転生したらドンちゃんのママになりました ~娘がティアラ三冠取ったあたりで本格化が来てしまったのでメイクデビューするウマママさんじゅうぴーさい~   作:雅媛

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3 いやー、この年でブルマはきついっしょ

 さて、いざデビューするとなれば色々と準備が必要である。

 まずは形から入るべし、ということで日々のトレーニングウェアを用意することにした。

 とりあえず近所のスポーツ用品店へ向かい、動きやすそうな運動着を物色していたのだが……。

 

「絶対にブルマ!! これだけは譲れない!!」

「…………」

「ごふっ!?」

 

 思わずみぞおちに拳を叩き込んだ。

 この夫、絶対にブルマだけは譲らない構えだ。ドンちゃんの時は「年頃の娘の脚を世間の輩に見せるなんて!」とあんなに猛反対していたくせに、自分の妻に対しては見事なダブルスタンダードである。

 ちなみにボクがかつてトレセン学園にいた頃は、普通のハーフパンツを愛用していた。あの頃だって抵抗感があったのに、この歳になってあのピタッとした布切れを穿くのは、さすがに羞恥心しかない。

 

 だが、何を言っても夫が頑なに首を縦に振らない。どうしたものかと頭を抱えていると、隣で見ていたドンちゃんがパァッと花が咲いたような笑顔を見せた。

 

「ふふっ、お揃いですわね、ママ!」

 

 ……愛娘にそんなキラキラした瞳で言われてしまえば、ボクに抗う術はない。

 結局、しぶしぶブルマ案を飲むことにした。

 まあその代わり、その夜ブルマ姿で夫が完全にしなびるまで徹底的に『うまぴょい』してわからせておいたが。

 

 数日後。ひとまずそのブルマ姿で、ドンちゃんとの併走トレーニングに臨むことになった。

 かたや現役バリバリ、栄光のトリプルティアラウマ娘。かたや未出走のウマ娘さんじゅうぴーさい。

 いくら本格化が来たとはいえ、そもそも勝負にすらならないだろうと思いきや……意外にも、ボクは彼女の力強い足取りにしっかりと食らいつくことができていた。

 

「併走相手が増えて、わたくし、とっても嬉しいですわ!」

 

 並んでターフを蹴りながら、ドンちゃんが心底嬉しそうに笑う。

 どうやら彼女、普段のトレーニング相手に相当苦労していたらしい。まあ、同世代を圧倒的なパワーでねじ伏せるこの規格外の実力を見れば、それも納得だ。

 最大のライバルであるヴィルシーナさんあたりなら実力的にもちょうどいいのだろうが、彼女とはバチバチのライバル関係だからこそ、日常的にホイホイと練習相手を頼める間柄でもないのだろう。

 

「ママ、まだまだペース上げられますわよ!」

「ちょっ、手加減しなさい! ボクは初心者なんだから!」

 

 有り余るエネルギーの赴くままに走る爽快感と、隣で楽しそうに笑う娘の横顔。

 悪くない。ウマ娘さんじゅうぴーさいの青春も、案外楽しいかもしれない。




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