「居たぞ!
「
立ち
付いて来ている者達を置いて行かないように、最大限気を使いながら
短い時間だが彼らと居て分かった事がある、それは血や人の死に
つまりなるべく斬らず、肉体を
私も人を
「もうじき
「行かせるかよ!てめえはここで死ぬ!」
速度を
人としては
威力が弱すぎては意識を
「ウッドバインド!」
「ライトニングフルーレ!」
「ぐああっ!」
地面から伸びた木の根が金棒に絡まり、細く鋭い
「良くやった」
強く地面を蹴って飛び上がり、大男の
着地して即座に前方へ駆け出し、盗賊が放つ魔術を刀で切り裂き、
遅れて飛んで来た一本を掴み、背中から弓を外し数人の盗賊を壁に矢で
「セレナ、アーティア先に向かえ!カルミナとノーラは
「分かりましたわ!」
「ヒュリアス!ハイアル!彼女達に盗賊共を近づけるな!」
「
「了解!」
それぞれに指示を飛ばし戦わずに
そのおかげもあってか剣や槍を扱う盗賊は近づいて来なくなった、だがその間にも魔術や弓矢による攻撃は
幸い弓の精度は低く一部だけ防いでいれば決して当たることは無い、
「あうぅ……!」
「ノーラさん!」
ノーラが何かに
「あの女二人を集中攻撃しろ!」
大量の矢と魔術の雨が二人を狙い放たれる。
「――っ!」
一気に
すり抜けた矢が、身体へ突き刺さる
「アルマ様!」
「問題ない、ノーラ立てるか!」
「足を
カルミナもどうにか助け落とそうとしているが、中々それを出来ずにいる。
「僕が!」
「ヒュリアス!お前達は先へ向かえ!二人は私が連れていく!」
身体に突き刺さった矢を掴み、わざと荒く引き抜き激しく出血させる。
「アルマ様、何を――!?」
飛び散った血液は空中で霧へと形を変え、周囲を
紅い霧は空中で
「悪いが
二人腰に腕を回して
「きゃっ!」
「あぅっ!」
そのまま走り出し、二人に
能力を使い
それから程なくして先を行っていたヒュリアス達と合流し、一先ず近隣の村を目指して走る。
「森の外まで来れば一先ずは大丈夫だろう、奴らもここまで追っては来ないだろう」
「あの……」
「
「いえ、ありがとうございました」
ノーラとカルミナの二人をゆっくり下ろし、地図を取り出して現在地と村の位置を確認する。
一番近い村は
「アルマさん、
「問題ない、
「すごい、あんな短時間に!」
「見事な
学んで出来る物では無いのだが、今説明せずとも良いだろう。
「これから町を目指す、ノーラ歩けるか?」
「だ、大丈夫です……!」
魔術で治したのだろう、ノーラはつま先で地面を
「そうか、無理をするなよ、セレナとアーティアは走り続けて疲れていないか?」
「私は大丈夫です、ですがアーティアが……」
「……」
まだ幼いアーティアにはこの距離を走り続けるのは
「ではアーティアは私が
「貴族である僕がこの程度で疲れるものか」
そう言っているヒュリアスの息は少し
「俺は
そう言ったハイラルは呼吸の乱れも無く、汗も全く流していない。
顔色も良く、彼の言う通り普段から身体を動かしているのだろう。
「誰か弓を預かっていてくれないか?」
「
「ありがとう」
「いいえ」
背中から弓を外しカルミナに手渡し
「では出発するぞ、アーティアは私の背に乗ってくれ」
「うん……」
背に身体を乗せ、肩に手を乗せた所でアーティアの足を持って立ち上がる。
「わ、高い!」
「落ちないように気を付けるんだぞ」
「ありがとうございます、アルマ様」
背中ではしゃぐアーティアの頭をセレナが
「ああ」
町を目指して歩き出す。
これだけの人数が居れば基本的に魔物が襲って来ることはない、気を付けるべきは盗賊が追って来ていないかどうかだけだ。
――
「ここだ」
その後は無事、町へ
「失礼、ここに
「あら
「ありがとう」
町人が指差した方に歩いて行くと、大きな宿がそこにはあった。
これならば全員が泊まれるだけの部屋が取れるだろう。
「ふう、流石の僕でも少し疲れたな……」
「俺もだ、ていうか汗流したい」
扉を開けて
盗賊が森を
「寝ているのですか?」
「ああ、悪いが起きてもらおう」
手を飛ばして顔に乗せてある本をどけ肩を
「んん……?何だよ爺さん――ってどちら様?」
「部屋を利用したい、用意してもらえるか」
「――あっ、お客様ですか!ちょっと待っててください!」
男は
「この
ヒュリアスは
「
「これって
「あらノーラさん
カルミナとノーラはなにやら緑の
すっかり寝てしまっている背中のアーティアを下ろし椅子に寝かせ、カルミナから弓を受け取って背中に付ける。
「あの……」
「どうしたセレナ」
「私達は、宿の代金を支払う事が出来ないのですが……」
その心配か、元より
「
「そんな、ただでさえ助けて
「気にしなくていい、当然の事だ」
「でも……」
彼女は少し真面目過ぎるようだ、今回の事に関しても
「だとしてどこに
ヒュリアスは
「それは……」
「貴様がどこで寝ようとどうでも良いが、まだ幼い妹を外で寝かす事を良しとするのか?それに金など後で
「……」
「
「アルマ様――!分かりました……」
彼女であれば
それでも
「お部屋の準備ができました!」
「では二人部屋を三つと、一人部屋を一つ」
「かしこまりました、こちらが鍵でございます、ごゆっくりどうぞ」
受け取った鍵をそれぞれ二人組に手渡す。
「それと、衣服を扱っている店はどこにあるか知っているか?」
「ここを出て右に少し歩いた場所に、服が並んでいる所がそうですね」
セレナが現在着用している衣服は知らない誰かの物であり、長時間着ていられるような作りには見えない。
「ありがとう」
「僕は先に部屋へ行っているぞ」
「俺も汗流してきます、そういえばここって服を洗ってくれるんですか?」
「ええ、各部屋にあります
「こちらには女性の
「はい、勿論です」
「それは安心しました」
どうやら
「セレナとアーティアは私に付いて来てくれ、その服では動き辛いだろう」
「え……?」
セレナがまた何かを言おうとしていたが、アーティアの手を引き連れて行くことで強引にでも付いて来てもらう。
こちらにも予定という物があるのだ。
宿を出て服屋へ向かっている最中、数人の騎士を見かけた。
盗賊がこの村に手を出していないのは、恐らく彼らが居るからなのだろう。
数が少ないとはいえ彼らも
奴らの
「彼らに協力を頼んだ方が良いかもしれないな……」
戦力としてでは無く、
「服屋とはあそこのことか」
「わーいっぱいあるー!」
店の中へ入っていくと、様々な衣服や装飾品などに出迎えられた。
「アルマ様!私これがいい!」
アーティアは赤い
「アーティアっ……!」
衣服を買いに来ていたのだが、
「一度
「はーい」
アーティアは近くの椅子に座り
「うーん、ちょっと大きいかも……」
「店主よ、これの少し小さめの物はないか?」
「悪いな、うちの商品は全部ここで作ってるから一点物ばかりでよ」
「そうか」
「子供用の靴ならこっちに
「分かった、アーティア、あっちにも
「そうなの?じゃあ見てみる!」
アーティアは
「これー!」
アーティアが持ってきたのは、赤の染色に
「私は……」
(
アーティアの頭に手を置く。
「?」
「セレナに服と靴を選んでやってくれないか?」
「え、いいの?じゃあねー」
「ア、アルマ様……!」
アーティアの
「どーれーがーいーいーかーなー」
アーティアが笑顔で服を選ぶ中、セレナは未だに
「私が見返りを求める事はないと
「……」
「おねえちゃんこれとかどう?」
アーティアが指差したのは青を
「セレナによく似合いそうだ、だが外で着るには少し動き辛いだろう」
「そっかー、じゃあこれは?」
次に選ばれたのは彼女達の髪の色と同じ
肩には白く
これであれば長く着ようとも道中に
「ああ、良く似合いそうだ」
「おねえちゃんどう?」
「……うん、これにしようかな」
「これを貰おう」
「まいどあり」
――
宿の室内で森へ向かう
「入って来てくれ」
「失礼いたします」
扉を開き中へ入って来たのは、新たな
身体を流した後なのだろうか、
だがその表情は固く、どこか
「似合っているな」
「あ、ありがとうございます……」
セレナは
その様子に一安心しながら刀の二振りを腰に差し、青の
「どこかに行かれるのですか……?」
「森へ戻る、お前達は宿から出ないようにしてくれ」
「わ、分かりました、皆さんには伝えておきます」
「用があっただろうに済まないな、話は戻ってからにしてくれ」
もうじき日が沈み、危険性の高い夜行性の魔物達が動き出す。
そうすれば盗賊達も
「はい、無事に帰って来て下さることを
「ああ、必ず戻る」
宿を出て二本の角が付いた