らないような兵器を持ち出して、学校を執拗に襲撃して、挙句の果てには誘拐までしている。

 

ただのチンピラにしては妙に統率が取れているというか……悪意の方向性が具体的過ぎるし、ここまでやって失敗するならこの校舎は諦める筈だし。

 

 

「なら、この部品の流通ルートを追えば……」

 

ホシノがぽつりと呟き、

 

“ヘルメット団の裏に居る存在に辿り着けるかもしれない”

 

先生がその言葉を引き継いだ。

 

 

「なら、なんで私達の学校ばっかり狙われてるのかについて知ることもできるかも」

 

シロコが静かに言う。

 

それに対し、アヤネは一度だけ頷き、手元の資料を閉じた。

 

「……ひとまず、この件は調査継続ですね」

 

そう言って空気を切り替えるように咳払いをひとつ。

 

 

「それでは、恒例の対策委員会定例会議を始めます」

 

 

部室前方のホワイトボードの前へ移動したアヤネの横に、先生が立つ。

 

ついでのように私も隣へ移動すると、全員の視線がこちらに向いた。

 

 

「シャーレのおふたりもいらっしゃいますので、今日はいつもより真面目な議論をお願いしますね」

 

「はーい☆」

 

「もちろん」

 

「何よ、いつも不真面目みたいな言い方じゃない」

 

セリカが不満そうに頬を膨らませる。

 

でもアヤネにそう言われるってことは、多分普段はそうなんだろうな……。

 

 

「えー……それでは早速議題に入ります」

 

ホワイトボードに貼られた紙を見ながら、アヤネが続ける。

 

「本日のテーマは、我々アビドス高等学校における最重要問題──つまり、負債の返済についてです」

 

「ご意見のある方は挙手をお願いします!」

 

 

「はい! はーい!」

 

真っ先に手を挙げたのはセリカだった。

 

「一年の黒見さん、お願いします!」

 

「……まず苗字で呼ぶのやめない?なんか堅苦しいんだけど」

 

「セリカちゃん……でも、会議ですし」

 

「ですです! 委員会って感じがして良いと思いま〜す☆」

 

「良いじゃん、おカタ〜い感じで。今回は珍しく先生も居るんだしさ」

 

「珍しくというより、初めて」

 

シロコの補足が即座に飛ぶ。

 

 

……なんだろう。

 

言い方的に信用されてないというより、距離感を測りかねてるような感じがする。

 

完全には踏み込ませていないような…まあ、当然か。

 

ところで。

 

 

「私のこと忘れてない?」

 

「あっ、そ、そうだったね〜……」

 

 

ホシノが露骨に目を逸らした。

 

……そんなに空気だった?

 

 

「はぁ……先輩達がそう言うなら、まあいいけど」

 

セリカは溜め息を吐きつつも話を戻した。

 

「とにかく! 対策委員会の会計担当である私が判断するに、現在我が校の財政状況は破綻寸前よ!」

 

 

いつもなのでは。

 

いや、いつもだから問題なのか。

 

 

「このままじゃ廃校! 分かってるよね!?」

 

「うん、まあね〜」

 

ホシノの返事が棒読み過ぎる。

 

ただ、その気の抜けた態度の奥に、諦めとも違う妙な静けさがある気がした。

 

 

「毎月の返済額は利息だけで七百八十八万! 私達も頑張って稼いではいるけど、それでも全然追いつかないの!」

 

「指名手配犯を捕まえたり、依頼を受けたり、アルバイトしたり……今まで通りじゃ限界があるわ!」

 

 

まあ、それはそうだろう。

 

桁がおかしいし。

 

 

「だからこの際、でっかく一発狙わないと!」

 

でっかくって……よもやギャンブルとかじゃ…ないよね。

 

 

「でっかく、って?」

 

アヤネが困惑気味に尋ねる。

 

 

「これこれ!」

 

セリカが得意げにチラシを取り出した。

 

そこに書かれていたのは――

 

「どれどれ〜……」

 

ホシノが読み上げる。

 

「【ゲルマニウム麦飯石であなたも一攫千金】ねぇ……」

 

「そう! これでガッポリ稼ごうよ!」

 

賭博じゃなかったのは安心した。

 

したけど。

 

 

「アウトだよ」

 

「なんで!?」

 

あ、声に出てた。

 

 

“セリカ、それマルチ商法だよ”

 

「儲かる訳ない」

 

「ふぇ!?」

 

 

なんでそんな綺麗に引っ掛かるんだろう。

 

いや本当に。

 

会計担当なんだよね……?

 

 

「そもそもゲルマニウムと運気上昇に関連性があるのかも不明ですし……」

 

「そうなの!? 私、二個も買っちゃったんだけど……」

 

「騙されちゃったんですね、セリカちゃん。可愛いです☆」

 

「いや〜、世間知らずだねぇ。悪い大人に騙されたら人生終わっちゃうよ〜?」

 

「そ、そんなぁ……せっかくお昼抜いて買ったのに……」

 

「あらあら。じゃあ今日のお昼は私が奢りますね☆」

 

「ノノミせんぱぁい……」

 

 

涙目になってる。

 

……うん。

 

これはもう、先に悪徳商法とか詐欺の勉強させた方がいい気がする。

 

 

「では、黒見さんの案は一旦保留ということで……他に意見がある方」

 

「はい! はーい!」

 

「……三年の小鳥遊委員長。嫌な予感がしますが…どうぞ」

 

アヤネの顔が引き攣っている。

 

奇遇だね。私も嫌な予感しかしない。

 

 

「うむうむ、えっへん!」

 

えっへんってなんだよ。

 

「我が校最大の問題はね〜、生徒数が少ないことなんだよ」

 

 

それは確かにそうだ。

 

人が少なければ金も回らないし、そもそもの話、アビドスの校舎を見る限り運営がまともに出来ない。

 

 

「生徒数即ち学校の力! トリニティとかゲヘナみたいに生徒を増やせれば、収入も増えるし発言権も増える!」

 

「えっ、そ、そうなんですか!?」

 

「そうそう〜」

 

ホシノは満足げに頷いた。

 

 

「…具体的には、どうやるの?」

 

 

「他校のスクールバスを拉致すればオッケー!」

 

やっぱりろくなものじゃなかった…。

 

「はい!?」

 

 

「登校中のバスをジャックして、転入届にハンコ押すまで帰さないの〜」

 

「うへ〜、これで生徒数爆増間違いなしだね〜」

 

 

私は頭を抱えた。

 

 

「興味深い」

 

シロコが真顔で呟く。

 

「ターゲット次第で作戦を変える必要があるかも」

 

 

……シロコ?

 

 

“そうはならんやろ”

 

 

「なっとるやろがい」

 

 

“あ、レイヴンも知ってたんだ、そのネタ”

 

 

「ネットで流れてきてたから」

 

 

「うーん、じゃあゲヘナにしよっかな〜」

 

ホシノは笑っている…けどシロコの反応に若干引いてる辺り、本気ではなかったらしい。

 

……よかった。いや良くないわ、真面目にやってくれ。

 

 

「ちょ、ちょっと待ってください! そんな方法で転校ってアリなんですか!?」

 

 

「アウトだよ」

 

 

「そ、そうですよね……安心しました。そんなことしたら他校の風紀委員だって黙ってはいないでしょうし……」

 

 

アヤネが本気で安堵していた。

 

 

「いい考えがある」

 

 

シロコの落ち着いた声が響いた。

 

先程までの流れのせいで、期待値ゼロなんだけど、シロコ。

 

 

「……はい、二年のシロコさん……」

 

アヤネの返事もどこか疲れていた。

 

というか、いつの間にかまた自然に名前呼びに戻ってるし。

 

 

「えーと…どんな意見が?」

 

 

「銀行を襲うの」

 

 

「はい!?」

 

 

「アウトだよ」

 

反射でツッコミが出た。

 

 

なんでそんな真顔で犯罪計画を提案出来るんだこの子。

 

頭が痛くなってきた。

 

 

「待って欲しい」

 

しかしシロコは全く怯まない。

 

 

「一番簡単かつ確実な方法だから」

 

いや、確実ではあるかもしれないけど。

 

 

「ターゲットは市街地中央第一銀行。金庫の位置、警備員の動線、現金輸送車の走行ルートは既に把握済み」

 

 

「さっきから一生懸命見ていたのはそれですか!?」

 

アヤネの悲鳴に近い声が飛ぶ。

 

 

そういえば、さっきからずっと端末を触ってたな……。

 

 

「五分で一億は稼げる」

 

 

シロコは淡々と続ける。

 

 

「はい、覆面も用意しておいた」

 

 

そして机の上へ並べられたのは、色とりどりの覆面だった。

 

しかもちゃんと人数分揃ってるし…えぇ…?

 

「いつの間にこんなものまで……」

 

本当にいつ準備したんだろう。

 

 

というかなんで今被るんですかシロコさん。

 

行動が早い。

 

 

「おお〜。これ、シロコちゃんの手作り?」

 

「わあ、見て下さい!レスラーみたいです!」

 

なんでノノミまでノリノリで被ってるんだ。

 

 

「いやあ〜、良いねえ。人生一発当てないと。ね、セリカちゃん」

 

 

そこでセリカに話を振るのは可哀想だと思うんだけど…。

 

 

「そんな訳ないでしょ!?却下!却下だから!」

 

 

「そうです!犯罪はいけません!」

 

アヤネも即座に否定する。

 

うん、それは本当にそう。

 

 

「……」

 

シロコは不満そうに口を尖らせながら、覆面を脱いだ。

 

 

「そんなふくれっ面してもダメなものはダメだよ、シロコ」

 

普通に犯罪だからね、それ。

 

 

「はぁ……皆さん、もう少しまともな提案をして欲しいんですが……」

 

 

アヤネが深々と溜め息を吐く。

 

その瞬間。

 

 

「はい!はーい!」

 

今度はノノミが元気よく手を挙げた。

 

 

……さっき覆面を嬉々として被ってた辺り、この人も大概なんだよなあ。

 

苦労してるね、アヤネ。

 

 

「はい……二年の十六夜さん。犯罪と詐欺は抜きでお願いします……」

 

「はい!犯罪でもマルチ商法でもない、とってもクリーンで確実な方法があります!」

 

 

おっと…これはちょっと期待してもいいかもしれない。

 

 

「アイドルです!スクールアイドル!」

 

 

「…………?」

 

思考が一瞬止まった。

 

 

“レイヴンが宇宙背負ってる……”

 

 

「アイドル、ですか?」

 

 

「そうです!」

 

ノノミはぱっと顔を明るくする。

 

 

「アニメで観たんですけど、学校を復興する定番の方法はアイドルなんです!」

 

 

あー……なんか前にそんなアニメが流れてた気がする。

 

ラなんとかって名前の。

 

 

「私達全員がアイドルとしてデビューすれば、人気も出て学校も復活です☆」

 

 

「アウ……いや、セーフではあるか。合法だし……」

 

一応犯罪ではない…ないけど。

 

 

「却下」

 

ホシノが即答した。

 

「あらら……これもダメなんですか?」

 

「なんで?ホシノ先輩なら特定層にめちゃくちゃ刺さりそうなのに」

 

セリカ、意外と乗り気なんだ。いや、単純にささやかな仕返しってところかな。

 

「うへぇ〜、こんな貧弱な身体好きな輩とか、人として終わってるっしょ。ないない」

 

 

「そうかな……そうかも……」

 

 

細くて小さいし、気だるげだし。

 

……いやでもセリカの言う通り特定の層に需要がありそうな気も…いや、それが逆にダメなのか…?

 

 

「決めポーズも考えていたのに……」

 

「じゃーん!」

 

ノノミが勢いよく立ち上がる。

 

「水着少女団のクリスティーナで〜す♧」

 

 

「どういうこと……」

 

 

理解が追いつかない。

 

何その名前。

 

 

「なぁにが【で〜す♧】よ!それに【水着少女団】って名前!ダッサ!!」

 

セリカのツッコミが綺麗に刺さった。

 

うん、私もちょっとダサいと思う。

 

 

「えー、徹夜で考えたのに……」

 

 

徹夜でそれなのは割と深刻では???

 

 

「あのう……議論が全然進んでないので、そろそろ結論欲しいんですけど……」

 

 

アヤネの目が死にかけてる…。

 

 

「それなら先生に決めてもらおっか〜。先生、この中ならどれがいい?」

 

「えぇ!?ここまでの意見から選ぶんですか!?」

 

「先生の選んだものなら間違いないって〜」

 

 

選択肢がほぼ論外って話をしようか?

 

 

「まさかアイドルやれとか言わないよね?」

 

「アイドルで♧お願いします☆」

 

「……」

 

シロコは無言で覆面被らないで。

 

なんで再装備したの。

 

 

“アイドルをやろう。私がプロデュースするよ”

 

まあ……一番マシなのは間違いなくそれだしね…。

 

 

「なら私はマネージャーかな」

 

対策委員会はアイドルで。

 

 

「やっぱりアイドルですよね☆」

 

「冗談じゃないわよ!」

 

「アイドル……」

 

「先生もそっち側の人間だったか〜……」

 

 

“私のことなんだと思ってるの……?”

 

「でも銀行強盗より百倍マシだからさ…」

 

 

「い……」

 

「い?」

 

 

アヤネの肩が震えていた。

 

嫌な予感がする。

 

 

「いい加減にして下さい!!!」

 

ガンッ!!と机がひっくり返る。

 

 

置かれていた資料が宙を舞い、部室中へ散乱した。

 

わあ…普段穏やかな人ほど怒ると怖いって、本当だったんだ。

 

 

「ここは大喜利会場じゃないんですから、もっと真面目にして下さい!!真面目にやってるこっちがバカみたいじゃないですか!!」

 

 

……うん。

 

それについては否定しづらい。

 

 

「出た〜!アヤネちゃんのちゃぶ台返し!」

 

出た〜、じゃないのよホシノ。

 

 

「アヤネちゃんが怒りました!緊急事態です!」

 

ノノミまで乗っかるんだ……。

 

 

「まあ……とりあえず、お昼ご飯食べに行こっか」

 

結局、苦笑いしたホシノのその一言で会議は半ば強制終了となった。




ホシノは無意識にレイヴンを後輩扱いしてます。

レイヴンは空気扱いされてると思い込んでるんですがね。悲しいすれ違い。


この小説がいいなと思ってくれた方、良ければ高評価、感想、ここすきなど貰えたら凄くモチベーションになります。

存在しない記憶まとめ、要る?

  • 必要だよ
  • 先に本編進めてもろて
  • どっちもちゃんと書いて、やくめでしょ
  • 作者自身の感覚に従え
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