「新手だ!注意しろ!」
部隊長が声を荒げると、
「魔術の用意をしろ!一斉に攻撃するぞ!」
今までよりもずっと濃い妖気に
「お、親父……!」
「よせ!近づくな!」
一人の聖騎士が炎のような赤い光にゆっくりと歩き始めるが、周囲の騎士に抑えられその足を止める。
しかし光はゆっくりと揺れているだけであり、とても人の姿には見えない。
再び淡い光を放った
「アルマくん……?」
フィーアの声も届かず、姿を変ていくその様子からアルマは目を離せずにいた。
瞳の中で光の塊はゆっくりと形を変え、それはやがて長い髪の女性の姿になった。
アルマは目を見開く、それと共に手に握る血液の刀が
「母上……」
肩を揺らしながら、ゆっくりと光の方へ近づいていく。
「アルマくん近づいちゃダメ――」
フィーアは止めようと
「なに――これ」
誰も近づくことが出来ない間に、アルマが赤い光に
その直後、地面から巨大な影が出現し、女性ごとアルマを飲み込んでしまった。
「アルマくん!」
フィーアの
巨大な影は
「なんてことだ……」
そして、圧倒的な武力による安心感を失った事により、
「
部隊長は
巨大な影からさらに闇が点々と広がっていき、そこから
「今だ!魔術を放て!」
「この――!『ブレイズスフィア』!」
部隊長の号令により放たれた雨のような魔術、そして
しかし、炎のような塊がさらにいくつも現れ、
「あ――」
「か、母さん……」
光を浴びた者は皆その足を止め、魔術を解き、剣を落としてしまった。
「正気に戻れお前達!」
部隊長の声も届かず
「クソ!」
しかし、その鋭い魚群が彼らに
血の球体や巨大な影から飛び出した
「な、なんだ、この
明確に人間だけを避けて伸びた赤い棘がゆっくりと
そして、元は黒い影であった赤い塊までもが霧のように消えると、
「アルマくん!」
「待たせて済まない」
無表情のアルマは抱えていた光を上に放り投げると、その場から
そして、周りを囲む赤い光の全てが
再び姿を現したアルマが手に
「妖気が消えた、
力強く刀を振るい空気を切り裂くと、心を
「だ、大丈夫……?」
フィーアが恐る恐る肩に触れると、ゆっくりとアルマが振り返った。
「心配をかけたな」
先程までの冷たい
「ホントだよまったく、私を守るって約束なのに君が食べられちゃってどうするの」
小言をぶつけながらも、どこか柔らかい表情で見るフィーア。
光に囚われていた聖騎士達は次第に正常な意識を取り戻すと、その場に立ち尽くしたり座り込んだりとそれぞれの反応を見せ始める。
「皆そのままで聞いてくれ」
部隊長は聖騎士達を
「
光によって
「そうか……」
手を上げなかったものはアルマとフィーア、そして部隊長と数人の聖騎士達だけであり、
「一度支部へと帰還し部隊の再編成を行う、手を挙げた者は宿舎にて待機、挙げなかったものは後ほど集まってくれ」
騎士団支部へ歩き出した聖騎士達を
「皆折れちゃったか」
「彼等も私と同じなにかを見たのだろう、仕方のないことだ」
「同じ?」
アルマは思い返すように
「光を浴びた時、私はあの塊に死に別れた母を見た」
「――!」
「恐らくあの光は浴びた者の精神に作用し、塊を特定の相手に見せかける性質がある、正に獲物を