「魔術も使えねえのに実戦だあ?」
支店長と呼ばれた大男が
「魔物の
「ほう?言うじゃあねえか、男に二言はねえな?」
「ああ」
「危険すぎます!彼を殺す気なんですか!」
受付嬢が会話に割り込んでくる、確かに
「そん時はそん時だ、こいつもそれ分かって言ってんだろ、ほらついてこい」
支店長は受付嬢を押しのけ入り口とも裏口とも違う扉を開く、そこには地下へ続く階段があり、
ついて行こうとすると受付嬢が立ち
「死んじゃいますよ!こんなことで命を
見知らぬ相手だというのに、随分と心配をしてくれいるらしい。
「
横を通り抜け階段へ向かう。
「あのな、男ってのは引けない時、引いちゃいけない時ってのがあるのよ」
「そうそう、あっ俺
「俺もー!」
後ろから聞こえる冒険達の声は気にせず階段を下りていくと、かなりの広さがある空間に
周囲を囲うように観客席も設置されているが、
「お前にはこれからウチで捕まえている魔物と戦ってもらう」
「なにか戦う上での決まりはあるか?」
場内へ飛び降りながら支店長に問う。
「いいや、生き残れば認めてやるよ」
「分かりやすくていい」
「はっはっは、まずは一戦目だ」
「こいつらは成人した男なら素手でもぶち殺せるが、
奥から飛び出してきたのは、緑の体表に人の半分程度の
「ゴブリンだ、魔術が使えるなら取るに足らねえ
ゴブリンは通常石や木を用いて作った物を武器として使うが、五体のゴブリンはそれぞれに
『ゲギャギャ……!』
目を血走らせ
背中から弓を外し、矢を三本引き抜いて一本を
「……フッ!」
『『ゲギャっ!』』
空気を切り裂きながら突き進む矢は
地を
「魔術が使えねえってのにすげえ矢の威力だな」
「石の壁に刺さる矢ってなんだ?」
『ゲギギギッ!』
背後から迫ったゴブリンの一撃を身体を左回転させることで
力無く腕を垂らしたゴブリンから矢を引き抜き
「中々やるじゃねえか」
「ヒュー!」
「ゴブリン相手とはいえ大したもんだ!」
支店長のお
「二戦目だ、門を開けろ!」
支部長の
現れたのは口から前方に伸びる巨大な牙と、大きな鼻が特徴の
「『ギガノボア』、その
ボアは前足で地面を数回蹴ると、突然走り出した。
(四足の魔物は
矢を
「その目を
放たれた矢は、吸い込まれるようにボアの右目に突き刺さる。
『ピギイイイイッ!』
ボアは
「なんて精密な射撃なんだ」
「魔術が使えなくてもあの腕ならウチに欲しいな……」
冒険者達の
弓を背中に戻し
「何やってんだあいつ、このままじゃ弾かれるぞ――!」
『フゴオオオオオオ!!』
血を
『ブギっ!?』
明らかな
そうもなるだろう、自分よりもはるかに小さい生き物が
「はああっ!」
ボアを持ち上げ、
「見たか今の、本当に魔術使えないんだよな……?」
「お前身体強化ありでボアの突進止められるか?」
「いや無理無理……」
実力を見せつける程に引かれているが、この
「次!三戦目はコイツだ」
「な!あれは……」
「連盟はこんなの飼ってんのかよ!」
木の
「次の相手は『サイクロプス』だ」
「いくら何でも無茶苦茶すぎます!それにあのサイクロプスは王都直々の依頼の魔物ですよ!」
個人だけでは無く都市単位で依頼を受け付けているとは、思ったよりも連盟という組織は巨大なようだ。
「あいつの実力を測るためだ、それに後でまた捕獲依頼を出すから問題ねえよ」
彼は私ならこの魔物を倒せると期待をしてくれているのだろう、ならばそれに答えない訳にはいかないだろう。
「いくらなんでもサイクロプスを一人でなんてのは」
「魔術が使える俺でも出会いたくねえのに……」
『グルルゥ!!』
「勝負ッ!」
『グララァッ!』
ほぼ同時に
(やはり動きは
動きは
『グラアア!』
一発二発と振るわれる大振りの一撃を
動き自体は
(深くはない)
筋肉の
恐らくだがその体重を支える骨がさらに
(だが手はある)
サイクロプスの振り向きざまの裏拳を後方に
(まずは動きを
「すげえ、あのサイクロプスを
「一撃でも
サイクロプスの振り下ろしを身体を横にずらすことで
逆の腕による
『グラアアアアアアアアッ!』
サイクロプスが
流石にこの状態で近づくことは
「あまり動くと
声を上げ地を
刀を
「柳流剣術奥義『
『グルル……』
サイクロプスはようやく落ち着きを取り戻したが、すでに息も
「これで終わらせてやる」
『グオオっ!』
最後の力を振り絞ったサイクロプスの一撃を跳んで避け、その長い
そしてめり込む程にサイクロプスの肩を強く
『グォッ!』
「『
高速で
崩れていく身体から飛び降り地面に着地する。
ゆっくりと倒れ伏すを
「ふぅ……」
息を
「すげえ……」
誰かの声が場内に
「あのサイクロプスを魔術使わずに一人でやっちまうなんて、お前何もんだよ!」
「正確な
「本当に人間かよ……」
一先ず冒険者たちの評価は上々のようだ、後は支店長に認められたかどうかだが。
目を向けると客席から飛び降り、こちらに歩いて来た。
「とんでもねえ野郎だな、おめえは」
「それで、結果は」
「
ガロスが
「私の名前はアルマ、これからよろしく頼む」
握手をし笑みを返す。
「よしおめえら!
「うおおおおお!」
冒険者達が歓声をあげる、
「流石ガロスさんだ!見た目通りの太っ腹だァ!」
「今言ったの誰だこの野郎!」
どうやら中々に面白い場所のようだ。
『ゴブリン』
全長1.1㎝
二足歩行の小型魔物。背丈は人間の子供程度だが、同じ背の子供と比べて力は強い
木や石を使って武器を作れるだけの知能があり、それを用いて木の実を砕き狩りを行っている。
気性は基本的に臆病ではあるが、群れの数が増えるか相手が弱っている場合において好戦的になる。
『ギガノボア』
全長3m 体高1.8m
下顎から二本の太い牙が生えた大型の四足魔物。
頑丈な骨格と分厚い頭蓋骨を武器とした突進を得意としている。
食性は雑食かつ悪食であり、地面に転がっている物であったならば木の実でも死体でも食べてしまう。
『サイクロプス』
全長5m
顔の中央に位置する大きな一つ目が特徴であり、人間の数倍の背丈がある二足歩行の超大型魔物。
巨体なだけあり力はかなり強いが、大型故その動きは緩慢である。
だが歩幅がとても大きい為、人間の走る速度では到底逃げる事は出来ない