『神々の箱庭に、黎明の光を』   作:もいもい130

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第50話

工廠の隅々まで、アンフィス・バエナの素材から生み出された四種の兵装が整然と並び、祈手(アンブラハンズ)たちがその最終調整に余念がありません。その静謐を、カロンの淡々とした報告が破りました。

「……卿。ギルド経由で、ロキ・ファミリアから同行の打診がありました。例の第50階層以下の遠征です。……過去二度の接触において、我々の防衛境界線で剣を交えた彼らが、今度は公式に共闘を求めています」

カロンの言葉に、ボンドルドは作業を止め、仮面をゆっくりと明滅させました。

「おやおや。ロキ・ファミリアですか。……ええ、覚えていますとも。あの勇気ある小人族の指揮、そして何より、あの剣姫の苛烈な一撃。……二度ほど、こちらの『境界』を維持するために、少々手荒な真似をさせていただきましたね」

かつて、深層調査の過程でイドフロントの領域に踏み込もうとしたロキ・ファミリアの精鋭たち。ボンドルドは祈手たちを指揮し、あるいは自ら立ち塞がることで、彼らの侵攻を押し戻しました。それはオラリオの最強派閥にとって、喉元に刃を突きつけられたに等しい、忘れ難い経験となっているはずです。

「パパ、その人たち、また来るの? 前はパパが『ここから先はダメですよ』って言って、追い返した人たちだよね」

プルシュカがボンドルドの外套を掴み、小首を傾げました。

「ええ。ですが今度は、追い返す必要はありません。彼らは、自らの剣だけでは届かない場所があると理解し、こうして私に手を差し出してきた。……素晴らしい。目的のために因縁を脇に置く、その合理性こそが探求には必要なのです。愛ですよ、それは」

ボンドルドはプルシュカの頭を優しく撫で、その視線をカロンへと戻しました。

「カロンさん。要請を受諾しなさい。……三度目の再会です。かつて競い合った彼らに、我々の『機能』がどれほど進化したかを見せてあげましょう。……彼らが盾となり、我々が道を作る。実に、合理的で美しい遠征になるはずです」

「了解。……全祈手、ロキ・ファミリアの受け入れ体制へ。……過去の接触データに基づき、彼らの行動パターンを予測、行軍序列を策定します」

カロンの指示に、祈手たちが音もなく動き出します。

かつては敵として対峙した英雄たちを、今度は巨大な「機構」の一部として組み込むための準備が、着々と進んでいきました。

ボンドルドは、再び相見えることになる地上の強者たちの顔を思い浮かべ、その期待を隠すことなく、紫の双眸を深く、静かに明滅させました。

この先の展開アンケート

  • 和解ダンジョンの黎明を目指す
  • 全面戦争突入
  • 両方かけ(作者死ぬ)
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