単に帰る場所が同じ方向だからという訳でもなく、私が向かう方向を変えようともそのまま付いて来るため恐らく何か
「……」
サリアは
足を止め振り返ると、涙目でこちらを見上げるサリアと目があった。
「――っ!」
サリア
「私、魔術が使えないとか、戦えないとか言っちゃってごめんなさい……!」
地面に
「もう言わないから、き、嫌わないで――ください」
彼女なら大丈夫だと確信していたが、少々
いや幾ら修練を積んだ戦士とはいえまだ十三そこらの子供なのだ、年上の男に本気で
「ごめんなさい……!ごめんなさい……!」
初めて他人に
こういう時はどうするのが正解なのだろうか、以前に子供が泣いていた時は頭や背中を
原因である私がそのような
「気にしてはいない、嫌いでもない」
「――ほんと、ですか?」
「ああ、だから泣き止んでくれ」
手を伸ばした
「……うん」
(刀を持って向き合えば対等であると考えていたが、例外もあるのだな……)
「では帰ろうか」
―――
「おかえりなさいませ、……サリア様とご一緒とは珍しいですね」
「少しあってな」
屋敷に着くとアルスに出迎えられた、アニスは仕事をサボっていたからと
「……っ!」
サリアは別の使用人を見つけると
その
「……仲良くなられた事は喜ばしい限りですが、なにかされたのですか?」
私が顔を冷ややかな目で見つめてくるアルス。
「ああ」
「へ?本当に何かをされたのですか――!?」
先程の発言は彼女なりの
「父上に頼まれ試合をした」
「試合、ですか?」
「
「なるほど、それは無茶をしましたね」
「私も今はそう考えている」
戦わないという選択肢を取ることは無かっただろうが、もう少し出力を抑えても良かっただろうか。
「ですが、以前よりも親しく慣れたのは良いことですよ、同じ屋敷に住む
「
「果たして怖い相手に手など振りますでしょうか」
「私にはわからない」
「ふふっ、そうでしたね」
私がもしあの年の頃だったならばどうしただろうか、やはり再び勝負を挑んでいただろう。
「この後はどうなさいますか?」
「まずは汗を流す、食事はその後にしよう」
「かしこまりました」
二人と戦い程よく満足する事が出来ている、今日の所は残りを
「お身体をお流ししましょうか?」
「いいや、いつも通り食事の準備をして欲しい」
「……かしこまりました」
いつも硬い表情をしている事の多いアルスだが、
アニスによると普段はもう少し
「アルマ様ー!おかえりなさい!」
長い廊下の向こうから、箒をもったアニスが
「ご飯にしますかー!お風呂にしますかー!それともーむぐっ!?」
アニスはアルスに口を
(やはり家族とはあのように親しい事が普通なのだろうか?)
アルスとアニスのような兄上達を想像して、なんとも微妙な感情になるのだった。