夜も
「ようアルマ、あいさつは一通り済んだかよ」
「ああ、だが全員が話をする度に
「俺ら流の
冒険者達が持ってきた
「これが
ガロスから銀色の板を受け取り
「腕輪型と板型があるが、馬鹿力のお前には板型がいいだろうよ」
ガハハと笑ってガロスは酒をまた飲み干す。
「アルマ」
酒を飲む手を止め、真剣な顔つきになるガロス。
「なんだ?」
「おめえは本当に魔術が使えないのか?ゴブリンはまだ分かるが、ボア受け止めたりサイクロプスぶった切ったりよ、
魔盲とは、
「事実水晶も反応せず、魔物達も
「そらそうなんだがよ、俺も長いこと生きてっから魔盲の奴は何人も見て来たが、おめえみてえなのは一人もいなかったぜ」
「
そう考えると今の自分は幸運だったと言えるのだろう。
「そういやおまえは何か目的があって旅をしているらしいが」
「ああ、私は聖国に行きたいんだ」
「聖国ってぇと例の大聖女様がいるって国だよな、なんだおめえ聖騎士にでもなるのかよ」
聖騎士とは聖国に使える騎士であり、厳しい
父上によれば、聖国には村出身の剣士が居た事もあるようだ。
だが今回の目的はそれではない、とはいえ
「いいや、そういう訳ではないんだ」
「……まあ、深くは聞かねえさ」
何かを
「だが聖国に行くってんならよ、ついでにあの学び
「
「そうそれだ、国内
「そうだな……」
己の事を知ればさらに強くなれると初代当主が書に残していた。
それにリズリーが通っている場所だ、部外者である私が入れるかは分からないが顔を出すのも悪くないかもしれない。
旅の本筋からは外れるが余裕があるならば寄ってみるとしよう。
「ありがとう、参考になった」
「よせや、真正面から礼を言われると流石にむず
そういってガロスは顔を
――
あれだけを酒を飲んでいたガロスが仕事へ戻ると話す相手も居なくなり、することも無くなったため一先ずは依頼を見てみることにした。
「まあそう上手くはいかないか」
聖国へ近づける馬車の
「アーくん、なーに探してるのー?」
「ミーアか、実はな」
いつの間に
「護衛依頼かー、確かに移動にお金かけたくない時とか楽したいときには
道中を安全に進みたい
「でもアー君なら明日からモテモテだと思うよ?あれだけ
「だとしたら
「……ふーん?」
「さらに好かれるようにがんばるとしよう」
「うん……、がんばってね」
「ありがとう、ではまた後でな」
「……調子
掲示板に残された依頼書を全て
「失礼」
なにやら疲れた様子の受付嬢に話かけると、ゆっくりとこちらへ振りむいた、どうやらまだ仕事が終わっていないらしい。
「はい、ってアルマさんどうしたんですか」
先程よりも
「依頼を受けたいのだが」
台に依頼書を全て並べていく。
「今からですか――!?さっきあれだけ戦ってましたよね」
「そうだが、何か問題でもあるのか?」
もしかして一度に受けられる以来の数に制限でもあるのだろうか。
「いや問題も何も、ていうかなんで全く疲れてないんですか?それにもう夜も遅いですよ」
「昔から体力と
「はぁ、分かりました、貴方の強さは分かりましたし
「優しいんだな」
「……なんですか急に、口説いているんですか?」
「見ず知らずの人間だというのに、こうまで必死になる所がな」
「人として当たり前のことです!」
「それもそうだな」
確かに危険なことをしようとしている者を止めることは誰でもやるかもしれない、少なくとも私は止めるだろうし駄目でもついて行こうとするだろう。
「……なんなのもう」
受付嬢はついに頭を抱えてしまった。
「では行ってくる」
「はい、行ってらっしゃいませ」
あまり感情が込められていないように聞こえるが、ちゃんと返してくれるのも優しいからなのだろう。
「そういえば」
外へ向かおうとしたが、あることを思い出して足を止める。
「……ナンデスカ」
「名前を聞いていなかったと思ってな」
「……ライラです」
「今後ともよろしく頼む、ライラ」
「はい、よろしくお願いします、アルマさん」
扉を開けると外は暗く星も見えない、普通の人であれば灯りが無ければまともに街の外を歩けなそうな程であった。
もし森の中に人が
「ライラ、ここでは灯りの貸し出しはやっているのか?」
「何なのよもう!灯りの貸し出しはやってます!」
ライラが何故か怒り出してしまったものの、無事
その後大量の採取品と討伐の証である魔物の一部を受付に持っていき、再び怒られてしまった。
ガロス
かつては一端の冒険者であったが、功績が認められ連盟の支店長となった。
豪快な一面があるが、人の表情に鋭い所もあり、気を遣うのも上手い。
妻には長生きする為に痩せろと怒られているが、本人は酒が燃料だからと大きくなり続けている