『神々の箱庭に、黎明の光を』   作:もいもい130

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果たしてボンドルドの価値観がこれで合ってるのかすら分からなくなってきたもいもいです゚(゚`ω´ ゚)゚


第34話

「おやおや。フィンさん、見てください。これこそが、神々の加護という特権に頼らずとも、人類が自らの足で歩み出すための第一歩なのですよ」

ボンドルドは優雅に、誇らしげに腕を広げました。その先では、昨日まで路地裏で日銭を稼いでいたはずの一般市民たちが、漆黒の外骨格装甲――暁に至る天蓋を纏い、整然と隊列を組んでいました。

機能としての蹂躙:魔石銃の咆哮

前方から迫るキラーアントの大群。本来、一般人が太刀打ちできる相手ではありません。しかし、先頭に立つ志願者の男が魔石銃を構え、引き金を引いた瞬間、迷宮の常識は音を立てて崩れ去りました。

放たれたのは、モンスターから剥ぎ取った魔石を熱量へと変換した、苛烈なまでの破壊の光。

キラーアントは鳴き声を上げる暇もなく蒸発し、岩肌が赤く焼き切られます。恩恵(ファルナ)による身体能力も、長年の修練も必要ありません。ただ照準を合わせ、引き金を引く。それだけで、彼らは「英雄」に匹敵する火力を手に入れていました。

「……素晴らしい。実に、素晴らしいですよ、レオさん。あなたのその『意志』が、今、迷宮を黎明へと変えている」

ボンドルドは仮面のスリットを深々と、愛おしげに明滅させました。

「機能」の消耗とフィンの憤怒

しかし、その直後。隊列の後方で、暁に至る天蓋を纏わず、ただ虚ろな瞳で祈手(アンブラハンズ)に付き従っていた男が、糸が切れた人形のように崩れ落ちました。白目を剥き、口端から泡を吹いて痙攣するその無残な姿に、フィンは槍を突き出し、ボンドルドを鋭く射抜きました。

「……待て。ボンドルド、今のは何だ。あそこで倒れた男に、貴様は何をした!」

フィンの右の親指は、激痛と共に最悪の予兆を告げています。しかしボンドルドは、穏やかな、慈愛に満ちた所作で倒れた男に歩み寄り、その頬を優しく撫でました。

「おやおや。フィンさん、随分とご機嫌ですね。……ご心配なく。彼は今、この一射を成功させるための『負荷』を、立派に肩代わりしただけなのですから」

「……答えていない! 精神隷属機による強制的な洗脳か!? それとも、精神を弄んで身代わりにしたのか!」

フィンの詰問に、ボンドルドは仮面のスリットを、凪いだ海のように静かな紫に明滅させました。

「洗脳? おやおや、フィンさん。それは心外ですね。……洗脳とは、意思ある『人間』に対して行われる行為でしょう?」

ボンドルドは立ち上がり、静かに、しかし断固とした確信を込めて続けました。

「この者たちは元・闇派閥の残党。もはや私の一部であり、黎明を視るための『機能』そのもの。私という群体を支える指先であり、神経の一部なのです。……彼らは既に『人間としての運用』を終えています。機能として消費されることに、何の不都合があるというのですか?」

「……人間としての、運用……だと?」

「愛ですよ、フィンさん。……彼らは人間として罪を重ねる日々を捨て、私の一部として『役割』を得た。……見てください、あのレオさんの恍惚とした表情を。彼がこれほどまでに輝けるのは、背後の『家族』がその影を、苦痛を、すべて引き受けてくれているからなのです。……ああ、なんと美しい献身でしょうか」

ボンドルドの言葉には、微塵の悪意もありませんでした。ただ純粋な善意と、歪んだ論理の完成。それゆえに、隣で剣を握りしめるアイズは、吐き気を催すほどの嫌悪感にその身を震わせました。

「……最低。……あなたは、家族なんて、呼んじゃいけない」

「おやおや。アイズさん、その瑞々しい怒りもまた実に素晴らしい。……ですが、止まりはしませんよ。この『機能』たちの絆がある限り、私たちの路はどこまでも続いていくのですから」

ボンドルドは再び歩き出し、第25層へと続く闇を見つめました。漆黒の暁に至る天蓋が放つ紫の光が、迷宮を侵食する癌細胞のように、無数に増殖しながら深淵へと向かっていきました。

この先の展開アンケート

  • 和解ダンジョンの黎明を目指す
  • 全面戦争突入
  • 両方かけ(作者死ぬ)
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