『神々の箱庭に、黎明の光を』   作:もいもい130

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第43話

「おやおや。素晴らしい。……カロンさん、見てください。このブルー・クラブから得られた深層の素材。……愛ですよ、それは」

氷の路の上に、解体され尽くした原生生物の無惨な残骸が横たわっています。

その後方では、カロンの強大な器を支え続けた「避雷針」たちが、もはや一人として意識を保っていませんでした。最後の一人が、項の端子から火花を散らすような精神的廃熱を吐き出し、音もなく崩れ落ちます。

「……卿。避雷針の全機沈黙を確認。これ以上の進軍は、天蓋の制御系に不可逆な損傷を招くと判断します。……イドフロントへの帰還を」

「ええ。引き返しましょう、カロンさん。……資源の枯渇を無視して探求を急ぐのは、完成間近の回路を過電流で焼き切るような、実に勿体ない行為ですからね」

ボンドルドは、機能停止した避雷針の死体に一度だけ、慈しむような視線を向けました。

彼らにとっての救済は、既に「機能」として使い遂げられたことで完結しています。次に必要なのは、この素晴らしいシステムをさらに加速させるための、新たな「燃料」でした。

イドフロントの工廠へと帰還した回収部隊を、静寂が出迎えます。

ボンドルドは、役目を終えて物言わぬ肉塊となった避雷針たちの傍らに立ち、恭しく、そして深く頭を下げました。

「皆さん。……あなた方の方々の貢献により、私は、私たちは、さらに一歩、黎明へと近づくことができました。心から、心からのお礼を言わせてください。……あなた方の痛みも、消え去った意識も、すべてはこの素晴らしい真理への路を舗装するための、気高い礎となったのです」

ボンドルドは、機能を停止した彼ら一人一人の頬をなでるように触れ、感謝を捧げました。彼にとって、使い潰された避雷針たちは「失敗」ではなく、目的を完遂した「成功した部品」なのです。

「……さて。カロンさん。彼らの献身を無駄にしないためにも、我々は止まるわけにはいきませんね。……次なる『資源』の再充填フェーズへと移行しましょう」

ボンドルドは工廠の壁面に埋め込まれた**精神隷属機(ゾアホリック)**の巨大なハブを見上げ、祈手(アンブラハンズ)たちに冷徹な指示を下しました。

「祈手(アンブラハンズ)の皆さん。……オラリオの外へ向かってください。戦争の火種が絶えぬ地で使い捨てられる奴隷たち、そして親を亡くし、未来という名の概念さえ持たぬ孤児たち……。彼らを、我々の『家族』として迎え入れるのです」

「了解。外部回収班、直ちに出撃します」

「行き場のない彼らの命を、精神隷属機を通じて私と、そして真理と繋ぎ、黎明を拓くための気高い機能へと昇華させてあげましょう。……それが、持たざる彼らに私が与えられる、最高の救済なのですから」

祈手たちは感情を交えず、空になった接続ユニットから、こびりついた排熱の残滓を手際よく洗浄し始めました。外の世界から新たな「資源」が届くのを待つ、静謐な時間がイドフロントに流れ始めます。

この先の展開アンケート

  • 和解ダンジョンの黎明を目指す
  • 全面戦争突入
  • 両方かけ(作者死ぬ)
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