悪徳領主に転生して死亡フラグを折るために勇者パーティを育てたら、激重感情を向けられて逃げられない件 作:激重大好き
突然のアンケートにも投票いただきありがとうございます。
なおキャラ投票の方は開始日から執事が圧倒的1位です。初期プロットに居らんかったせいで一番キャラブレブレなのに。
時系列的には森から帰ってきた直後
短めです
ベッドの上で静かに寝息を立てていた少女が、寝返りを打って身じろぎし、ふと目を覚ました。
「ぅ……ぅうん……」
「……起きたか」
「ルシアン、さま? ……そ、そうだ。まものは!?」
アリアは俺を見て、魔力切れで気を失う前の記憶を思い出したのか、勢いよく体を起こした。
「ここは俺の館の病室だ。お前は魔力切れで意識を失っていた」
「え……おふとん?」
ようやく自分が室内でベッドの上に寝ていたことに気がついたのか、きょろきょろと周りを見回すアリア。そして、部屋にはランプしか光源が無く、暗闇が広がっている窓の外を見て言った。
「あれ? よる?」
「いや、もう朝になるな」
今は明け方の5時ってところか。
正直、館についてからが大変だった。アリアが倒れたことでずっと両親は騒いでいたし、医者に診てもらい、魔力切れは混乱のもとになるので隠しつつ「ただのショックで気絶しているだけです。じきに目を覚ますでしょう」と言われてもなお心配しており、ようやく疲れて眠ったのがついさっきだった。
俺は今寝ると翌日に影響が出ることは間違いないので徹夜の構えだ。そういうわけで椅子に座って暇つぶしがてらアリアが目を覚ますのを待っていた。
すると、アリアが落ち込んだ表情で話し始めた。
「あ、アリア、ルシアンさまをまもるっていったのに……」
「勘違いしているようだが……魔物は全てアリアが倒した」
「え、でもアリアはねちゃって……」
「生憎だが俺は魔物を倒す力は一切ない。俺の予想通り、アリアの力は状況を一瞬で解決してみせた」
「ほ、ほんとに……?」
「よくやったな」
「……ぅ、うぐ……ぐすっ……」
「何故泣く……うっ」
褒めたら突然泣き始めたかと思いきや、俺の胸に飛び込んで顔をうずめて、わんわんと大声で泣きだした。俺に幼女の思考回路など読み取れるはずもなく、手持ち無沙汰だったのでとりあえずアリアの頭をなでておいた。これが正解かは知らん。
……幸いこの時間の病室やその周辺には人は居らず、幼女を泣かしたというあらぬ誤解を受ける事態だけは回避できた。
「……落ち着いたか」
「うん……えへへ、ごめんなさい」
「何故謝る。俺は礼を言っただけだ」
「そ、そっか。ど、どういたしまして?」
どことなく照れているアリアを見て、俺は少しばかりの罪悪感を感じていた。
「アリア、一つ言いたいことがある」
「な、なにゅ………………なに?」*1
「……」*2
「……」*3
「…………お前の倒した魔物は、すべて俺が倒したことになっている」*4
「……え?」
俺は、徹夜でアリアの目覚めを待っていたもう一つの理由を話し出した。
「アリアの力は、とんでもなく強い」
「お、おぉ……」
「だが、それは魔物限定だ」
「おぉ?」
「故に、アリアの力を狙い、お前を攫い連れ去ろうとする者が現れる可能性は高い」
「……い、いやっ!」
少なくとも俺の言おうとしていることは理解できたのだろう。アリアは恐怖で体を震えさせ、再び密着状態に巻き戻ってしまった。実際、魔物には勇者の力は効果抜群だが、今のアリアの火力や体力では対人戦は微妙なとこだ……それでも5歳児としては十二分に強すぎるのだが。
もちろん俺も幼女を怖がらせるために言っているわけではないので、すぐに補足を入れる。
「だからこそ、だ。今回の魔物は俺が討伐したと公表し、アリアの才能を隠した。真実を明かすのはお前が十分強くなってからでも遅くない」
「ルシアンさま……てんさい」
「その通りだ」
俺の冗談を聞いてアリアはころころと楽し気に笑い、ようやく年相応の表情を見せた。
「ん? じゃあ、なんで……ルシアンさまは、アリアのさいのうがいるの?」
「……」
子供らしい笑顔の直後にこの鋭さ……勇者の恐ろしさの片鱗を味わいながら、俺は理由の半分を答えた。
「領内で最も強い護衛を探していたからだ」
「ん……わかった。アリア、さいきょーのつよい『ごえー』になる!」
「……」
かと思えば子供じみた安請け合いをするアリア……もうお前のことよくわかんねーよ。*5
「でも、ごえーってなにをすればいいの?」
「……」
……そこからかよ。
脳内でつっこみながら、これ以上目の前の幼女に振り回されるのは勘弁なのでかいつまんで説明した。
「俺を悪い奴らから守ること、だな」*6
「じゃあ……わるいやつがいないときは?」
……この時、俺は眠かったことも相まって、アリアの質問に深く考えずに答えてしまい……今後10年以上この時の答えを後悔し続けることになるとは全く想像していなかった。
「いつ悪い奴らが現れてもいいように側に居るんだろ」
「わかった! ずっとルシアンさまのそばにいる!」
「……うん? それでいい、のか?」
違和感を感じつつも……眠かったため、あるいは子供の言うことだと深く考えなかったせいもあるだろう。俺はその宣言を肯定も否定もせずに流してしまった。
だが……アリアはただの子供ではない。勇者アリアが「やる」と言ったことは何としてでもやり通す……そんなことは原作を通して散々知っていたはずなのに、この時の俺はなぜかすっかり頭から抜け落ちてしまっていた。
「ぅん……ん?」
「ルシアンさま! おはようございます!」
朝、起き上がると目の前に幼女がいた。金髪碧眼の幼いながらも整った愛嬌溢れる顔は大変目の保養になるだろう。
……その幼女が居る場所を除けば
「……なぜここにいる」
「ごえーしてたら、ねむくなった!」
「回答として成立させろ」
昨夜、俺が寝るときは確かに部屋にはアリアがいた。
……腹立たしいほどラインの見極めがうまいアリアは、こっちが本気で拒否する前に察して一歩引く。*7つまり、俺がいくらアリアに文句を言おうが結果は変わらない。
だからこそ、「眠くなったら部屋に戻れ」と命令した上で俺は気にせず寝た。寝間着でベッドの横に立ち、なにが面白いのかニヤニヤと笑みを浮かべて俺を見ているアリアも頷いていたし、クラウスにもアリアが微睡み始めたら追い出すなり持ち運ぶなりして帰らせるようにも言っていたはずだ。なのに、何故……
「……なぜ俺のベッドの中に居る」
「えへへ、アリアはねながらごえーするほうほうをみつけたの!」
言いながら、アリアはベッドの上でじりじりと俺に近寄ってくる。
「……」
「おなじふとんでね……」
「ふん」
「きゃっ」
アリアの戯言を無視し*8、アリアを両手で持ち上げベッドの外に軽く放り投げた。
「……クラウス」
「アリア殿のご決定です」
部屋の中には案の定クラウスもいたが、目で『言うなら自分で言え』と訴える前に棄却された。
クラウスはなんだかんだ俺に甘いことが多いが、アリア関連になるとなぜか途端に厳しくなる。
……その育児下手な父親を見るような視線をやめろ。
「アリアのへやのべっともふかふかだけど、ルシアンさまのべっとはもっとふかふかだった! アリアつぎもここでねる!」
「クラウス、アリアの部屋に同じベッドを」
「むー……」
「……」
……こんな仏頂面で横柄な
理解に苦しむが、なんとなく「近所のお兄ちゃん枠」として慕われているだけな気はする。好意は一時的なものだろうが、ここで好感度を下げて将来に響くのも困る。
「……他が来るまでの辛抱か」
「ほか?」
「クラウス……この部屋にベッドをもう一つ持ってこい」
「……ルシアンさま!」
「かしこまりました」
「ベッドは離しておく。これは譲らん」
「アリアはとなりが……」
「朝食に行く」
「ま、まってルシアンさまっ!」
ふん、まあ今回は引き分けといったところか。*9
翌日。
「……なぜ布団の中に居る」
「えへへ、べっとまちがえちゃった」
「ほう……」
今日という今日は大人を舐めるとどうなるか成敗してやろう。このクソガキが……*10
勇者アリア
金髪碧眼。幼さを感じつつも凛々しい美少女。常にルシアンの右側をキープしたがる。
原作の主人公枠。素直で純粋だが察しが良く鋭いため詐欺には騙されない。
本来は村を焼かれ、家族を失う絶望の中で「『街に行け』という家族との約束を守るため」に覚醒するはずだった。が、改変後はルシアンを守るために10年早く覚醒した。なお勇者の力は想いが強まるほど強力になるタイプ。
ここらへん最初は省いてたけど、筆が興じて書いてしまった。他にも武器を買ったり授業を受けたりサボったりする話は山ほど書けます。現在編はあと二人出してからで
あとがきのキャラ紹介含めて、今後いるかアンケート取ってます。
次回はクロエ出してそろそろ現代編進めるか……と思たけど感想欄にて獣推しが現れたためミオの閑話挟むか……作者は感想にとても弱いです(促進)
ただしリクエスト判定受けて消されないよう気をつけてください。ちなみに消えるのは私の小説です。(感想でリクエストするよう促したと判定されるため)
閑話(過去の日常編など)とひとことキャラ紹介
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両方いる
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とりあえずタイトル回収して?
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いいから続き、書こっか?
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脳内補完余裕。無くていい
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更新頻度遅いので前書きにくれ
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上の選択肢「人の心とかないんか?」