「……」
目を開くと、窓から差し込む光が私の顔を包んでいた。
「原因はやはりこの刀か」
立て掛けていた刀を掴み
それは血霧童子の力を得た事によるものなのか、妖を斬った事なのか理由は分からない。
「あまりゆっくりしてはいられないな」
今回は血霧童子のおかげでどうにか目覚める事が出来たが、このままどれだけ持ちこたえる事が出来るだろうか。
それは分からない、だが今は進み続けるしか無い。
連盟の訓練施設を特別に開放してもらい、新たな愛刀である『
「これならば以前と変わらず運用が出来る」
剣を振るう程に使用された素材の面白い性質がよく分かる。
まず金属ではなく宝石のような質感をしているというのに、力を入れると
そして
流石にある程度の力で硬い物に打ち付けると傷は付くが、それでもかなり
まるで金属と宝石の良い所を合わせたような性質をしているこれが、失敗した魔術による
確かなのはこの剣が確実に旅の助けになるだろうという事だ。
「ミーアと武器商会の会長には感謝をしなければな」
光の消えた剣を
「よう、もうすぐ出発か」
「ああ、ガロスは
「
ガロスは朝だというのに酒を頼むと
「お前も出先で色んなこと聞かれると思うがよ、
「分かっているさ」
何日も
「まあ、そんな心配はしてねえけど、一応オレにも
机に置かれた酒を掴みガロスは席を立つ、自室で飲みすぐ寝られるようにするのだろう。
「それじゃあ気を付けろよ、お前の強さなら大丈夫だろうけどな」
「ああ、
「へっ、言ってくれるぜ」
ガロスは後ろ手を振りながら受付の裏へと入って行った。
「彼と
依頼人であるコラルが入れ
確かに彼は身体も大きく一見
「まだ集合時間には早いが」
「取引相手を待たせる訳にはいきませんから」
命を
コラルは懐から金属の
「こちらは
「ふむ、そういうものなのだな」
重みのある包みを持ち上げ
コラルは水を飲み干すと荷物を背負い席を立つ。
「私は馬車の用意をしてきますので、
「ああ、また後で」
連盟から出ていく姿を横目で見送り、水を飲み干して立ち上がる。
まだ日も登り切っていない為、起きている者も少ないだろうが
連盟から出ようとすると、丁度扉を開け出勤してきたライラと目が合った。
「あ、おはようございますアルマさん」
「おはよう、丁度良い、ライラに会いたかった所だ」
「へ――?あの、どうしたんですか……?」
なにやら
「
「――あ、そういえばアルマさんの依頼は今日からでしたよね、道中気を付けてくださいね?」
「ありがとう、ではまたな」
「はい、行ってらっしゃいませ」
扉を開けると人通りが
街を歩いていると同じように武装をしている人が良く見える、彼らも私と同じように次の地を目指しているのだろう。
「アーくーん!」
裏路地から飛び出してきたミーアを受け止める、急いでいたのか髪を結んでいない。
「ミーア、早いのだな」
「もう!ミーアに
どうやら怒っているらしい、まだ寝ているだろうと気を使ったつもりであったのだが。
「まるで兄弟みたいね、かわいらしい」
「ディアナ、
魔術師のディアナがさらに
「さっきばったり会ったの、彼女貴方をずっと探していたみたいよ?」
「そうなのか、それは悪いことをしたな」
「むー」
怒っているという表現なのかは分からないが、私の胸に顔を
「他の者達はまだ休んでいるのか?出来るのならば挨拶をしたかったが」
取り敢えず
「ふふっ、私もそうだけど皆
それもそうか、私は傷を負っても少しの間眠りにつくことができれば大丈夫だが、通常の人間はそれほど
「何か話したいことがあれば私から伝えておくけど」
出来るなら全員と面を合わせて伝えて置きたかったが、今その時間は残されていない。
「ミーアの事を
「ええもちろん、いい子だもの」
仲間に入れてやって欲しいとは言わない、それは彼女自身で決めることだ。
だがもしまたあのような者達が絡んでくるようなことがあれば、彼らに頼る事が出来れば一番いい。
「それと、次会った時は共に食事でもしよう、異世界の話を
「ふふっ、それは楽しそうね」
「さて、ミーア」
「はーい……」
どうにかして離そうかた考えていたが、声を掛けるとミーアはすぐに離れてくれた。
肌を押し当て過ぎたせいか、その顔は
「ばいばい、アーくん……」
「またね」
「ああ、また会おう二人共」