転生したらドンちゃんのママになりました ~娘がティアラ三冠取ったあたりで本格化が来てしまったのでメイクデビューするウマママさんじゅうぴーさい~ 作:雅媛
さて、URAファイナルズをもって無事にターフを引退した後の話だが。
まずは一大イベント、次女・ドンちゃんの結婚式である。
ウマ娘の世界において、引退即結婚という流れが多く、どこもかしこも結婚式ラッシュになる。
だが、長女のブルーちゃんの時と同様、かなり早めの段階から根回しをして最高の式場を確保しておいたおかげで、盛大かつ華やかに執り行うことができた。
そして翌年。
ボクはなんと、さらにもう一人娘を出産した。
我が家のウマ娘エンカウント率は異常である。長男のレーくん以外は全員ウマ娘の女の子という女系家族だ。唯一の『ヒトの男の子』であるレーくんは、ますます肩身が狭そうにしている。
ドンちゃんには「まさかわたくしの出産と同じタイミングで産むなんて、本当に常識というものがありませんの……?」と、文字通りドン引きされてしまった。
いや、だってできちゃったんだからしょうがないじゃん。可愛いんだからオールオッケーでしょ。
なお、ずっと我が家をギクシャクさせていた最大の火種
夫が言い出した「一番強い奴に家督を継がせる」という謎ルールの結末についても語っておこう。
紆余曲折の末、なぜか『腕相撲で力を見せつける』という脳筋極まりない無茶ぶりが展開されることになった。
結果は言うまでもない。ドンちゃんが、ヒトであるレーくんの腕を文字通り秒殺で叩き潰した。
エイシンフラッシュさんも常々言っているだろう、「ヒトがウマ娘に勝てるわけがない」と。
そこから「よくもレーくんを!」となぞの敵討ちに燃えるヴ三姉妹がドンちゃんに束になって襲い掛かり、大乱闘に発展。
しかし、トリプルティアラウマ娘であるドンちゃんは、それすらも軽々と返り討ちにして大暴れした。
だが、悲劇はそこで起きた。
その大騒ぎのせいで、せっかく寝かしつけたばかりの赤ちゃんたちが揃って大泣きしてしまったのだ。
その瞬間──日頃の板挟みと育児ストレスが限界突破した長女・ブルーちゃんが、完全にブチギレた。
「いい加減にしなさいよあんたたち!!」の一声と共に、大暴れしていた妹も弟もヴ姉妹もついでに夫も、全員まとめて物理的にボコボコにして沈めたのである。
我が家の真の最強は長女だった。
結局、すべての元凶はこんな意味不明なルールを作った夫が悪いという満場一致の結論に達した。
なので、ボクは気絶した夫を庭ダートコースまで引きずっていき、首まで埋めておいた。お前は少しそこで反省しろ。
現在、ドリームトロフィーシリーズへのオファーも来ているが、基本的には出走していない。
なにせ生まれたばかりの子供と孫の世話で忙しいし、なんだかんだで家族の面倒を見るのは嫌いじゃないのだ。
まあ、また有り余るエネルギーが爆発して気が向いたら、ふらりとターフに姿を現すかもしれないけれど。
それまでは、この騒がしくも愛おしい家族たちと、のんびり余生(?)を楽しむとしよう。