下剋上が征く   作:アポロ魔王

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11話


11話

 

シニア2年目のシーズン。

ようやく成長痛も終わったころ、俺はほとんど毎日のように南朋と会っている。

 

シニアの練習がない平日も、南朋やガッちゃんなど足立ロケッツから一緒に足立シニアに所属したメンバーで集まって、みんなで素振りや筋トレなどをしている。

もちろん、ゲームやくだらない遊びを一緒にやって息抜きもしている。

 

特に南朋とは、新しく覚えた変化球の完成度をあげるため、一緒にいる時間が多い。

スローカーブとツーシームを新たに覚えたが、手先が器用なこともあって、なかなか悪くない変化になっている。まだ一流の打者相手では厳しいが。

 

今日もこれから南朋の家まで行ってみんなとの集合場所に行く予定だ。

 

これは原作では中学2年生のとき南朋が事故に会ったので、なるべく1人にしないように俺が迎えに行ってる。俺が気をつけていれば事故に会う可能性は低くなるはずだ。

南朋もわざわざ迎えに来なくていいと言ってるが、中学2年生が無事に終わるまでは意地でもこうして迎えに行くつもりだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おーい、南朋ついたぞーー」

 

「はーい、すぐ行くよ」

 

 

 

2人で歩いてみんなとの集合場所に向かっている。

 

「スローカーブはけっこういい感じだよな」

 

「梅ちゃん本当に器用だよね。スローカーブは文句なしでツーシームはまだ改良の余地があるね」

 

「だよなぁ、でもツーシームももう少しって感じなんだけどな」

 

「まだ本格的に投げはじめたばっかりだし焦ることはないよ!」

 

 

と、信号待ちしながら、2人で最近俺が投げ始めた変化球について話していたところ、南朋の背中側の道路から車が猛スピードでこっちにきているのが見えた。

 

ッヤバイ

 

「南朋!こっちこい!!」

 

「えっ…?」

 

 

 

俺は南朋の腕を掴んで、引き寄せながら思いっきり跳んだ。下がアスファルトだったがそんなことは気にせずに、南朋を掴んで思いっきり…

 

 

ドオオオオン

 

 

 

 

はぁはぁはぁ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

痛ってぇえ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アスファルトで思いっきり膝打ったぜ

 

 

 

「おい!南朋!!大丈夫か!!」

 

「う、梅ちゃん、大丈夫だよ

あの車ギリギリ横を通っていったよ」

 

 

 

 

 

 

 

ハハハハハハハハ!!!!

 

 

回避したぞ!回避!

 

 

俺も南朋も車とぶつからなかった!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

運転手は居眠り運転をしていて、ガードレールをぶち破って、信号待ちをしていた俺と南朋の方に突っ込んできたみたいだ。

そのあとは近くの民家の壁に突っ込んでようやく止まった。

 

俺はその運転手をボコボコにしてやりたかったが、さすがにその運転手が頭から血を流してみるのをみて辞めておいた。

 

轢かれかけて、原作で南朋の脚を奪ったのはこいつだろうなと思い、ほっとこうかなと思ったが、一応警察と救急車を呼んだ。絶対許さんけどな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side 南朋

 

梅ちゃんが今日も迎えにきた。

これからみんなと自主練するグラウンドに梅ちゃんと一緒に行くところだ。

なんか、今年に入ってから、やたらと梅ちゃんが迎えにきてくれている。

梅ちゃんは去年、成長痛で試合に出られなくて、実戦練習とかもあまり参加できていなかった。

その分今年からは成長痛も良くなってきたので、練習にしっかり参加して、変化球の練習を頑張っている。

だからキャッチャーの僕とは話したいことが多いし、他のチームメイトの練習メニューも一緒に考えたりしている。

梅ちゃんからそういう風に頼りにされているのはとても嬉しい。

 

梅ちゃんと歩きながら練習するグラウンドに歩いていると、

 

「南朋!こっちこい!!」

 

「え…?」

 

梅ちゃんが鬼気迫る表情で叫んで、僕が驚いたと同時に、梅ちゃんに掴まれて梅ちゃんの方に引き寄せられ、そのままアスファルトにヘッドスライディングするように跳んだ。

 

そのとき横をすごいスピードで通り過ぎる車っぽいものが見えた。

 

 

ドオオオオン

 

 

民家の壁に突っ込んでようやく止まった車…

 

 

 

危なかった…

梅ちゃんが気づいていなかったら…

 

「おい!南朋!!大丈夫か!!」

 

「う、梅ちゃん、大丈夫だよ

あの車ギリギリ横を通っていったよ」

 

 

梅ちゃんがすごい心配してくれていた。

でも本当に危なかった。

梅ちゃんが助けてくれなかったら、今ごろ僕…

 

本当に本当にありがとう、梅ちゃん

 

 

 

 

でも、梅ちゃん…

 

一歩間違えたら死んだり、怪我をして野球が出来なくなったかもしれないとはいえ

 

頭から血を出しながら、意識が朦朧としている運転手をボコボコに殴ろうとするのはやめてよ…

 

止めるのめちゃくちゃ大変だったよ…あんなにキレている梅ちゃんを初めて見た。

 

まあでも梅ちゃんには本当に感謝している。

1人だったら多分…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「梅ちゃん!南朋くん」」」」「大丈夫?」「よかった…」

 

南朋と一緒に事故について、警察に事情を聞かれた後、みんながいるグラウンドに行くと、すっげー心配された。

 

本当にいい仲間を持った。

 

 

「大丈夫だぜ!まじで危なかったけどな…」

 

南朋

「本当に、梅ちゃんに助けられたよ。梅ちゃんがいなかったら…」

 

ガッちゃん(近藤)

「でも2人が無事でよかったよ!」

 

公太

「本当にそうだ!アオーーン」

 

アリー(有賀)

「梅ちゃんの成長痛も良くなって、みんなもシニアのレベルに慣れてきたところだったからね」

 

 

他にも、テル(大西)、三雲、翔が心配してくれた。

 

みんな、ありがとう!

 

そして何より、南朋を助けることができてとても嬉しかった!

 

これからもよろしくな、相棒!

 

 

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