デッキビルドパック ファントム・リベンジャーズをみんなも買って遊ぼう!
■投稿予定
・榊遊矢がEM魔術師オッドアイズではなく糾罪巧を握ってしまった世界
1.榊遊矢が糾罪巧を握ってしまった世界【糾罪巧】 ←今ココ
2.柊柚子の恋心(圧)【ヘカトンケイル】
3.権現坂昇の新しい友人【キラーチューン】
・榊遊矢がEM魔術師オッドアイズではなく獄神を握ってしまった世界
1.これもうズァーク覚醒してるだろ【獄神】
2.ユーリの青春アカデミア【アルトメギア】
3.ユートの侵略大作戦【ドゥームズ】
4.ユーゴの華麗なドルオタ生活【エルフェンノーツ】
・おまけ
1.ストロング石島のストロングな日々
■注意事項
アニメ1話だけでも見ていただけると話しが入りやすいかと思われます。
アクションデュエルのルールは漫画版を参考にしてます。
遊矢が遊矢(?)になってますが仕様です。
観客の民度を多少マシにしてます。民度わるわるのモブなんて書いてる方もしんどいんじゃ…。
榊遊矢が糾罪巧を握ってしまった世界
歓声が聞こえる。
「……」
舞網スタジアム選手入場口の片隅で榊 遊矢はその時が訪れるのを、ただじっと待っていた。
『それではチャレンジャーの登場です!拍手をもってお迎えください!榊 遊矢選手ゥー!』
深く息を吸い、長く長く吐き出す。
「―――やるか」
確かな覚悟を胸に、遊矢は舞台へと飛び出した。
****
「お前が榊 遊勝の息子か。
あの日俺とのデュエルから逃げ出したお前の親父も、息子を餌にすれば釣れるかと思ったが……ふん。見込み違いだったわけか」
鋭く固められた紫髪と部族めいたフェイスペイントに筋骨隆々の肉体を持つ男―――チャンピオン ストロング石島の挑発に、遊矢は静かに頭を下げる。
「……なんのつもりだ?」
「まずは謝罪を。当時チャンピオンだった父さんとチャレンジャーである貴方とのデュエルが行われるはずだったあの日、父さんは誰に伝えることなく俺達の前から姿を消した。それは事実です」
会場のざわめきが一瞬で静まる。
「この事件によって当時チャレンジャーだった貴方は不戦勝でチャンピオンの席を手に入れた……いえ、
どんな理由があって姿を消したのかは俺にもわかりません。ですが、榊 遊勝の息子として、俺には貴方へ謝罪する義務がある」
「そして―――あの日戦うことのできなかった父さんの名誉を取り戻す義務もまた、俺にはある」
顔を上げた遊矢の瞳には、デュエリストとしての熱い闘志が漲っていた。
ストロング石島は愉快そうに喉を鳴らす。
「ククッ、大きく出たなチャレンジャー。ならばそう簡単に潰れてくれるなよ」
「ええ、精一杯踊りきって見せましょう」
卑怯者の息子と蔑まれ続けていた少年が見せた思わぬ熱は、対戦相手であるストロング石島だけではなく会場の空気すらも塗り替える。
『両者のマイクパフォーマンスで会場の熱気は十分! これより先はデュエルで語るべきでしょう!』
『さあ皆様ご唱和あれ! 戦いの殿堂に集いしデュエリストたちが、モンスターとともに地を蹴り、宙を舞い、フィールド内を駆け巡る! 見よ、これぞ、デュエルの最強進化形、アクション―――』
「「デュエル!」」
スタジアムがリアルソリッドビジョンにより密林へと書き換わり。
会場の熱に呼応するように、頭上の光が弾けフィールドへ降り注ぐ。
遊矢 LP4000
VS
ストロング石島 LP4000
****
「先攻はチャレンジャーにくれてやる!」
「ではありがたく。まずは私の仲間をご紹介いたしましょう!
《
「「ヒッポ!」」
《EMオールカバー・ヒッポ》星3/地属性/獣族/攻 800
《EMディスカバー・ヒッポ》星3/地属性/獣族/攻 800
シルクハットを被った2匹のカバが勢いよく遊矢の前へ飛び出し器用にお辞儀を周囲へ行う。
「続けて《EMオールカバー・ヒッポ》の効果で自身の場のモンスターを全て守備表示へ変更!」
《EMオールカバー・ヒッポ》攻 800 → 防 800
《EMディスカバー・ヒッポ》攻 800 → 防 800
「カードを1枚伏せてターンエンド! さあヒッポ達、GO!!」
遊矢 LP4000 手札5 → 2
2体のモンスターを呼び出した遊矢は、ディスカバー・ヒッポの背に跨りフィールド内を
「2体の壁モンスターを並べたか。流石だと言いたいが……甘いぞチャレンジャー!
俺のターン! ドロー!
……! なるほどな。お前のビッグマウスにこいつらは相当期待しているようだぞ?」
ストロング石島 手札5 → 6
引いたカードを見てストロング石島の表情が嗜虐的に歪み、ドローしたカードを勢いよくデュエルディスクへ叩きつける。
「手札から《バーバリアン・エコーズ》を発動! デッキから《バーバリアン2号》を手札に加え、《バーバリアン1号》を手札から捨てる。
今手札に加えた《バーバリアン2号》をコストに《ワン・フォー・ワン》を発動! 《バーバリアン0号》をデッキから特殊召喚!
そして特殊召喚された《バーバリアン0号》の効果によりデッキから《蛮族の狂宴LV5》を手札に加える!」
小柄な紫の蛮族がストロング石島のデッキから飛び出し、いそいそと宴の用意を始める。
「《蛮族の狂宴LV5》を発動! 墓地より甦れ! 《バーバリアン1号》! 《バーバリアン2号》!」
《バーバリアン0号》星1/地属性/戦士族/攻 50 → 攻 550
《バーバリアン1号》星5/地属性/戦士族/攻1550 → 攻 2050
《バーバリアン2号》星5/地属性/戦士族/攻1800 → 攻 2300
0号が整えた宴に誘われ、身の丈2mを優に超える赤褐色と黄土色の2体の蛮族がフィールドへ現れる。
「モンスターが3体も……! それにこの布陣はまさか!?」
「そのまさかだ! 《バーバリアン0号》の効果を発動! 自身をリリースし手札から王を呼ぶ!
密林の奥地から巨木をなぎ倒し、現れるがいい。未開の王国に君臨する蛮族の王。《バーバリアン・キング》!」
小柄な蛮族がその身を供物へと捧げ姿を消す。
その犠牲を受けて、暗がりの奥から木々をなぎ倒しながら血に濡れたような紅の肌を持つ蛮族の王が姿を現す。
《バーバリアン・キング》星8/地属性/戦士族/攻3000
「やっぱり来たか! ストロング石島のエースモンスター!」
「これで終わりではない! 《バーバリアン・キング》の効果を発動! 自身の場の他のモンスターを贄とすることで追加の攻撃権を得る!
バーバリアン1号! 2号! その身を王へと捧げろ!」
「攻撃力3000の3回攻撃……!」
「行くぞ! 《バーバリアン・キング》でそのカバ共を粉砕だ!」
「くっ、ごめん! みんな!」
2体のヒッポ達がキングの棍棒に打ち砕かれ、すれすれのところを遊矢は木々へ飛び移り目的地へと立ち止まらずに進み続ける。
「3度目の攻撃! お前へダイレクトアタックだ!」
「それは通さない! リバースカードオープン《EMコール》!
その攻撃を無効にし、《EMユニ》《EMコン》をデッキから手札に加える!」
「ほう、防ぎ切ったか。カードを1枚伏せてターンエンドだ」
ストロング石島 LP4000 手札6 → 1
遊矢 LP4000 手札2 → 4
「私のターン、ドロー!」
遊矢 手札4 → 5
「それでは私のショーを支えるアシスタントコンビをご紹介いたしましょう!
手札から《EMユニ》を通常召喚! 召喚時の効果を発動し、手札から《EMコン》を特殊召喚!」
《EMユニ》星4/光属性/獣戦士族/攻 800
《EMコン》星3/光属性/獣戦士族/攻 600
額に一本の角を生やした、マジックショーの女性アシスタントのような姿をした可愛らしいモンスター2体が優雅に登場する。
アイドルカードの登場に思わず会場の男性陣が歓声を上げ、反面女性陣はそんな男性陣に白い目を向ける。
「アハハ……こほん! 《EMコン》の効果発動! 《EMユニ》と自身を守備表示に変更し、デッキから《オッドアイズ・ドラゴン》を手札へ!
《二重召喚》発動! これにより私は追加の召喚権を獲得します!」
「《EMユニ》《EMコン》をリリース!
さぁ、拍手でお迎えください!本日の主役、世にも珍しい
《オッドアイズ・ドラゴン》星7/闇属性/ドラゴン族/攻2500
左が赤、右が緑のオッドアイを持つ深紅の竜が蛮族の王へと相対する。
「バトルフェイズ! 《オッドアイズ・ドラゴン》で《バーバリアン・キング》を攻撃!」
「愚か者め! 《バーバリアン・キング》よ! 返り討ちにしろ!」
攻撃力2500のオッドアイズで攻撃力3000のキングへ攻撃するのは自爆行為のように見える。が、
遊矢は木々に隠されていた目当てのカードを勢いよく引き抜く。
「何もヒッポ達と無意味に駆け回っていた訳じゃ無い!
『そう!これはアクションデュエル!
デュエル開始時にフィールドへ散らばった4枚のAカードは一定の規則をもって設置され、1ターンに1度、どちらかしか使用できないという制約はあれど、適切なカードを引き当てることができれば状況は容易く逆転するゥ!』
「デュエル開始直後から、お前は一直線に走り出していた……つまり、お前は全ての設置パターンを把握しているということか。流石はアクションデュエルの立役者 榊 遊勝の息子だと褒めてやろう」
「お褒めに預かり恐悦至極! オッドアイズには戦闘破壊したモンスターの攻撃力の半分の効果ダメージを与える効果がある! これで一気にリードさせてもらいましょう!」
深紅の竜のブレスが蛮族の王へと届く、その瞬間。
「―――だが、甘いな。リバースカードオープン《バーバリアン・レイジ》! 《バーバリアン・キング》の攻撃力を1000ポイントアップ! 攻撃力4000だ! 叩き潰せ!!!」
「ッ、オッドアイズ!」
その紅い筋肉を漲らせ、一回り巨大化した蛮族の王の一振りがブレスごとドラゴンを打ち砕く。
遊矢 LP4000 → 3500
「《バーバリアン・レイジ》の効果を受けたモンスターの戦闘で破壊されたモンスターは墓地へは送られず手札へ戻る。さらに!モンスターがフィールドから手札に戻ったこの瞬間!《バーバリアン・エコーズ》の効果を発動! デッキから《バーバリアン・ハウリング》を手札へ加える」
「くっ、カードを1枚伏せてターンエンド!」
手札を一度逡巡し、勝利を引き寄せるための策を張り巡らせ1枚のカードを伏せる。
遊矢 LP3500 手札5 → 2
ストロング石島 LP4000 手札1 → 2
「どうした?これでもうお終いか?
俺のターン! ドロー!」
ストロング石島 手札2 → 3
「2枚目の《蛮族の狂宴LV5》を発動し、墓地から《バーバリアン1号》《バーバリアン2号》を再び特殊召喚!
《バーバリアン・キング》の効果で2体をリリースして2回分の追加攻撃権を獲得!
更に! 《最強の盾》を《バーバリアン・キング》に装備!」
《バーバリアン・キング》星8/地属性/戦士族/攻4000 → 5100
もはや3mを優に超えるほど強く、硬く、大きく進化した蛮族の王がはるか高みから全てを見下ろす。
「バトルだ! 《バーバリアン・キング》でお前にダイレクトアタック!」
「させるか! リバースカードオープン《EMピンチヘルパー》! 相手のダイレクトアタックを無効にし、デッキから「EM」モンスター1体を効果を無効にして特殊召喚する! こいッ《EMハンマーマンモ》!」
《EMハンマーマンモ》星6/地属性/獣族/守1800
1度目の振り下ろしは罠で防ぎ。
「では2回目の攻撃だ! ハンマーマンモを粉砕!
《バーバリアン・レイジ》の効果により、お前のモンスターは手札に戻る! そして《バーバリアン・エコーズ》の効果により、2枚目の《バーバリアン・ハウリング》を手札に加える」
2度目の横なぎは巨象がその身を盾とすることで遊矢を守る。
「《バーバリアン・キング》による3度目の攻撃!」
「この瞬間! 墓地の《EMユニ》の効果を発動!
自身と自身と《EMオールカバー・ヒッポ》を除外することで1度だけ戦闘ダメージを0にする!
《EMコン》の効果も続けて発動! 自身と《EMディスカバー・ヒッポ》を除外することで500LP回復する!」
3度目の逆袈裟はまるで脱出マジックかのようにキングの逆方向へと現れた遊矢と墓地の仲間達によって躱される。
遊矢 LP3500 → 4000
3度の連撃……いや前のターンも含めれば合計6度の連撃を見事に乗り越えた遊矢の姿に会場のボルテージは最高潮へと至る。
それは観客だけではなく、むしろこの男こそが最も熱く煮えたぎっていた。
「防ぎ切った……か。
なるほど、俺はお前をまだ見くびっていた、いや。お前の親父を呼び出すための餌だと思っていたようだ。お前に倣い素直に謝罪しよう。すまなかった。
ああ、ああッこの熱こそ!
あの日俺が俺が味わうことのできなかった昂ぶりだ!
さあ、この状況を打開し、自らがエンタメデュエリストだと証明して見せろ! 榊 遊矢!」
ストロング石島は2枚のカードを伏せ、ターンを遊矢へと渡す。
ストロング石島 LP4000 手札3 → 0
遊矢 LP4000 手札2 → 3
「……私の、ターン!」
遊矢 手札3 → 4
ドローしたカードを確認した、その瞬間。
口元が思わずほころぶ。
「―――
遊矢の雰囲気が変わる。
「手札から《リロード》を発動。」
変わる。
「手札を全てデッキに戻し、戻した枚数分デッキからドローする」
変わる。
―――クルリ、クルリと、まるでカードの表裏の様に榊 遊矢という存在が、
から回る
父親を信じる幼い戦士でもなく。
まるで
―――
system Enneacraft awaking.
「お楽しみは、これからだ」
遊矢 手札3 → 0 → 3
最初に異常に気付いたのは直接対峙しているストロング石島だった。
「なんだ、なんなんだ。……お前は榊 遊矢、なのか……?」
「ええ、
にこやかな笑みにすら滲み出す薄ら寒さに、思わずストロング石島だけでなく、バーバリアン・キングすらも身を固くする。
「さあ、デュエルを続けましょう」
「《
遊矢 手札3 → 2
《糾罪巧Ϝ’-「tromarIA」》【Pスケール:青0/赤0】
突如として、巨大な青の八面体が空中に漂う。
ファンシーさを前面に押し出していたEM達とは一転して、無機質なナニカが現れたことでようやく観客も事態を察する。
「続けて手札から《糾罪巧
遊矢 手札2 → 1
《糾罪巧θ’-「oknirIA」》【Pスケール:青0/赤0】
今度は緑の八面体が空中に漂う。
「Pモンスターとは、モンスターと魔法の両方の性質を併せ持つ特異なカード。
その身を
「モンスターと魔法の性質を併せ持つカード、だと……!?」
「
LP900を支払い、《糾罪巧Ϝ’-「tromarIA」》の効果を発動! 《糾罪巧-
LP900支払い、《糾罪巧θ’-「oknirIA」》の効果を発動! 《糾罪巧-
遊矢 LP4000 → 3100 → 2200
手札1 → 2 → 3
「何がランダムだ! 3枚とも同じカードじゃねぇか!?」
「処理に不正はないためデュエルを続ける。
先ほど手札に加えた《糾罪巧-再巧》発動。デッキから《糾罪都市-エニアポリス》を自分のフィールドゾーンへ表側で置く」
遊矢 手札3 → 2
密林を上書きするように、高層建築が並ぶ近未来都市が現れる。
「《糾罪巧-裁誕》を発動。Pゾーンの《糾罪巧Ϝ’-「tromarIA」》《糾罪巧θ’-「oknirIA」》をデッキに戻して2枚ドローする」
遊矢 手札2 → 1 → 3
「手札から《糾罪巧
《糾罪巧β’-「alazoneIA」》【Pスケール:青0/赤0】
《糾罪巧α’-「orgIA」》【Pスケール:青0/赤0】
遊矢 手札3 → 1
黄色と赤の八面体が新たに現れる。
「2体の効果をそれぞれ発動。
LP900を支払い、《糾罪巧-
LP900支払い、《糾罪巧-
遊矢 LP2200 → 1300 → 400
手札1 → 2 → 3
「下拵えはこんなところでしょうか。
ここからは一気に行きますよ。手札から《糾罪巧-Archaη.TAIL》の効果を発動。自身を見せて手札からモンスター1体を裏側表示で特殊召喚する。」
遊矢 手札3 → 2
「そしてこの効果に1ターンに1度の制約はない」
「なんだと!?」
「再び手札から《糾罪巧-Archaη.TAIL》の効果を発動し、手札からモンスター1体を裏側表示で特殊召喚」
遊矢 手札2 → 1
「三度手札から《糾罪巧-Archaη.TAIL》の効果を発動し、手札からモンスター1体を裏側表示で特殊召喚」
遊矢 手札1 → 0
遊矢の傍で浮かぶ2つの八面体と、半透明の状態で漂う3枚のセットモンスター。
さて、と一息ついた遊矢は自身の場を説明する。
「俺の場にはセットされたモンスターが3体。
Pゾーンの糾罪巧モンスターはモンスターがリバースする度に自身へ「糾罪カウンター」を置く。
そしてフィールドゾーンの《糾罪都市-エニアポリス》はルール上糾罪巧カードとしても扱うカードであり、お互いのターンのエンドフェイズに糾罪カウンターを全て取り除き、その数×900ポイントのダメージを相手に与える効果を持つ。
つまり、」
「―――つまり、俺は次のターン中に勝たなければ……負ける」
遊矢の説明をストロング石島が引き継ぐ。
ご理解いただけたようで何より。ニコリと遊矢が笑みを浮かべる。
「これで俺はターンエンド」
遊矢 LP400 手札0
顔を伏せ、肩を震わせたストロング石島は、
「ククク、ハハハハハハッ!!!
イイぞ! 榊 遊矢! 絶体絶命の危機! 逆転に次ぐ逆転! これこそがデュエル! だからこそ俺達デュエリストはコイツが止められない!!!」
―――未来都市に響き渡るほどの哄笑。
この状況を理解したうえで、獰猛に笑っていた。
「このターンで勝てなけれな俺の負けだと言うのであれば! 全てを踏み越え! このターンで勝ち切れば良いだけのこと!」
「俺の、ターン!!!」
ストロング石島 手札0 → 1
「俺はバーバリアン達の王だ! だからこそ強欲に、貪欲に行かせてもらおう!
《強欲で貪欲な壺》発動!
デッキを上から10枚裏側で除外し、2枚ドローする!」
「ここで手札増強カード……!」
「チャンピオンのデュエルは、確率など力で捻じ伏せる!
ドロォォォ!!!」
ストロング石島 手札1 → 0 → 2
「さあ、まずはコイツだ!
《サンダー・ボルト》! 貴様の場のモンスターを全て破壊だ!」
ストロング石島 手札2 → 1
天からの雷が全てを焼き払おうとした、その瞬間。
「チャンピオンなら、ここで除去札を引いてくると信じていたさ!
《サンダー・ボルト》にチェーンして《糾罪巧-Archaη.TAIL》の効果を発動!
フィールドのカードを破壊する効果を相手が発動した時、裏側表示のこのカードを表側守備表示にすることで、このターン中、自分フィールドのモンスター及び「糾罪巧」魔法カードに効果破壊耐性を与える!
《糾罪巧-Archaη.TAIL》星9/光属性/機械族/守2500
セットされたモンスターの内の1体。巨大な機械仕掛けの蠍が虚空から姿を現し雷をはじき返す。
「そして、モンスターがリバースしたことでPゾーンの2体にそれぞれ糾罪カウンターが乗る」
《糾罪巧β’-「alazoneIA」》糾罪カウンター0 → 1
《糾罪巧α’-「orgIA」》糾罪カウンター0 → 1
「ならば俺の過去最高の連撃で仕留めるのみ!
《金華猫》を召喚し、墓地から《バーバリアン0号》を特殊召喚!」
ストロング石島 手札1 → 0
《金華猫》星1/闇属性/獣族/攻 400
《バーバリアン0号》星1/地属性/戦士族/守 100
一匹の猫が、黄泉から再び小柄な紫の蛮族を戦場へと呼び戻す。
「《バーバリアン0号》の効果でデッキから3枚目の《蛮族の狂宴LV5》を手札に加え、そのまま発動! 三度甦れ! バーバリアン1号、2号!」
瞬く間に合計5体のモンスターがストロング石島の場に並び立っていた。
「《バーバリアン・キング》以外のモンスター4体を贄に捧げれば合計5回の攻撃! これが俺の限界の先だ!」
「―――ええ、そうしてくることもまた、俺は信じていましたよ。
蛮族の狂宴によりモンスターが特殊召喚された、この瞬間!
墓地の《糾罪巧-裁誕》の効果を発動!」
「俺のターンに墓地から魔法だと!?」
「このカードを除外し、自分フィールドの裏側守備表示の「糾罪巧」モンスター1体を表側守備表示にする!
さあ、起動せよ《糾罪巧-
まるで空間が軋む錯覚を覚えるほどの、一際巨大な機械仕掛けの鯨が虚空より姿を現す。
《糾罪巧-AtoriϜ’.MAR》星9/光属性/機械族/守2500
《糾罪巧β’-「alazoneIA」》糾罪カウンター1 → 2
《糾罪巧α’-「orgIA」》糾罪カウンター1 → 2
「《糾罪巧-AtoriϜ’.MAR》のリバース効果!
相手フィールドのモンスターを全て裏側守備表示にし、この効果で裏側守備表示になったモンスターの表示形式変更を封じる!
アトリマールの起こす大波が届く前に、金華猫が密かに周囲を捜索して手に入れたAカードを主であるストロング石島へと器用に投げ渡す。
「させるかァッ! AカードGET! 《効果暴走》をその鯨を対象に発動! 相手モンスター1体の効果を無効にし、相手に500ダメージを与える! お前のライフはたったの400ポイント! 俺の勝ちだァ!」
「押し通る! 最後のセットモンスター《糾罪巧-Astaγ.PIXIEA》の効果を発動!
自分フィールドのカードを対象とする効果を相手が発動した時、裏側表示のこのカードを表側守備表示にし、その効果を無効にする!
「クッ、クハハハハッ! 見事!」
《糾罪巧β’-「alazoneIA」》糾罪カウンター2 → 3
《糾罪巧α’-「orgIA」》糾罪カウンター2 → 3
一瞬の攻防の末、ストロング石島の抵抗は全て捻じ伏せられ、大波によって全てのモンスターは裏側守備表示へと変更を強制される。
手札も全て尽き、自身の限界を超えた先の行動すら封殺されたストロング石島はそれでも尚、笑って遊矢を称える。
「最後に教えろ、榊……いや、遊矢。
俺は、強かったか?」
ストロング石島の問いに遊矢は一瞬目を大きく見開き、そしてどこまでも人間臭い満面の笑みを浮かべ、答えた。
「俺が今まで戦った中で、間違いなく最強でした!」
「ならばよし! ターンエンド!」
呵々と笑いながら、ストロング石島は裁きの時を受け入れた。
「エンドフェイスに《糾罪都市-エニアポリス》の効果を発動。
糾罪カウンターを取り除き、その数×900ポイントのダメージを与える!
糾罪カウンターの合計は6つ! よって合計5400ポイントのダメージだ!」
「楽しかったぞ! エンタメデュエリスト榊 遊矢!」
アラゾニアとオルギアにため込まれた罪に反応し、エニアポリスから放たれた極光にストロング石島は最後まで笑いながら飲み込まれた。
ストロング石島 LP4000 → ー1400
WINNER! 榊 遊矢!
勝者が決まったことを示すブザーが鳴り響き、司会者スマイリーが慌てて我に返る。
『―――き、決まったァ~~~!
怒涛の展開の連続! 息を吐かせぬシーソーゲームを制したのは、チャレンジャー! 榊 遊矢選手だァ~~~!』
スタジアムが割れんほどの喝采が響き渡る。
―――お楽しみは、これからだ。