モノづくり大好きライバーによるハッピーエンドの作り方   作:超かぐや姫!脳焼きの民

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筆が乗りすぎて日付が回ったので初見です。

今回はギャグ回なので短めで


夏、海、すなわち漫才

2030年8月3日

遠田は海にいた。

海の家での短期バイト。

 

志望理由は――

 

「海の家って楽しそうやから!」

 

そんな感じで来たのである。いつも通りだ。

 

 

 

そして海の家でのバイトは遠田にとって天国であった。

 

普段のバイトは誇りの関西弁を封印し、

しぶしぶ標準語で頑張っていた遠田。

 

しかし海の家では遠慮はいらず。

 

最低限、お客様に迷惑をかけなければいい、という素晴らしい環境で遠田は生き生きとしていた。

まさに水を得た魚、551を得た関西人。大暴れである。

 

関西で鍛え上げられたトーク力により客を集め、

 

その性格で客の懐に飛び込み、

 

野良の関西人を捕まえ漫才まで始める始末。

 

なぜかチップまで飛び交うことに。

 

海の家は大盛り上がりであった。

 

 

 

 

そんな海の家から少し離れた浜辺。

 

そこには彩葉、かぐや、芦花、真実の4人が居た。

 

彼女たちも海を満喫しているのである。

 

「こないだの歌配信めっちゃ良かったけど~」

 

「ね~かぐやちゃんゲームも歌もうまいよね」

 

「天才っ歌姫ですから

ニヒッ」

 

芦花と真実がかぐやを褒め、ドヤるかぐや。

 

「オリジナル曲も良かったしさ~」

 

「わかる~」

 

褒めちぎられてかぐやは天狗になっている。

 

「だって!よかったね!」

 

とかぐやはパラソルの下で優雅にドリンクを飲んでいる彩葉に声をかける。

彩葉はドリンクを持った右手を動かしクールに返事をする。

 

「あれ作ったの彩葉なの?」

 

「彩葉かわいいうえに天才すぎ~」

 

「あ...あれは昔に作ったヤツだから

かぐや余計なこといわないで」

 

褒められ照れる彩葉。

照れ隠しにサングラスをいじる。

 

「でもまだまだ足りない

どうすればいいのだ...ぐぬぬ」

 

かぐやは上昇志向の塊である。

目指すべくは頂点!向上心の鬼である。

 

「う~ん

もう結構いろいろやったしね」

 

「やはりここは彩葉が着ぐるみを脱ぐことによって新たな需要をだね...

うぉ!

ウソー今のウソー!」

 

そんなことを言う真実に報復する彩葉。

彼女の焼きそばを簒奪する。

 

撤回するがもう遅い。

焼きそばは既に彩葉の胃の中である。

 

「やっぱ歌!

オタクもみんな喜んでたし!」

 

「オタクいうな」

 

「彩葉新曲作ってよ~

伴奏もして~」

 

「これ以上勉強とバイトの時間は減らせません!」

 

かぐやの懇願にきっちりと断る彩葉。

彩葉はNoと言える日本人なのである。

 

「でも海来てんじゃん!」

 

「フッ マジなエリートは遊びも疎かにしないはず

睡眠時間削ってでも遊ぶ」

 

彩葉は勝利を確信する。

かぐやにこれ以上の攻撃手段はない。

 

「倒錯してるなぁ」

 

真実よ作者もそう思う。

 

「このままじゃ優勝できない...

かぐやのこと助けて

彩葉に伴奏してほしい」

 

かぐやの甘く切ない声による泣き落とし。

そして顔を近づけるダブルアタック。

これを使えば彩葉が断れないと味を占めたのである。

流石だぞ!彩葉の弱点をばっちり理解しているんだな!

 

「うっぐ...うぅ

まあ...時間が空いていたら...」

 

彩葉敗北。

 

彼女はかぐやには勝てんのである。

 

「よっしゃ~

もっともっと配信するぞ~!」

 

かぐやは雄たけびを上げる。

 

「なぜ断れない

なぜ...」

 

「ちょろは~」

 

「ちょろはだねぇ」

 

真実と芦花にさえも煽られる始末。

 

ちなみに彩葉がかぐやに勝てないのは遠田の甘言も原因の1つである。

遠田は彩葉をよく見ている。

そして助けを乞われたら断れないのもなんとな~く察していた。

 

「彩葉にお願いする方法?

涙浮べて『助けてぇ』って言ってみたらいけんじゃね?

知らんけど」

 

とかぐやに告げたのである。

 

 

 

そんな砂浜に這いつくばっている彩葉の手元に大量のカニがやってくる。

 

彼らは石の裏で静かに暮らしていたがかぐやによってその石が奪われてしまったのである。

 

そして彼らが逃げてきた先が彩葉の手元であった。

 

「岩場にいた!

いっぱい集めて軍隊作る!」

 

そんなことを宣言するかぐや。

 

足元にカニの大群が群がり跳ねる彩葉。

 

そのままカニを引き連れて海まで走り去る。

 

そんな彩葉をみて3人は笑う。

 

「彩葉明るくなったね」

 

「突然ふっ...っていなくなっちゃいそうだったもんね」

 

「遠田と絡みが出来てからマシにはなったとはいえねぇ」

 

真実と芦花はそういってかぐやに問う。

 

「「どんな魔法使ったの?」」

 

「???」

 

かぐやはピンと来ていないようだ。

 

 

 

彩葉がカニの大群から解放されて戻ってくるとき、あることに気が付く。

 

「この浜辺ってこんなに空いてるものだっけ?」

 

今日は8月3日。

 

天気は快晴。

 

絶好の海水浴日和にしては人が少ない。

 

というより少し離れた海の家に人が集まっている。

 

「向こうの海の家でイベントやってるのかなぁ?

例えば期間限定の豪華なかき氷とか!」

 

「真実はかき氷が食べたいだけでしょ?」

 

そんな真実に芦花がツッコむ。

 

「とりあえず行ってみればいいんじゃね?

彩葉!行こ!」

 

かぐやは彩葉の意見を聞かずに海の家に向かう。

彼女の第六感が告げている。

 

「あそこで何か面白いことが起きているに違いない」と...

 

 

 

件の海の家に着いた4人がそこで目にしたのは...

 

見知らぬ誰かと共に漫才をする遠田であった。

 

なぜ海の家で漫才?

 

そもそも相方の人は誰?

 

疑問が尽きない。

 

彩葉に唯一分かったのは相方も関西、しかも大阪よりの人間であることだけだ。

 

芦花と真実が

 

「...えっ、何これ?」と宇宙人を見るような目で絶句する中。

 

「だははは! 遠田がまた変なことしてるー!」

 

かぐやだけが、腹を抱えて砂浜に転がらんばかりの勢いで爆笑していた。

 

 

困惑から帰ってきた芦花が彩葉に声をかける。

 

「彩葉、遠田に声かけなくていいの?」

 

「えっ?なんで?」

 

「え?」

 

心底イヤそうに答える彩葉。

 

さらに困惑する芦花。

 

2人はすれ違いを起こしている。

 

芦花(と真実)は彩葉と遠田が交際関係にあると勘違いしたままだ。

 

対して彩葉は「友人と遊びに来た海で目立ちたくねぇ」の一心であった。

 

普段の遠田ならまだよかった。

 

しかし今の遠田は本場の芸人なみのボケとツッコミによる漫才で注目を集めている。

 

そんな遠田に絡みに行けばどうなるか。

 

火を見るより明らかである。

 

「ふ、2人って付き合ってるんじゃ?」

 

「えっ?そんなことないよ」

 

そんな2人のアンジャッシュを傍目に

 

「おじさん!かき氷ちょうだい!」

 

「はいよ

ちょっと待ってね」

 

とかぐやと真実がかき氷を購入している。

 

「お嬢ちゃんたち

遠田君の知り合いかい?」

 

「はい

遠田君とは高校が同じで~」

 

「真実ストップ!!」

 

残念だがもう遅い。

 

海の家の店主であるおっちゃんは(くだらない)真実を知ってしまった。

 

「もうちょっとしたらネタも終わるからここで待って行きなよ

彼ももうすぐシフトおわりだから」

 

(シフト中に漫才やってんのかい)

 

彩葉は心の中でツッコむ。

 

「と、止めなくていいんですか?」

 

事態が好転するように彩葉がおっちゃんに聞く。

さすがにシフト中に漫才はまずいのではないかと。

 

「いいんだよ

彼のおかげで客がたくさんくるからね

普段の倍は来てるよ」

 

おっちゃん売り上げが伸びて大喜びである。

 

「ソ、ソウデスカ。

ナラダイジョウブデス~」

 

 

 

 

「今日はほんまありがとう!

めっちゃ楽しかったわ!」

 

「こちらこそ!

機会があればまたな!」

 

と遠田とその相方の声が聞こえる。

 

ガッチリと握手をして語り合っている。

 

よほど気が合うようだ。

 

「おっちゃんすまん!

盛り上がりすぎた!!」

 

「いいよいいよ

おかげで沢山稼いだからね

そっちに遠田君の友達が来てるよ」

 

と謝っているくせに反省の色が見えない遠田(バカ)が戻ってくる。

 

「よっす!遠田!」

 

4人がいることに驚いている遠田。

 

漫才に夢中で気が付かなかったらしい。

ガチりすぎである。

 

「遠田も一緒に遊ぼうぜぃ!」

 

「い、いや流石に疲れてるから休ませて!

ねぇ!話聞いてる??耳ついとんか!」

 

とかぐやが遠田を拉致る。

遠田の抵抗むなしく引きずられてきた。

 

「遠田くんて海の家でバイトしてたの?」

 

「せやで!今日と明日の2日だけやけどな!」

 

「従業員割引で安くなったりは...」

 

「さすがにないて

交渉すれば行けそうな気もしなくはないけど」

 

真実と遠田がくだらない会話をしている。

たった2日の短期バイト相手に賄いはあっても割引はないだろう。

 

「へぇ~なんか意外。意外?

意外でもないかも?」

 

芦花は困惑している。先ほどのアンジャッシュの衝撃から抜け出せていない。

しかし芦花。君は間違ってなどいない。

遠田は面白そうなら基本なんでもする。どこにいて何をしていてもおかしくはないのだ。

 

遠田の体力が限界ということで結局先ほどの海の家で軽く食べながら駄弁り、彼らは解散した。

 

「あ~~!

今日めっちゃ楽しかった!!!

明日も遊ぶぞ!」

 

この男、明日も全力でふざける気である。

――真面目に働け、遠田。

 

 

 

 

 

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