『神々の箱庭に、黎明の光を』   作:もいもい130

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段々と祈手達が魔改造されてる気がする


第49話

イドフロントの工廠には、アンフィス・バエナの術式を最適化した四つの新型兵装が、それぞれの役割を誇示するように並べられていました。ボンドルドはプルシュカの手を引き、その完成された機能美を一つずつ、慈しむように確認していきます。

1. 普及型魔石小銃:『灯火の杖(ルミナス・ケーン)』

【対象:一般祈手 / 避雷針:不要】

「見ていなさい、プルシュカ。これは、特別な力を持たない彼らであっても、迷宮の闇を払えるようにしたものです」

一般の祈手(アンブラハンズ)たちが構えるのは、安定性を最優先した軽量銃です。銃身に「蓄電膜」を内蔵し、発射時の精神的負荷を銃自体が一時的に肩代わりするため、避雷針(奴隷)を一人も介することなく、単独での連続運用が可能です。威力は控えめながら、数で補う斉射を行えば、深層の原生生物を容易に退ける「守りの要」となります。

2. 特務部隊専用・連装魔石銃:『双牙の連鎖(デュアル・アンフィス)』

【対象:シュラウド / 避雷針:不要】

「おやおや……。こちらはカロンさんたちのような、強靭な『器』を持つ方々だけが扱える特別な牙ですよ」

特務部隊「死装束(シュラウド)」の面々が両腕に装着しているのは、二連銃身を持つ攻撃的な連装銃です。これも避雷針を必要としませんが、使い手の強大な精神力(マインド)を二つの銃身へ交互に、かつ高速に叩き込むことで、圧倒的な連射性能を実現しています。避雷針というリソースを温存したまま、単独で戦局を蹂躙できる、探掘隊の「攻めの要」です。

3. 決戦運用・携行型魔石砲:『双頭の絶火・改(アンフィス・バスター)』

【対象:カロンまたは選抜祈手 / 避雷針:必要】

「そして、これはより大きな愛が必要な時に。……力というものは、必要な時に、必要な場所へ届かなければ意味がありませんからね」

カロン一人の肩で担げるよう、重力相殺回路を組み込んだ「肩担ぎ式」の殲滅兵器です。運搬は容易ですが、その圧倒的な破壊力を引き出すには、背後から伸びるケーブルを避雷針(奴隷)へと接続する必要があります。階層主さえも一撃で消滅させる、探掘隊の「切り札」です。

4. 特殊加工燃料・火炎放射器:『深淵の吐息(アビス・ブレス)』

【対象:一般祈手およびシュラウド / 避雷針:不要】

「おやおや、プルシュカ。これこそが、迷宮の冷たい闇を根底から焼き払うための『熱』なのですよ」

アンフィス・バエナの体液をベースにした特殊燃料を用いる兵装です。燃料タンクに精神的負荷を中和する触媒を備えており、避雷針を介さずとも運用可能です。物質的な燃焼を超え、原生生物の「再生能力」そのものを焼き切る蒼白い業火を放ち、密集した群れを一掃する「浄化の要」となります。

ボンドルドは、整然と並ぶこれらの兵装を満足げに眺め、プルシュカの頭を優しく撫でました。

「素晴らしい……。カロンさん。これで我々の探掘隊は、避雷針を無駄に浪費することなく、しかし決定的な局面ではすべてを焼き払う、完璧な歩みを手に入れました」

「……卿。全部隊の換装、完了。……これで、第27階層までの全行程は、もはや『作業』に過ぎません」

カロンの冷徹な報告を聞きながら、プルシュカは誇らしげに胸を張りました。

「すごいや、パパ! これならみんな、怪我もしないでパパを助けられるね!」

「ええ。この輝きは、あなたと、私たちの未来を照らすための灯火なのですよ」

工廠に満ちる新型兵装の鋭い駆動音。ボンドルドはその音を心地よい産声のように聞きながら、仮面を深く、静かに明滅させました。

この先の展開アンケート

  • 和解ダンジョンの黎明を目指す
  • 全面戦争突入
  • 両方かけ(作者死ぬ)
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