手持ちを電気ネズミ一匹だと思い込んでるモンスターテイマー   作:遺書の切れ端

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始まりの街(エンドゲーム)

 

 説明しよう、身体を洗わずに湯船に入ろうとしたらサウナに押し込まれた。

 悔しいがサウナには罪は無いので一先ず支配人しゃんの隣に座る。

 

「ガラガラやのになんで隣に来るん……?」

 

 細マッチョとかいう矛盾肉体を見せつけやがって、こっちはカレーを見せつけてやる。

 

「あと食べ物で遊ぶなって言うたやろ……」

 

「支配人しゃん、カレーは飲み物ですよ?人間ドリンクバーしてるんで良かったら一口どうぞ、なんと今なら限定無料解禁中」

 

 文字通り身体を差し出す。

 

「……いらん」

 

 奴隷市場のトップが好き嫌いしていいのか?俺の予定ではカレーを舐め取ってもらいサウナから出れる頃にはピカピカになっていたのに、全くの想定外の反応に驚いた。

 これからどうドリンクバーとして過ごせばいいのか聞こう。

 

「自分、悩み相談していいっすか」

 

「お、珍しいやん。言うてみ?」

 

 これがコミュニケーションの力か……!やったぜ!久しぶりに明るい顔だ!

 

「カレーは飲み物ですよ?」

 

「…………ちゃうねん」

 

 この流れなら認めてくれると思ったが好感度不足だった模様。

 

「カッコよく街から出るとしたら何乗ります?」

 

「あー、ほんま自分、勝手やな。ええけど、カレーはよく噛んでから飲みぃ」

 

「なんでやねーーーーん!」

 

「エセやめーや、あと使い方微塵(みじん)もあっとらん」

 

「せやろかーーーー!」

 

「また売り飛ばしたる」

 

 売られては返品されて、永遠に知らない場所を行き来するのはもう嫌だからコミュニケーションをしよう。

 

「カレーに何つけます?」

 

「らっきょう」

 

「自分はライスっすね」

 

「それ有りなんか……」

 

 サウナは支配人しゃんをドアの小窓に張り付けて閉じ込めている奴等に恐怖を与えて脱出した。

 

 ▽

 

「待たせたにゃ」

 

 ほかほかピカチ〇ウの遅延のせいでこっちは湯冷め状態で瀕死。

 

「身体を振るだけなのに長過ぎる」

 

「動物基準やめろにゃ!獣人差別にゃ!」

 

「そこまで言うなら卓球で白黒つけてやる」

 

「そんなに言ってないにゃが、エアホッケーの方ならしたいにゃよ」

 

「間を取ってラケットでエアホッケーしよう」

 

「もう動物でいいにゃ、にゃあ〜にゃあ〜」

 

 全ての説得を諦めたピカチ〇ウは野生に帰ってしまった。鳴き真似をしてじゃれてくる。

 

「お手」

 

「にゃ」

 

「おすわり」

 

「にゃん」

 

「10まんボルト、でんこうせっか、アイアンテール、ボルテッカー」

 

「ラケットホッケーにゃ!!!」

 

「行くぞピカチ〇ウ!」

 

「私が勝ったら『マウ』って呼ぶにゃ!」

 

「じゃあ俺が負けたら『ピカチ〇ウ』と呼べよ!」

 

「なんで呼ぶか呼ばれるかのピカチ〇ウデスマッチになるんだにゃ!?」

 

 こうして俺達のプライドを賭けた戦いの火蓋が切られた。

 




【ラケットホッケー】
融合失敗

【アイルロス・フェリス・コット・マウ】
ピカチ〇ウ呼びに慣れすぎて本名を呼ばれても、たまに一瞬だけ返事をし忘れる

【人間】
最近はよく噛んで食事をする
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