手持ちを電気ネズミ一匹だと思い込んでるモンスターテイマー   作:遺書の切れ端

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始まりの街(エンドポイント)

 

 説明しよう、俺の名前はピカチ〇ウ。ご主人のマウからテントを借りて(又貸し)公園で寝泊まりをしているぞ。

 公園中央の噴水広場で顔を洗い、ついでに泳いで身体を清めた。

 

「キチガイが居ると思ったら知ってるキチガイだったにゃ」

 

「おはよ」

 

「おはにゃおー」

 

 ご主人が肉球が無い手で挨拶をしてくる。

 俺は濡れた身体を温めるために公園の木を切り落とし焚き火をする。燃えるのが遅いので花壇の花を引き抜いて火元に投げ込む。

 

「朝ご飯奢ってくれさい、焼きマシュマロでいいさい」

 

「まずは遅刻しないように先に講習行こうにゃ」

 

 そう言いながらもご主人も火元に手を伸ばして温まってる。

 

「またあの支離滅裂セミナーか」

 

「そう思ってるのはピカチ〇ウだけにゃ」

 

 未だに何を習ってるのか分からないが行かないと税金を多く取られるので出席はしとかないとな。

 受けられる教育を受けないと罰せられるという教養社会主義過ぎないかこの街。

 

 ▽

 

 ふう、なんとか朝のチャイムに間に合ったぞ。

 四足歩行で歩くのも疲れるぜ。歩いているうちに顔ではなく足だけで誰か分かるようになった、これは進化。

 

「それでマウチュウ、俺の朝ご飯は?心も身体も疲れた」

 

「……呼び方やり直しにゃ、奢らないにゃよ?」

 

 隣の席のご主人が冷たい。

 

「マウ様、俺は今雛鳥なんです。ピヨピヨ」

 

「うーんとにゃ、これで良いにゃ?」

 

 通学カバンの奥の方から忘れられていたであろう携帯食料を渡してくる親鳥。

 

「レーションかよ、だっる、まっず、くっそ、ビリヤニ下位互換」

 

「先生、クソ人間がカンニングしてたにゃ」

 

「超冤罪。筆記用具すら持ってきてない」

 

 ご主人が手を挙げて立ち上がり、何故かテストすら始まってないのにカンニング扱いされてしまう、天然なんだろうか。

 

「人間、廊下に立ってなさい。というか消え失せなさい」

 

 先生(バステトふうな黒猫)に戦力外通告をされる。

 こうなったら始まりの街から出てやるからな。

 

「マウ!草むら行くぞ!」

 

「だからデスドラしか居ないってにゃ!!」

 

 こうして俺達はまた草むら無限往復の旅に出た!俺は俺と旅に出る!

 

 ▽

 

「あれはゴブリン……!」

 

「ほんとにゴブリンにゃ、珍しいにゃね」

 

 俺は緑のゴツゴツとした生き物が山菜を摘んでるのを指さす。

 

「指示待ちモンスターだから早く存在意義を!!!苦しい!何故!俺は今存在しているんだ!こんな思いをするならずっとボールの中に居たかった!野生だったあの時が懐かしい!自由は唐突に奪われた!」

 

「ピカチ〇ウ、黙るにゃ」

 

 ご主人がセレクト画面を操作しないのでゴブリンに愚痴りに行く。

 

「ゴブリン……お前は分かってくれるんだな……?」

 

「go!(あっちに行け!)」

 

「そうか、じゃあお邪魔するぜ」

 

 ゴーゴー言ってるが、知能差なのか通訳されても要領を得ないな。

 一先(ひとま)ず失礼のないように隣に座りお邪魔しとこう。

 

「倒さないにゃ?」

 

「ga!?(襲わないで!?)」

 

 インド人といいリスニング出来るやつが多すぎる。それとも身の危険を感じた結果なのか。

 

「ゴブリン、バトルだ!こい!八つ裂きにして市中引き摺り回しにしてやる!肉片すら(もてあそ)んで尊厳破壊だ!」

 

「gi……(寝転がり目を閉じて首を差し出す)」

 

「マウ、これで殺したらどっちが悪だと思う?」

 

「ご、ごめんにゃなさいにゃ!!!」

 

 それから俺達はゴブリンの山菜摘みを手伝った。

 




【ゴブリン】
昔は野蛮で無鉄砲だったが生きるために弱者としての立場を利用して生き残る方法を得た

【アイルロス・フェリス・コット・マウ】
人間のせいで成績が下がってきている

【人間】
公園の緑が少なくなってきて寂しい
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