モノづくり大好きライバーによるハッピーエンドの作り方   作:超かぐや姫!脳焼きの民

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本編の流れに絡まないので初見です。

感想、誤字報告本当にありがとうございます。



注意:月見ヤチヨのキャラ崩壊があります。
許容できる方のみお進みください。


幕間1 Mr.Mkという男。月見ヤチヨの受難。

Mr.Mk(ミスター・メイク)という男

 

Mr.Mkは2029年5月の上旬に仮想空間ツクヨミに突如現れたライバーである。

 

仮想空間ツクヨミでは様々なライバーが活躍している。

 

或るものはゲーム

 

或るものは歌

 

或るものはダンス

 

或るものは美容

 

或るものはグルメ

 

などなど数多くのライバーが幅広いジャンルで活躍している。

 

この自由さこそ仮想空間ツクヨミの最大の特徴である。

 

そんな中でも異彩を放つのがMr.Mkである。

 

初配信は「ビームサーベルとビームライフルを作る(基礎設計編)」などという集客を考えているのかいないのかわからない内容であった。

もちろんビームサーベルもビームライフルも一度の配信で基礎設計が終わるわけもなく...

 

基礎設計編2,3...

 

製作編1,2,3...

 

と一つの内容をずっとこすり続けた。

 

そんな配信がバズるわけもなく、

 

されどその喋りとロマン、熱量にあてられたコアなファンが根付き始めた。

 

いつしか彼の配信は

知る人ぞ知るアングラな配信となっていった。

 

 

 

Mr.Mkが作るものは実に様々だ。

 

仮想空間でしか作れないもの

 

ロマンを求めすぎた結果、実用性皆無なもの

 

実用性に特化しすぎてデザイン性が終わっているもの

 

そんなものばかりである。

 

だが、彼の根底にある思想はただひとつ。

 

 

こんなことしてみたい!

 

こんな武器つかってみたい!

 

けれどそんなものは存在しない。

 

ならば──

 

己の手で作ってみせようぞ!!。

 

そんな男である。

 

 

 

そんなアングラな男がバズってしまったのは、

ある一つのトンデモ兵器を製作、実践したことが原因である。

 

それは人が運用するにはあまりにも大きすぎた。

 

それは人に向けるにはあまりにも過剰火力であった。

 

それはロマンの塊であった。

 

その名は「超高速戦術強襲支援機エンフォーサー」

 

エンフォーサーはMr.Mkの中の人こと遠田がガンダムSE〇Dシリーズを見直しているときに

「ミーティアかっけぇなぁ」という至極単純な思考をもとに開発された最高傑作のひとつである。

 

基礎設計2か月、製作3か月をかけて、持てる資材、技術を全投入した結果、個人製作の域を超えた超兵器が完成したのである。

 

 

超高火力ビーム砲兼超大型ビームソードが2門

 

小型のビーム砲(手持ちのビームライフルと同等の大きさ)が8門

 

ミサイル発射管

 

...数えるのを途中で放棄した。

 

とりあえずいっぱい。

 

と圧倒的火力と物量で敵を屠る超兵器である。

 

エンフォーサーを目撃した人々は口をそろえて

 

「あの火力と物量は頭がおかしい」

 

と評価する。

 

しかし一番おかしいのはこの超兵器を5か月で完成させたMr.Mkの技術力と熱意、執念である。

 

そんな超兵器をMr.Mkは性能試験と称して対人陣取りゲームKASSENに持ち出したのである。

 

あまりにも巨大なエンフォーサーを見た対戦相手は

 

「デカいだけのコケ脅しだ」と油断した。

 

なんならMr.Mk本人も

 

「デカいだけの案山子」

 

と自称していたため何も間違ってはいない。

 

はずだった...

 

ゲーム開始。

 

1秒。

 

Mr.Mkはエンフォーサーを装着すると同時にエネルギーチャージを開始した。

 

「景気よく一発いくで!!」

 

の一言とともに全砲門開放(フルバースト)

 

莫大なミサイルがフィールド上部と下部にいる牛鬼ごとヤグラを破壊

 

超高火力ビーム砲から放たれたビームが大将落としを無視して天守閣に直撃。

 

天守閣爆散

 

超火力の絨毯爆撃に耐えられなかったのかフィールドが崩壊

 

ツクヨミのサーバーに大ダメージ

 

そしてこの日、

仮想空間ツクヨミは史上最悪のラグを記録した。

 

 

もちろん仮想空間ツクヨミの管理者AIたる月見(ルナミ)ヤチヨはこの事態に介入する。

この原因を調査...するまでもなく犯人を特定、急行。

 

 

そして犯人(Mr.Mk)事情聴取を始める。

 

製作者たるMr.Mkは

 

「ロマンはあるけど取り回しの悪いデカい案山子になると思ってた。

こんなことになるとは思っていなかった...

悪意はなかった。」

 

などと供述している。

 

もちろん彼に悪意はない。もちろん常識というストッパーもない。

楽しくなりすぎて、やりすぎてしまったのである。

結果、仮想空間ひとつが半壊した。

 

フィールド崩壊。

管理者AI月見ヤチヨによる事情聴取。

 

なお彼のコメント欄では

 

「草」

「いつかやると思ってました」

「裁判はいつやりますか?」

「被告人、何か言い残すことは?」等

 

配信主を擁護するコメントが一つもなかったのである。

 

 

これ以降、Mr.Mkとヤチヨの鬼ごっこが定番となった。

 

Mr.Mkがトンデモ兵器(バグやグリッチの温床)を作り、

 

ヤチヨがそれを発見し、対処し、封印する。

 

つまり簡単に言うと

 

「兵器を作る男」と「それを止める管理AI」の追いかけっこである。

 

これが現在のMr.Mk配信の流れである。

 

この邪知暴虐な管理AI(Mr.Mk目線)によって封印された兵装を、

Mr.Mkは「封印指定」と呼んでいる。

 

2030年7月末現在、

封印指定は6件。

 

なお、封印一歩手前でヤチヨに怒られた兵器は

星の数ほど存在する。

 

 

 

 

月見ヤチヨの受難

 

月見ヤチヨは仮想空間ツクヨミの管理者兼歌姫である。

 

ヤチヨがツクヨミを構築したのは8000年待ち焦がれた大好きな2人の恩人との再会を果たすためであった。

 

そして時は流れ2029年5月

 

ついに恩人の片割れがツクヨミに襲来した。

 

今彼と顔を合わせてしまうと涙が止まらなくなると彼女はMr.Mkこと遠田を遠くから見守ることにした。

 

 

 

――そして。

 

月見ヤチヨは激怒した。

 

必ずかの邪知暴虐(管理者目線)のMr.Mkを除かなければならぬと決意した。

 

ヤチヨはロマンがちょっとだけわかる。

 

しかし同時に

ツクヨミの管理者である。

 

Mr.Mkや彩葉だけでなく、

ツクヨミを訪れるすべての人が楽しめる空間を守るため、

ヤチヨは日々努力してきた。

 

そのため、ツクヨミに発生する異常に対しては

AI一倍敏感であった

 

 

「ヤチヨはバグやグリッチの修正で手いっぱいだよ

およよ~」

 

そう。

 

Mr.Mkの作品によって発生、発見されたバグ。

 

バグやグリッチも利用したトンチキアイテム。

 

その他もろもろ。

 

ヤチヨはほぼ毎日、修正作業に追われていた。

 

そんな心優しいヤチヨも、

ついに怒りを抑えきれなくなった。

 

エンフォーサー事件。

 

あの兵器によって

ツクヨミのサーバーには大ダメージが発生し、

さらに過去最大級のラグが引き起こされたのである。

 

「いくら大好きな恩人とて許せぬ」

 

こうしてヤチヨは、

Mr.Mkの元へ殴り込みをかけた。

 

それ以降――

 

Mr.Mkとヤチヨの鬼ごっこが、

ツクヨミの名物となった。

 

ヤチヨがMr.Mkを捕まえると、

彼を簀巻きにする。

 

そしてそのまま、

バグ・グリッチ取り配信のお供にするのである。

 

 

バグ・グリッチ取り配信の概要欄には、毎回こう書かれている。

 

「ヤチヨは非常に怒っています。」

 

しかし配信を見た視聴者の感想はというと――

 

「そんな怒ってるようには見えない」

 

「思ったより楽しそうにしてる」

 

「むしろテンション高くない?」

 

「簀巻きのMr.Mkで遊んでない?」

 

など、概ね疑問視する声が多かった。

 

当のヤチヨはというと、

 

「怒ってるよ!!

ヤチヨは本当に怒ってるんだからね!!」

 

とのこと。

 

 

そして簀巻きのMr.Mkはというと...

 

 

芋虫のごとく全力で大暴れしていた。

 

うねうね。

うねうねうね。

 

床を転がりながら、謎の移動を開始する簀巻きの男。

 

「俺は何もしてへん!!

冤罪や!!」

 

「何もしてへんは絶対ウソ!!

何かしかしてへん!!」

 

うねうね。

ずりずり。

 

ちなみにコメント欄はというと

 

「芋虫で草」

 

「移動してて草」

 

「なんでそれで動けるんだよ」

 

「バグ取り配信なのにバグみたいな動きしてる」

 

「$5000

ヤチヨ様の関西弁だと…!?

ありがたやありがたや」

 

など、いつも通り平和であった。

 

 

 

Mr.Mkはバグやグリッチで遊び倒して動画にしたのちに運営(ヤチヨ)にちゃんとバグ報告をしている。

 

一応、報告はしている。

一応である。

 

しかしヤチヨは

 

「バグを見つけたら遊ぶ前に通報してほしいなぁ」

 

と常々口にする。

 

それをMr.Mkこと遠田が聞き入れるかはまた別のお話。

 

「先に通報したら遊ぶ前に対処するやん...」

 

反省の色はない。

 

 

 

 

ヤチヨの受難はまだまだ続く。

 

頑張れヤチヨ。

貴女が頑張ってヤツを止めるのだ。

 

貴女だけが頼りなんだ。

 

残念ながら遠田(Mr.Mk)は止まらない。

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