憑依者しかいないゲマトリアがキヴォトスの破滅を回避しようとする話   作:シャンタン

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ゲマトリアって何で会議中立ってるんだろうね やっぱり雰囲気を大事にしてるのかな

「私の報告は以上となります。なにか質問はあるでしょうか?」

 

スーツを着た男が語りを終える。顔に亀裂が入っており、亀裂の光が猛烈に光り輝いている。

梔子ユメの捜索がなんとかでき、テンションが上がりっぱなしの黒服である。

いつも以上に亀裂から光っているため、照明より光が強い。

 

「なさそうであれば、これで会議は終了と···」

 

「あるに決まっているでしょう!!」

 

マダムの大声が会議室中に響く。

黒服の報告書を机に叩きつけながら、怒声を浴びせる。

報告を聞いている間から震え始めており、なんとか黒服が報告を終えるまで耐えていたようだ。

 

「梔子ユメについて文句はありません!強いて言えば、何を遭難など起こしていると言いたいだけです!!」

 

少なくとも、質問は梔子ユメについてではなかった。

なんだったら遭難案件まで発展させたことを怒っていた。

さすがは、アリウスにて宗教を立ち上げ()()()者である。

 

「しかし、何ですか?!このメゼラとかいう自治区開発計画は?!」

 

なにそれ知らない

机に叩きつけられた報告書には、

 

 

【号外】祝!梔子ユメ生存!

 アビドスにて行方不明となった梔子ユメを発見!

探索隊には約~~~~~~~~~~~~~~~~~~

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なんと3時間で発見!~~~~~~~~~~~~~~

あれだけの準備をしておきながら~~~~~~~~~

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 最早拍子抜けであった。

小鳥遊ホシノの照れ顔は趣深く~~~~~~~~~~

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~~~~~~~~~~~~~~~やはり、暁のホルス

を内包する小鳥遊ホシノこそ崇高であると確信した。

   あっ、メゼラ自治区開発はじめました。

 

 

 

 

と書かれており、黒服が浮かれていることが良く分かる文面であった。

そして、報告書の下の方に小さく、

 

あっ、メゼラ自治区開発はじめました。

 

と書かれている。

しかも、自治区開発については、口頭の報告を一切していない。報告書では、わざわざ"あっ"まで書いており、非常に腹が立つ文面であった。

 

そもそも、メゼラ自治区など、原作にて影も形もない。マダムからすれば唐突に、自治区開発を開始したようにしか見えなかったため、極めて順当な質問であった。

キヴォトスで開発シミュレーションを行うつもりらしい。

 

「メゼラとは、"間"を意味します。学籍がなく生徒とも言えず、未成年故に大人ともいえない。生徒と大人の間にある彼女達から···」

 

「自治区名の由来を聞いているのではありません!!自治区開発とは何なのかと聞いているのです!!」

 

「これには深いわけがあるのですよ。山より深く谷より高いわけが」

 

「大した理由がないと自白しているではありませんか!?」

 

のらりくらりと、マダムをからかっている黒服。

梔子ユメ生存を達成してから常に上機嫌で、普段より一段と煽り性能が高い。

主な被害者はホシノとマダムであった。

 

「まぁまぁ、マザーも落ち着いてください。黒服も煽らないで。我々は基本的に互いの行動に難癖はつけない約束でしょう」

 

「そういうこった!」

 

「そのマザー呼びは止めなさい!あなた達二人が一番煽っているではないですか?!私は一切、マザー呼びについて認めていないのですよ!!」

 

はあはあと肩で息をするマザ···マダム。

アリウスでは崇められ、ゲマトリアでは弄られて、不憫な人?であった。

 

「今更ではあるが、なぜ自治区開発など計画したのだ?」

 

マエストロが、マダム達のやりとりを無視して質問をはじめる。

自治区開発のこと自体ではなく、なぜそんなものを計画したのかという疑問であった。

原作では、ゲマトリアが自治区を開発するという事実など存在しない。強いて言えば、ベアトリーチェがアリウス自治区を自らの領地としていたが、開発などしていない。

しかも、どう繕っても非公認自治区であるため、メゼラの存在意義自体も不明瞭であった。

 

「良い質問です。そもそもこのメゼラ開発計画は、先ほども報告した梔子ユメ捜索に起因します」

 

「それは理解している。しかし、それがメゼラ開発にどう繋がる?」

 

「実は、参加してくださった彼女達から、成果報酬として『私達のような人達の為の場所が欲しい』というお願いをされまして。そこで、自治区開発計画が生まれたのです」

 

「黒服の治験に行っている者達であろう?メゼラとは、住む場所を無くした者達のために作られた自治区であると?」

 

「それだけではありませんが、間違っていません。元のお願いから大幅に形を変えましたが、概ね問題はないでしょう」

 

そう、このメゼラとかいう謎の自治区開発計画は、梔子ユメ捜索にて、協力した少女達への成果報酬である。

しかし、最初から自治区を望まれていた訳ではない。

黒服の言ったとおり、元のお願いから変更されている。なんだったら、原形をなくしている。

 

最初のお願いは、

 

『どんな子でも、安心して過ごせる場所が欲しいから、代理の土地の購入者になってほしい』

 

という、自治区開発にカスリもしないお願いであった。

代理とは?と疑問に思った黒服が、詳細を聞き出し深堀りを行った。

 

複数人でワンルームを借りられているから、雨風しのげる住居に問題はない。

ご飯も自炊で生活しており、お腹が減ることが少なくなってきたため、問題はない。

服も、いい古着屋さんがあったら共有するなどして、困ることは少なくなってきたから問題はない。

 

ただ、部屋を広々と使えるわけではない。

自炊は、できる子の負担になっている。

オシャレだって、できることならしたい!!!

それに、キヴォトスでは、不良になるしかなかった人達の、セーフティネットがないこともヤバい!

 

大まかにまとめるとこのような考えであるらしい。

とある集団の活躍により、行き倒れが貧困から貧乏程度になっている。

そのため、気の合った者達で協力して生活を送り、キヴォトスの不良ともいえない少女達が誕生したのである。

 

百合の花が咲き誇っている可能性はあるが、観測されることはないだろう。

 

これを受けて黒服は、

 

少女達も使えて、身寄りのない人達も使える場所を買えばいいのか?

 

と解釈した。

少女達の、オシャレにも気を遣いたい!という感情を見逃していなければ、問題はない結論であった。

 

しかし、話をまとめ、

 

『物件を購入して渡せばよろしいですか?』

 

と聞けばそれも違うという。

この少女達のお願いは、なにも黒服頼りではなかった。

自分達で土地を買って、自分達で建物も用意する計画を立てていたのだ。

協同してお金を集めて、でかいキッチンとでかいお風呂がついたでかい倉庫を建てて、フリースペースにする予定であった。

区切りとかを置けば疑似的な部屋にもなる!と、杜撰ともいえる計画を実現しようとしていた。

 

しかし、そんな少女達に、とある壁が立ちはだかった。

生徒ですらないため、まともな不動産への信用がないのである。

そうすると、自分達で買える不動産は怪しい不動産しかない。

 

『そうだ!黒服さんなら代理の購入者になってくれるかも!』

 

ということになった。

少女達は、自分達の手でいずれは生きていかねばならぬ···と無意識に思っている。

そのため、やれるやれないという領域ではなく、やるしかない!という覚悟を決めていた。

少女達も計画が杜撰なことを理解しているが、何も成せずに終わりたくない!という思いが強い。

 

『このキヴォトスを変える一歩としたい』

 

思春期特有の全能感が多分に含まれた、青春の1ページを刻もうとしていた。

根の優しさが発露した、キヴォトスへの平和な抗議でもあった。

 

『黒服さんは購入者になるだけで大丈夫です!私達の方でお金が用意できたら、購入をお願いします!』

 

とキラキラお目目の少女達から計画を聞いてしまった黒服が、少女達の正気を疑ったのはいうまでもない。

 

なぜそんな計画に自分を頼るのか分からない。契約者としては信頼されているとでも?と考え始めた黒服。

 

この信頼度は、座っているだけでお金が貰える!と、治験の話が広がったせいで、治験を神秘の実験だと思っていない層が大半になったのが原因だろう。

学校に通えている、お金目的なだけの生徒達の一部からは、怪しい研究者ではなく、少女観察が趣味の変人に思われている。

黒服に助けられた黒服組の少女達が、後方理解者面をする子達で多数を占めていなければ、大喧嘩となっていたことだろう。

 

黒服を真っ当な研究者だと思っているのは、双子ちゃんだけであった。闇の研究者だと思っているのは皆無である。

 

それはさておき。

少女達の話をまとめ、でかい倉庫計画があることを理解した黒服。

この話を聞いた黒服は気付いてしまった。

 

キヴォトスでそんな建物があっても、悪用されるか爆破されるのがオチでは?

 

いくら努力して誠実に生きようと、理不尽は平等に降りかかってくる。少女達が建てる物をでかい倉庫にしたのは、必要経費を抑えられるという算段からであろう。

しかし、フリースペースのでかい倉庫は悪用しやすく、爆破するにしても、的がでかいだけともいえる。

黒服は、そんな感想を抱いていた。

これを口に出していれば多少幻滅されるだろうに、流石にこの考えが人でなしであることを理解していた。

少女達への外面は良い黒服であった。

 

『では、良さそうな場所をピックアップしておきますので、詳細は後日にしましょう』

 

と、保留という戦略的撤退をしていった。

少女達に否というのは論外である。

しかし、破綻が見えている計画に手を貸し、彼女達が蛮行を行う可能性を生むのも本意ではない。

そして、自分が買い与えるのは、彼女達の意思を踏みにじることになる。

 

では、どうすれば···

 

 

 

 

最終的に安全な場所ができ、悪用する者が自分達だけになれば良いのでは?

 

これぞ正に、逆転の発想。

少女達は安全な場所を作り、私達を中心とする環境に整備するよう、誘導する。

 

かんぺき~な計画だ。

そうと決まれば、あとは管理者を増やすだけである。

 

 

 

「だからといって、何故に私以外の承認を既に得て開発を始めているのです!!報連相の何一つなかったではないですか?!」

 

そう、黒服は既に、マダム以外の了承を得てメゼラ開発を始めている。なんだったら既に、マダム以外のゲマトリアメンバーによる、メゼラ担当地区すら決まっている。

 

『貴方方が連れてきた、少女達のためになりますよ?』

 

と囁かれ、マエストロとゴルコンダは二つ返事で了承している。

デカルコマニーのみ、どういうこった?!と詳細を求めたため、マダム以外には構想が説明されている。

 

つまり、ゴルコンダの仲裁、デカルコマニーの追い討ち、マエストロの質問も全て、マダム以外にはとんだ茶番劇であった。

だからこそ、マダムは露骨な茶番に激昂しているのである。

 

「マザー、何を言っている。報告は先ほどしていただろう?」

 

素知らぬ双顔で、マダムを煽っていくマエストロ。

ゲマトリアメンバーによる一種のじゃれあいであるが、原作を知っていると理解を拒む光景である。

 

「マエストロまで喧しいです!!貴方の見え透いた知らないフリにもウンザリしているのです!ゲヘナの件に関しても、干渉しすぎでしょう!さっさとゲマトリアメンバーとしての方向性を決めなさい!」

 

「藪蛇であったか」

 

「クククッ。薮蛇でしたねぇ」

 

「私とデカルコマニーも、早く方向性を決めねばなりませんか」

 

「そういうこった!」

 

痛いところを突かれた、とでもいいたげな雰囲気である。

 

「ええ、その通りです。メゼラに関しては仕方なく······仕方なく!置いておきますが!!改めて、確認をします」

 

なんとか、メゼラ自治区開発計画を流すことにしたマダム。

冷静ではなくして、なんとかうやむやにしようとした気配もするが、気のせいであろう。

 

 

「私が"ベアトリーチェ()"自身へ定義した、キヴォトスにとっての"悪"」

 

 

心なしかシリアスな空気が流れてきた。さっきまで弄ばれていたとは思えない雰囲気である。

 

 

「黒服が"黒服"自身へ定義した、子供を利用する"悪"」

 

 

しかし、この世界線のゲマトリア(憑依者)にとって大事な確認であった。

 

 

「決して"悪"である必要はありません。しかし、信念を持たざる"選択"は認めません。破滅へ抗うには、意思こそが不可欠だからです」

 

 

キヴォトスにて、自分達が存在することには意味があるはずだ。

 

 

「信念を持って、自身の存在意義を"選択"する。異形と成り果てても、"選択"をしないという、現実逃避は赦さない」

 

 

しかも、原作にて(ヴィラン)役であった者達に憑依したのだから。

 

 

「原作開始と思われる時期まで、2年もありません。つまり、期限も2年はないということです」

 

 

なればこそ、存在意義だけは揺るぎないものを持たねばならない。"先生(救世主)"の(ヴィラン)になってでも貫きたい意思がなければ、その意思に意義などない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゆめゆめ 忘れることなきように」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ええ、ええ、それでこそマザーです」

 

「喧しいですよ!黒服!せっかくの雰囲気を台無しにしないでください!」

 

台無しにしたのはマザーである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

会議を終え、開発途中のメゼラへと向かっていく。

なんとか、梔子ユメへの捜索を手伝ってくれた少女達を誤魔化せたのに、メゼラ開発計画が中断されては堪らない。

 

 

『実は、廃校となり、人のいなくなった自治区を買い取るのです。そこで、いきなり本番ではなく、廃体育館をリノベーションして、モデルケースを作ってみるのはどうでしょうか?』

 

 

ヘイローを持った存在が集まるのは好都合である。

自分達で被験者を増やしてくれるというのだから、利用しない手はない。

 

 

『せっかくなので、知り合いに声をかけ、管理者になってもらうこともできました。そして、3つの廃校をピックアップしております。つまり、計3つのモデルケースを試作することができます』

 

 

彼女達に買い与え、何もかも解決するのは赦さない。

自身の定めた信念からずれるからだ。

しかし、お金稼ぎのために、無茶をするようになって治験者が減るのも看過し難い。

 

 

『貴女方の無償で提供するフリースペースは、今までのキヴォトスになく、素晴らしいものです。しかし、維持費という観点が抜けている。

 モデルケースは赤字でも良いので、好きな建物に改造し、商業施設として経営してみてください。そして、自分達で必要経費を出してみてください』

 

 

彼女達の、何かを遺したいという意思を汲み取る。

されど、彼女達が欠けるという結果にならないように。

その意思を測り損ねれば、介入ができなくなってしまう。

 

 

『仮に、モデルケースで黒字を出せれば、フリースペースは無償提供というのも夢ではありません。別の手段で稼ぎ、その稼ぎによって経営を成り立たせる。大人が働く企業で良くあることです』

 

 

そして、彼女達には行動力がある。

計算など度外視して、気力だけで成り立たせる、原作のアビドス高校のような行動力が。

つまり、一種の思考停止をしている状態だ。

 

 

『しかし、フリースペースを作り出すだけで満足でしょうか?貴女方の願いからは、熱を感じました。そんな、狭いフリースペースだけを作り出すことでは収まらない、確かな熱を』

 

 

だからこそ、彼女達の願いを否定も肯定もしてはいけない。

良い点と悪い点を上げ、方向性を少しずつずらしていき、利用する。

 

 

『だからこそ、賭けてみたくなりました。学籍がなく、生徒とはいえない貴女方。そして、未成年であるがゆえに大人ともいえない貴女方。そんな、可能性しかない貴女方だからこそ、賭けてみたくなりました』

 

 

そして、彼女達が目を向けないようにしているであろう、無意識の部分に寄り添って、提案をする。

その提案こそが、あたかも本当の願いであったかのように、錯覚させながら。

 

 

『キヴォトスにおいて、弱さとは罪です。だからこそ、作ってしまいましょう。弱者による、弱者のための、弱者による自治区を。キヴォトスにとって弱者に分類されるであろう、貴女方のような者達のための居場所を』

 

 

そして、最後に反骨心を煽れば良い。

冷静にさせてはいけない。

理性が働いて決断の邪魔をする。

いつだって"選択"を誤らせるのは感情なのだから、感情に訴えかければいい。

 

 

『貴女方に決して拒めないであろう提案を一つ』

 

 

何よりも、その場で決断させることこそが重要だ。

熱で侵された頭を冷やさず、勢いで行動させる狂気を引き出すために。

 

 

『私達と共に、罪に濡れた自治区を作りましょう!

 このキヴォトスにおいて、罪で溢れた自治区を作りましょう!』

 

 

人の心を理解するがゆえに、原作より悪辣な提案をこの黒服は行えるのだ。

 

 

『大分ずれてしまってはいますが、私から貴女方へ贈れる最大の返礼です。いかがでしょうか?』

 

 

なお、受けた側がどう受けとるかまでは、考えていないものとする。

 

 

 

「クククッ。マダムは扱い易くて、扱いづらいですねぇ。煽り耐性はありませんが、場の空気を変える力が強いですから。自治区開発を主導するのが私達でないと気付いたら、どう反応するか分かったものではないですね」

 

違った方向に冷静になってくれたおかげで、なんとかなったのだ。

あの茶番だらけの会議は、全てマダムの目を逸らすためだけのものであった。

 

どのようにメゼラを開発するのか質問されないよう、マダムを冷静にさせないためだけの茶番劇であった。

 

何せ、どうなるかは彼女達(変数)次第なのだから。

管理者となった彼らも、一度は納得したことに疑問を持ちかねない。

 

 

「さて、種は蒔きました。どのような変数へ芽吹くのか、実に楽しみですねぇ。クククッ」

 

梔子ユメを生存させるために使っていた行動力を、変なベクトルへと変換して働かせている。今日も黒服は元気であった。

 

 

「おかえりなさい。黒服さん」

「おじゃましてる。黒服さん」

 

「ええ、ただいま戻りました。貴女方は今日も戦闘訓練でしょうか?」

 

そして、自身ですら予想していなかった変数を、何よりも楽しみにしている。

 

「そう。ホシノ教官が考えた課題中」

「うん。ホシノ師匠がくれた訓練中」

 

師弟関係を結んだ彼女達。

小鳥遊ホシノには、アビドスを退学しないならと、治験の協力は得られた。

その後、双子の『『強くしてほしい』』という、黒服へのお願いによって結ばれた師弟関係。

 

双子は不満そうにしていたのが懸念事項でしたが、些細なことでしょう。

小鳥遊ホシノに、神秘の液体が媚薬と勘違いされたのには参りましたが···

 

()()とも、神秘の増大を確認できている。

想定と異なったが、神秘の液体摂取で、小鳥遊ホシノの潜在能力を引き出す形で強化されている。

無名の神秘ともいえる双子の神秘が、小鳥遊ホシノに影響され、共鳴ともいえる現象をおこしている。

増大するはずの無かった双子の神秘が、明らかに成長している。

 

「頑張ってください。貴女方には期待しています。ともすれば、小鳥遊ホシノと同じくらいに」

 

それは、黒服なりの最大限の賛辞だった。

やはり、世の中は変数が多いほど面白いと、直近の憂いが無くなった人生を謳歌している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「やっぱり、黒服さんはクソボケ」」

 

「······なぜ?」

 

残当である。




ちなみに、マダムへのマザー呼びは、感想でいただいた内容から、勝手にアイデアをお借りしております。
余りにもマザー呼びか素敵過ぎて…申し訳ございません。

話の展開や、呼称などを感想にて変えるつもりは無いですが、作者は愚かなので、キャラの呼称などは使ってしまうかもです。
後だしにはなりますが、勝手に利用して申し訳ございません。
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