『神々の箱庭に、黎明の光を』   作:もいもい130

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第31話

イドフロントの冷徹な静寂。

その中心に佇むボンドルドを、勇者フィン・ディムナが、そしてギルドの特使を伴った英雄たちが、鋭い糾弾の眼差しで包囲していました。

「……ボンドルド。貴様、何をした」

フィンの声は、凍てつく刃のように鋭く響きました。彼の右の親指は、激しい疼きと共に最悪の予兆を告げています。

「おやおや。フィンさん、藪から棒にどうなさいましたか? 先日交わした誓約は、今もこのイドフロントで、尊い祈りのように守られ続けていますよ」

ボンドルドは優雅に右腕を胸に当て、仮面のスリットを穏やかな紫に明滅させました。しかし、フィンの背後に立つリヴェリアが、手にした魔石から映し出される「報告」を突きつけます。

「白々しい。オラリオの裏通り、そして中堅派閥の宿舎から、十数名の冒険者が姿を消した。目撃証言によれば、彼らは皆、自ら望んで黒装束の集団……貴様の『祈手(アンブラハンズ)』に付き従っていったというではないか」

リヴェリアの瞳には、かつてないほどの嫌悪が宿っていました。

「……無理やりな洗脳は禁じたはずだ、ボンドルド。これは明確な協定違反だ」

フィンの言葉を受け、オッタルさんが重厚な一歩を踏み出しました。その威圧感だけで、イドフロントの堅牢な床が微かに軋みます。

「……おやおや。オッタルさん、フィンさん」

ボンドルドは深々と、溜息をつくように首を振りました。その声には、怒りではなく、深い「慈愛」が混じっていました。

「心外ですね。私は誓約を遵守しています。精神隷属機(ゾアホリック)による強引な汚染も、無理やりな連れ去りも、一切行っていません。……彼らはただ、自らの魂が求めた答えを、私の言葉の中に見出したに過ぎない」

ボンドルドは一歩、フィンたちに向かって歩み寄りました。

「オラリオという場所は、あまりにも眩しすぎる。……光が強ければ、影もまた深くなるものです。神々の寵愛(ファルナ)という名の重圧に耐えかね、出口のない閉塞感に、その瑞々しい魂を腐らせている者たちが、あそこにはあまりにも多い。……私はただ、彼らに『別の道』を示しただけなのですよ」

「……言葉巧みに、彼らの心の隙間を突いたというのか」

「愛ですよ、フィンさん。……彼らは、自らのエクセリアが単なる『数値』として消費されることに疲れ果てていた。……だから、私という偉大なる意志の一部となり、共に黎明を識(し)る路を選んだ。……自発的な合流を、あなた方は何をもって『冒涜』と呼ぶのですか?」

「……気持ち悪い」

アイズが短く、吐き捨てるように言いました。彼女は剣の柄に手をかけたまま、ボンドルドの仮面を冷たく射抜いています。

「……その仮面、叩き斬る」

「おやおや、アイズさん。相変わらず真っ直ぐで、素晴らしい。……ですが、止まりはしませんよ。黎明を望む魂がある限り、私の『家族』は増え続け、探求の路はより強固なものとなる。……ああ、素晴らしい。実に素晴らしい」

ボンドルドは両手を広げ、かつてないほど濃密な紫の光を仮面に宿しました。

「さあ、この『新たな仲間』たちの準備が整うまで、今しばらくお待ちください。……真理への路を、より多くの愛で満たすために。」

この先の展開アンケート

  • 和解ダンジョンの黎明を目指す
  • 全面戦争突入
  • 両方かけ(作者死ぬ)
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