モノづくり大好きライバーによるハッピーエンドの作り方 作:超かぐや姫!脳焼きの民
書きたかったところpart1がようやくかけた!
皆さんいつも感想、評価、誤字報告ありがとうございます。
2026/3/6 22:30時点でルーキー日間(加点)1位でした。
この作品を読んでいただいている皆さんのおかげです。
本当にありがとうございます。
「な...ナニコレ~?」
「夏休みの予定だけど?」
かぐやの情けない声が彩葉の家に響く。
部屋に張り出された彩葉の夏休みの予定表には
バイト、バイト、勉強、勉強、勉強、バイト、勉強、休日、勉強...
とみっちみちなのである。
ちなみに遠田はそもそも予定表なぞ作ってすらいない。
適当にバイトして、適当に配信して、適当に勉強して、適当に遊ぶのである。
「え~やだぁ!かぐやと遊んで!」
かぐやの声はいつになく震えている。
「1日とて無駄にはできないから邪魔禁止ね」
「え~やだっぴ~!」
彩葉の残酷な宣言にかぐやがのたうち回る。
この狭い部屋でのたうち回るとどうなるか...
そう。
何かしらにぶつかるのである。
今回の場合は、
畳まれていた布団から落ち、
その勢いでちゃぶ台に衝突。
ちゃぶ台に置いている教科書、参考書がかぐやの頭に落下する。
見事なピタゴラスイッチである。
「追い出すよ?」
暴れるかぐやを睨みつけるような目で彩葉は警告する。
ここの家主は彩葉である。
居候に発言権などない。
「で?あれらは?」
般若の面が幻視できるような顔で彩葉が玄関を見る。
ライオンの人形
ギターのおもちゃ
形容しがたいデカいナニカ
何のために購入したかわからないものが数多く散乱されている。
「あれは配信用!全部百均だから安心!
ねえ見て見て!
ライバー始めたんだ!
どう?」
そんな彩葉に臆することもなく、かぐやはPCの画面を見せつける。
子供の落書きのような立ち絵と背景。
立ち絵の差分を用意しているのは素晴らしい。
聞くに堪えない不協和音。
まさかの初配信は、挨拶だけして終了。
最後には配信がうまく切れておらず、かぐやの顔が映ってしまっている。
誰が何と言おうとも配信事故である。
「おいおいおいおい
てか何だこの不安になる不協和音は」
「ジングルだよ」
かぐやは当たり前かのように返す。
聞いていると気分が悪くなるのか、彩葉は不協和音を止めさせる。
「あれ?どうやって曲を...
あっ私のキーボード?
勝手に出さないでよ~」
彩葉の疑問は片付けられていない自身のキーボードに気づく。
かぐやが勝手に引っ張り出し、不協和音を重ねていたのだ。
「あっ彩葉もしや弾けるね?
全然うまくいかなくてさぁ
いっちょお願いしますよ先生」
かぐやは彩葉の抗議に耳を貸す様子はない。
なんなら目の前で弾いてくれと懇願。
面の皮が厚い。
「私ならもっと上手くできる」というプライドによるものか、かぐやの懇願を断れないのか
彩葉はしぶしぶキーボードに指をかける。
「そもそもまずコードってのが...
あって...」
その瞬間彩葉の脳内に思い出がフラッシュバックする。
たき火、トンカチで割られる茶碗。
そして聞こえる幼い女の子の笑い声。
それは過去の彩葉の声であった。
亡き父と並んでキーボードを弾く彩葉。
その音色をBGMに、後ろのテーブルでは母が本を読んでいる。
「彩葉
音楽は自由に楽しむんやで」
微笑む父と母、楽しそうに笑う彩葉。
幸福な家族のひと時。
そして
母と兄を両脇に参列する父の葬儀。
もう大好きな父に会うことができない。
その事実に彩葉は涙が止まらなかった。
ピアノのコンクールに出場する彩葉。
「やるんやったら勝ちに行きぃ言うてるやんな?」
母から彩葉に向けた激励(呪い)の言葉と共にキーボードが彩葉の手元から離れていく。
「やったら私もう......」
辛く、苦しく、悲しい思い出。
彼女の精神を縛り続ける過去。
そんな思い出により彩葉の手が止まる。
かぐやは目を輝かせ、彩葉が奏でる音を待っている。
一拍、そして深呼吸。
彩葉の手が動き出す。
軽く、明るく、さわやかな音。
「わぁ~天才!すごすぎる~」
「いろいろ
中途半端にはできるんだけどね」
彩葉が照れながら答える。
今バイトに行っている遠田がいれば
「中途半端?
このクオリティで?」
とツッコミを入れてくれただろう。
「フフッもっかい!
エンドレスで」
かぐやから注文が入る。
彼女にとって今彩葉が奏でた音はずっと聞いていたくなるほど心地の良いものだった。
そうしてただ1人のために奏でられる2人だけの音楽会が始まった。
「そうだ!!
彩葉の曲を私が歌えば大バズ確定じゃん!
ねぇ彩葉作って!」
かぐやはあまりにも簡単に言う。
「いやいやカバーでいいじゃん」
「いや~!オリジナルがい~い~」
彩葉のマジレスにわがままで返すかぐや。
先に折れたのは彩葉であった。
かぐやのおねだりは断れないらしい。
「大昔のやつ
もはや黒歴史だよ
新しく作る暇はさすがにないからね」
そういって彩葉は過去に作った曲をフォルダの奥底から引っ張り出す。
「これ彩葉が作ったの?すごすぎ~」
かぐやが彩葉を褒めちぎる。
よほど気に入ったのか目が星になっている。
「いいから適当に歌ってみたら?」
頬を染め、照れる彩葉。
照れ隠しなのか少しぶっきらぼうに言い放つ。
かぐやは目を閉じ、鼻歌を口ずさみながら体を揺らす。
「誰も止められやしない
歌わずにはいられない」
歌詞がフィットしたのか口に出して歌いだす。
これが後に、かぐやいろP名義で投稿される
「私は、わたしの事が好き。」である。
この「人生楽しむぜうぇい」な曲は遠田にぶっ刺さり、彼は定期的にこの曲を聴いている。
しかし恥ずかしいのか2人には言っていない。
「彩葉プロデューサーになって
一緒にヤチヨカップ優勝しよう!
このボロアパートから伝説が始まる」
「ボロアパート言うな
ムリです」
「え~ん!
絶対楽しいのに~」
かぐやは腕をぶんぶん振って抗議する。
「邪魔しないなら
ここにいていいって言ったでしょ?」
彩葉の正論パンチ。
かぐやには効果抜群だ!
しかしかぐやには逆転の一手があった。
甘い声によるおねだりである。
彩葉には効果抜群だ!
「その手は食わん!」
彩葉だって何度も食らえば対策だって出来る。
「このまま終わりたくない...
後悔なんてしたくない...
やれることは全部やりたい...
ハッピーエンドにしたいなぁ~」
追撃の泣き落とし。
急所に当たった。
彩葉は断れなかった。
「後悔なんてせんように、やれることは全部やんねん!」という、
遠田による英才教育(?)の賜物である。
そして、かぐやいろPのヤチヨカップ優勝を目指す二人三脚が始まる。
なお遠田も巻き込まれる模様。
かぐやいろPによるツクヨミでの初めての路上ライブ
かぐやが歌って踊りその後ろでは狐の着ぐるみが紙吹雪を投げている。
観客は4人と犬DOGEしかいない。
しかしかぐやは非常に楽しそうだ。
かぐやいろPチャンネルは
歌、ゲーム、雑談、アニメの同時視聴、グルメと多岐にわたり活動している。
『影のない明日(Tomorrow Without Shadows)』の同時視聴配信にて
'ハッピーエンドの皮を被ったバッドエンド'が受け入れられないかぐやは
「ぐわ~!!
これバッドエンドじゃん!
くそ!
ゆるせねーーーー!!」
と発狂、台パンのコンボが炸裂する。
これが彼女のお家芸である。
ペットボトルロケットをぶっ放す配信では
発射したペットボトルが意味不明な挙動をし、市販のペットボトルロケット発射装置が破損。
どうにかきれいに飛ばしたいかぐやは配信中でありながら電話で遠田を召喚。
そして現れたMr.Mkにコメント欄が大騒ぎになった。
ついでにMr.Mkの苗字が'遠田'であることがネットに公開されてしまった。
遠田どんまい
この配信の結末はというと魔改造されたペットボトルロケット発射装置が暴走、暴発。
危うく大惨事になるところであった。
「なにやってんだ遠田ァ!」でコメントが埋まった。
この配信以降Mr.Mkが配信でやらかすと
「なにやってんだ遠田ァ!」
というコメントが流れるようになったとかなってないとか。
かぐやはリアクションが大きいため視聴者も彼女のリアクションを楽しみにしている節がある。
そんななか一件のコメントがかぐやの目に留まる。
「かぐやちゃんのホラゲー配信見てみたい」
そうと決まれば即行動。
かぐやは某水の呼吸の育手さんから満点がもらえるほど判断が速いのである。
「彩葉~
一緒にホラゲーしよ」
「今日はバイトがあるの
1人で頑張りなさいな」
「さすがにホラゲー1人でするの怖いよ~
彩葉隣いて?」
秘技・泣き落とし。
しかし外れた。
「そんなに怖いなら遠田連れてこればいいじゃん。
...遠田もホラー苦手だけど」
「それいいじゃん
そうしよ」
今日が遠田の命日である。
彩葉は遠田を盾にしバイトへ行った。
そしてかぐやによるホラゲー配信が始まる。
タイトルは魔〇の家。
ホラーもあるがどちらかと言えば死に覚えゲーである。
かぐやとて最初は1人で頑張っていた。
しかし初めてのホラゲー。
怖さ控えめの作品とは言え怖い。
ということで遠田を拉致ることに。
遠田はかぐやがホラゲー配信していることを知っていたが、
巻き込まれないように自宅で静かに息を殺していた。
しかしそれは無駄であった。
ドアをノック。
居留守と判断するや否や合鍵を使って侵入。
なにか起きた時用の合鍵の悪用である。
かぐや目線では「ぼっちホラゲー怖い」という至極真っ当?な事情があるためセーフである。
もちろん遠田は抵抗する。
しかし遠田とて倫理観はある。はずだ...
年端もいかぬ女性を傷つけるわけにはいかない。
しかし全力で抵抗しなければホラゲーが待っている。
そんな二律背反のジレンマに陥った遠田は...
簀巻きにされてかぐやの横にいた。
遠田は負けたのである。
遠田とて負けた以上は腹を括る。
最高のリアクションをお届けするために目をそらさない。芸人魂ここにあり。
そしてかぐやは即死トラップや恐怖を煽る演出、ジャンプスケアを乗り越えてゲームをクリア!
「やったぁ! 終わったぁ!」
かぐやが歓喜の声を上げる一方で...
「し、死んでる...」
隣の遠田は魂が抜けたように白目をむいて泡を吹いていた。
これが大バズり、ヤチヨカップ優勝にまた一歩近づいた。
Mr.Mkもこの配信でファン数が増えたが本人は納得していない様子である。
そんなヤチヨカップ優勝を目指すかぐやだが、
配信外では芦花と共に化粧を楽しんだり、真実と一緒にタピオカラーメンを食べに行ったり、
ス〇バにいったりとめっちゃ充実した生活を送っている。
ちなみに遠田も
「タピオカラーメン?
なにそれおもしろそう!」
と同行したが口に合わずしわしわピ〇チュウのような顔になっていた。
話のネタにはなると最終的には満足した模様。
「宇宙人のくせになじみすぎ
だいたいかぐや姫って、こんな陽キャじゃないでしょうよ」
「ドッキリで『かぐやは実は地球人でした!』
って言われても納得できるでこれ」
そんなかぐやの配信生活を間近で見ている遠田と彩葉はかぐやの馴染みっぷりに驚愕していた。
「なんで私がこんなこと...」
「そう言ってる割には楽しそうやで酒寄さん
前よりよう笑うようになった。」
なぜか遠田が嬉しそうに彩葉を見ている。
「なんで遠田が嬉しそうなのよ」
「そりゃね身近な人が楽しそうに、嬉しそうにしてたらこっちまでうれしくなるやん?
それよそれ」
(まぁそれが遠田らしいよね)
と彩葉と納得する。
余談であるが
かぐやの
「
キッチリ片をつけ、忘れる」
という配信での発言から
「これMr.Mkの親戚だったりしない?」
「Mr.Mkって姉がいるって言ってなかった?」
「もしかしてその姉=かぐや?」
などという憶測が飛び交うこともあったが事実無根である。
どちらかというと娘である。
ちなみに遠田姉も、おもろいこと大好きモンスターである。
遠田家で一番癖が強い。
「私よりおもんないやつが告白してくるとはいい度胸や」
と公言するやばい人である。
そのやばさも、とある理由により今は鳴りをひそめているらしいが...
楽曲コード:N01701829
「私は、わたしの事が好き。」を使用しています。