「この感覚は……」
思わず
走る程に強まっていく暗く重い気配、これは
「
この得体のしれない気配に反応しているのだろうか、だとすればあの死人と同じような存在である可能性は高い。
「急がなければ……!」
足に力を込めさらに強く地を
――
「クソッ!こんなことってありかよ――!」
槍使いの男は状況に
「ちくしょうが……!」
なんてことのない依頼の
オークの
『
(こいつが出てくるまでは……!)
太い手足に筋肉質な赤い身体、人の二倍はある
(オーガか?いやあの色の奴は見たことがねえ、それにあんな能力は持ってなかった)
オーガとは、
当然依頼も受けた事があり
『
(こんなのが森から出たら大変なことになる!)
そんなことになればどれ程の
(
「……うぅ」
遠くに倒れた仲間の一人が
『なんだまだ生きてたか、こっちの人間はしぶてえなァ』
魔物が倒れた仲間の腕を掴み持ち上げる。
(クソッ……!)
無事な右手で握った槍が
このままでは仲間が殺されてしまう、だが今出て行ったとしても手持ちに奴に通用する
『それにしてもよォ』
「!」
耳元で魔物の声が聞こえ、振り向きざまに短く持った槍を振り抜く、だがそれは奴の身体を傷つけることなく硬い肌で押しとどまった。
『こっちの奴らは術だけ鍛えてばっかで、精神が弱っちィ
「グゥッ……!」
巨大な手に首を掴まれ持ち上げられる。
『ただよォ味に
(息が……)
首が折れない程に加減された力で、ゆっくりと
『
魔物はこの世の物とは思えない程に恐ろしい笑みを見せる、口からはみ出した鋭い牙は人の
(やめろ……、やめろ――!)
魔物は槍使いを喰らう為に大きく口を開き、そして。
『――あ?』
魔物の首と両肩の先が吹き飛んだ。
『……ああ?』
理解が追い付かないといった表情で固まった魔物の頭が地面に転がり、二人の冒険者を抱えた黒髪の男を見つめる。
「気付くのが遅れて済まない」
「あ、アンタは……」
「少し待て、手を外す」
アルマは槍使いともう一人の冒険者を掴んでいた手の指を掴むと、容易く圧し折り二人を解放した。
『そうかァ、お前だったんだなァ?
二人の冒険者を離れた場所に隠すアルマを見つめ、魔物は
「お前は何者だ」
『そんなのお前なら分かるんじゃねえか?なあ同胞よ』
「同胞だと?」
アルマはその言葉の意味を考え、魔物を観察する。
「赤い肌に二本の角……、そうか、お前は鬼か」
『鬼』、人間では
その性質から大変恐れられ、被害を受けないように神として
『正解だぜェ
「!」
それは立ち尽くしたままの身体へと集まると、失った部位が再び
『ああァ、首が飛ばされるなんざァ久々だァ……』
鬼は肩や首を回し状態を確かめると、
『さァ喰らい合おうぜ!』
鬼の怒号が波動となり空気を伝い木々を揺らした。
「お前の言う
アルマは刀に手を掛け赤鬼を
「お前には彼らに並び立ち、そして超えるための
『ハッハッハァ!侍はそうでなくっちゃなァ!』
鬼は