日に一個と投下すると言ったな。あれは嘘だ。
つ(2/5)
【1994】
◇
『──多くの人が笑っていました。それはきっと、間違いではないと思います』
そう言って彼女は、遥かな理想を掲げて
彼女は少女であることを捨てて、人であることを捨てて、苦難の道を歩み始める。
諸侯を統べ、魔竜を討伐し、白亜の城を再建し、北と東より迫りくる侵略者を撃退した。性別を偽って妻を娶り、
ローマ亡きあとの荒れ果てたブリテンの地に、彼女は確かに秩序をもたらしたのだ。
だが、その繁栄は長くは続かず。光が輝けば輝くほどに影は濃く深く刻み込まれていく。
神秘の薄れゆくその島は、多くが生きることを許さない。口減らしのため、勝利のために
消えゆく神秘を補填するため、
実の姉との間に生まれた不義の子は、
王妃と密通していた最優の騎士を、
疲弊する国を何とかまとめ上げ、
理想の王は、決して間違えない。たとえ“人の心が分からない”と謗られようと、誰からもその苦悩を理解されずとも、彼女は常に正しくあり続けた。
常に。
常に。
常に。
彼女は正しくあり続けたのだ。
だというのに、その終わりは。
「こんな、こんな結末は望んではいない……ッ!」
皆、死んだ。自分に付き従ってくれた者たちも、自分に叛逆した者たちも、すべて、悉くが骸と化した。
そこは死屍累々、死体で築かれた丘の上。まるで墓標のように
ブリテンが滅ぶことは覚悟していた。己の最後に救いがないことも、覚悟していた。
けれど、この結末は認められない。
ここには生はなく、見渡す限りの死が広がっているだけだ。掲げた理想の果てが、こんな景色だなんて。彼女には到底、認められるはずがない。
彼女は常に、正しい選択をしてきた。したいことではなく、すべきことを成してきた。
だからもし、そこに間違いがあったとすれば──それは過程ではなく、最初の選択が間違っていたのだろう。
故に、契約を。
死後を代償に、彼女は世界に願った。
最後のチャンスを。こんな愚かな結末を齎した己が、王になったなどという
「問おう──あなたが、私のマスターか」
死の淵にあった彼女──アルトリア・ペンドラゴンは、己の願いを叶えるために時代を超え、現代へと。大海を超え、この極東の都市冬木へと舞い降りたのだ。
◇
「とてもよく似合っているわ、セイバー」
「……」
冬木市、新都にある百貨店──大型商業施設にて、まるで冬の景色がそのまま人の形を取ったような美しい婦人がにこやかにそう言った。
更衣室の前に立つ彼女──アイリスフィール・フォン・アインツベルンは己のサーヴァントを着せ替え人形にしていたのである。
彼女は“今度はこっちのワンピースが良いかしら、それともスーツを着て男装。あぁ、悩ましい!”と、両手に持った衣装を比べ、脳内着せ替えショーを展開している。
「あの……」
「何かしら? ああ、やっぱりアーサー王としては男装の方が良いかしら?」
「いえ、そうではなく」
スーツを押し付けてくるアイリスフィールに気圧されながらも、セイバー──アルトリアは凛とした佇まいでそれをやんわりといなす。
十代半ばで成長が止まり、およそ少女にしか見えない姿をした彼女は苦虫を噛み潰したような表情で告げた。
「一体なぜ私は、代わる代わる服を着せられているのでしょうか」
その言葉には言外に、聖杯戦争の最中なのにこんなことをしていて良いのか、という思いが込められていた。
世界の意思、抑止力との契約により現代にサーヴァントとして呼び出されたセイバー。そのマスターは目の前にいる彼女アイリスフィールである。
御三家の一つ、第三魔法の成就を願うアインツベルンはおよそセイバーの中でも最強と呼べるサーヴァント、アーサー王──まさかアーサー王が少女だとは思わず驚いていたが、それはともかく──彼女を引き当て、ドイツから遥々日本へやってきたのだ。
さて、そんなこんなで日本にやってきた二人、というかアイリスフィールは別荘たる城へ向かうことはせず、何を思ったかこのデパートにセイバーを連れ込み服飾店に飛び込んだのである。
「どうって、まずはあなたが現代で着る服を選ばなければならないでしょう? どういうわけかは知らないけれど、セイバーは霊体化ができない。ならば人目に触れても問題ないように、現代の服を見繕うのはおかしいことではなくてよ?」
「それは、まぁ、確かにそうかもしれませんが」
マスターの言うことは一理も二理もある、とセイバーは不承不承に頷く。不便なことだが、セイバーには普通のサーヴァントが持ち得る霊体化の能力を持ち合わせていない。多くの英霊は既に死者であり、そうである以上霊という実体なき姿を取ることができるのだが……セイバーはその点、死ぬ前に時代を超えて現代に召喚されているといういささか特殊な例であるため、こうして実体を取る以外の手段がないのである。
霊体化ができないということは、魔力の温存もできないということだが……幸いなことに、アイリスフィールは優れたマスターだ。アインツベルン肝いりで完成されたホムンクルスである彼女はもはや全身が魔術回路であり、その魔力生成量は竜の心臓を持つ生前のセイバーには劣るものの、現代の一般的な魔術師を遥かに凌駕するレベルのものを誇っている。
「であれば、こうも多くの種類の衣服を用意する必要はないのでは? 実用的なものが一着か二着あれば、他は必要ないでしょう」
セイバーはそう言いながら、微妙な表情で先ほどまで着せられていたヒラヒラとしたドレスを持ち上げた。白と黒を基調とした目が痛くなるようなデザイン──ゴスロリ調の服は、間違っても現代では普段着として使用するものではないと、セイバーに宿る聖杯の知識が告げている。
つまるところ、セイバーはアイリスフィールの行動に無駄があると指摘しているのだ。
「そうね、確かにあなたの言うとおりよセイバー。でも良いじゃない、似合っているのだし、あなたってとっても可愛いもの。着飾らないと損でしょう?」
「いえ、ですから着飾る必要はないと……こんなことをして時間を浪費するよりも、戦いに向けた準備をですね」
将として、セイバーは
故に、セイバーからすれば時間を無駄にしている現状は何ともじれったいことこの上ない。彼女はブリテンを救うため、何としても聖杯を勝ち取らなければならないのだから。
「……分かっているわ。遊んでいないで、ちゃんと戦いの用意をしろと言いたいのでしょう?」
「はい、分かっているなら」
「でも、良いじゃない。少しくらい遊んでいたってあなたは最強のセイバー、アーサー王なのよ? あなたが召喚された以上、アインツベルンの勝利は確定したも同然だわ」
「何を言いますかアイリスフィール。確かに私は、凡百の英霊より優れている自信も自覚もあります。しかし、最強と断じることはできません。私より強い英霊が召喚されていないとも限らない。敵を侮れば、足をすくわれる。勝利は遠のくばかりです」
セイバーは理路整然と諭すようにマスターに告げた。彼女は常に正しく、成すべきことを成せる人間である。
「……そう、そうね。あなたが正しいわ、セイバー」
「なら」
ならば、早く本拠地に移動し守りを固め、敵サーヴァントの情報収集に努めよう。
そうセイバーが進言しようとしたとき、彼女は己のマスターが悲しげな表情を浮かべ、目を伏せていることに気がついた。
「……アイリスフィール?」
「ごめんなさいね。私、舞い上がっちゃって」
気を使うようなセイバーの声に、アイリスフィールは笑顔を浮かべるよう努めて言った。
「私ね、お城の外に出たことがないのよ。
「それは……」
アイリスフィールは美しき大人の女性の姿をしているが、その年齢は見た目の通りではない。
造られた人工の生命──ホムンクルスは短命である代わりに、人間よりも成長が早い。そして一定の年齢まで成長したあとは、老いることなく完成された最盛期の年齢のまま死んでいく。
肉体の年齢で言えば彼女は二十代前半、十分大人と言えるだろう。しかし実際に生きた年齢は十年にも満たず、普通の人間であればまだまだ子どもでしかなかった。
「それに、言っていなかったけれど私は……この聖杯戦争で役目を終えれば死ぬわ」
「なっ……それは、なぜですか!」
「……私はそういう風に設計されたホムンクルスなのよ。この聖杯戦争で全力を注ぎ、戦争が終わればその命を燃やし尽くす運命にあるの。黙っていてごめんなさいね、セイバー」
「……」
悲しげに微笑むアイリスフィールを前に、セイバーは何も言えず黙り込んだ。
セイバーとアイリスフィールの関係が構築されて、まだほんの数日しか経っていない。しかしセイバーはすでに、彼女に親しみを抱いていた。
少女としての姿に驚きこそすれ、否定することなく受け入れてくれた大らかさに。全面的に自分を信頼し、共に聖杯戦争を勝ち抜くと言ってくれたその姿勢に。ホムンクルスとして世を知らぬが故の無垢な優しさに、セイバーは確かに好感を抱いたのだ。
そんなアイリスフィールは、理由は分からぬがこの戦いが終われば死んでしまう命だと言う。つまるところ彼女が城の世界を楽しむチャンスは、これが最初で最後なのだ。
「行きましょうセイバー。呼べば手配した使用人がすぐに来てくれるはず。ここから冬木大橋を越えてアインツベルンの別荘に行くまで少しだけ時間があるから、その間にでも作戦を決めましょう。……ああ、服は紳士服が良いかしら? スカートよりも、そっちの方がきっと動きやすいわよね」
無理やり貼り付けたような笑顔で、アイリスフィールは広げられた多種多様な衣装をまとめて片付けていく。セイバーにはそれが、彼女が抱いていた夢が小さくしぼんでいくことを表しているように見えた。
「いえ、待ってくださいアイリスフィール。私は早計でした」
「……セイバー?」
常道を考えれば、勝利のための必要な条件を考えれば、これは必要な行為ではない。無駄──切り捨てて良い出来事かもしれない。
だがセイバーは、少女の夢を切り捨てるほど狭量ではなかった。
「確かにあなたの言うとおり、私はサーヴァントとして上位の実力を持つ。多少遊んだところで、その優位は覆らないでしょう」
故にセイバーは、手のひらをくるりとひっくり返す。
「それに、考えてみればこれは勝利のために必要な
こじつけるようなセリフだったが、セイバーは自分で言っていて案外その通りなのではないかと思い始めた。
城に向かって防備を固めたところで、サーヴァント相手にそれが有効かどうかは疑問である。なにせセイバーであれば聖剣の一振りで現代の魔術師が構築するあらゆる守りを突破できるのだから。
それに情報収集だって、今すべきこととは言い難い。聖杯戦争は秘匿すべき儀式なのだから、いつだって夜中の人目につかない時間帯に進むのだ。そうであるのだから、敵の情報を得たいのなら情報収集は昼ではなく夜にすべきなのである。
つまるところやはり、勝利のために彼女が今もっともすべきことは。
「次の衣装を持て、マスター。私は一国の王として君臨した者、どのような衣装であれ着こなしてみましょう」
目の前の彼女と、ささやかな日常を過ごすことに違いなかった。
「……ええ、その通りねセイバー」
そしてそんなセイバーの言葉に、
それから二人はお昼時になるまでの間、ひたすらに衣装合わせを繰り返したのである。
「……しまった、思わず買いすぎちゃったわ」
セイバー用の衣服が入った紙袋が、二人の腕にまるで枝葉の如くぶら下がっている。お金なんて使ったことがないアイリスフィールは取捨選択するなんてことはせず、あろうことか気に入ったものを全てお買い上げ。
そして店員さんの嬉し涙に見送られながら、二人は百貨店の服飾コーナーをあとにしたのである。
「とっても、重いわ……。衣服って嵩張ると結構な重さになるのね……」
「すみませんアイリスフィール。重さだけで言えば、あなたが持っている分も私が抱えて見せましょう。……ですが、いかんせん私の腕は二つしかなく」
そしてアイリスフィールよりも背丈が小さいセイバーの腕は、アイリスフィール以下の数の紙袋しかぶら下げることができないのだ。
「……使用人を呼んで、一度お城に持って帰ってもらいましょうか」
「それが良いかと」
◇
「しかし、現代というのはとても豊かなのですね」
お昼時、買った衣服を呼び出した使用人に預けた二人はアイリスフィールの勧めで百貨店内のレストランに訪れていた。
現代の見慣れぬ食事が記載されたメニューに目を白黒とさせながらも何とか注文を終えたセイバーは、買ったばかりの白のトップスに青いスカートという、なんとも清楚な少女服に身をつつみながらしみじみと呟いた。
「そうね。過去を生きた人たちから見れば、現代というのはとても豊かに見えるでしょう」
「はい、選ぶことができるほど多くの衣服の並んだ店というのは、私が生きた時代には存在しませんでした。たとえ世界の中心たるローマであっても、このような景色は見られないでしょう。それも庶民の手に入るほどの安価さで流通されているとは……十分に着る服もなく、寒さで凍えて死んだ者がいた私の時代では考えられないことです」
過去において、服というのはおいそれと手にはいるものではなかった。とりわけ庶民であれば新品の服など到底手に入るものではない。
誰かが使っていたものを何度も使い回すなんて当たり前で、着る服はボロボロなのが基本。ましてやそう何度も洗うことなんてできないので不衛生でもある。
衣食住が満足に庶民に提供される現代社会は、まさしく産業革命がもたらした恵みと言えよう。
「……セイバーの言うとおり、現代はとても豊かだわ。けれど、人類すべてがこの景色を共有しているわけではないのも事実なの。ここは日本、世界でも最も繁栄した七つの先進国の一つ。少し外の国を見てみれば、今でも飢えや寒さに苦しむ人が大勢いるわ。あるいは、この豊かさを維持するために搾取される人々もね」
「……そう、なのですか? やはり、このような理想郷を維持するには、何かしらの代償が必要なのですね」
庶民の手が届くほど安価な品物が溢れる背景には、それ相応の理由がある。つまるところそれにかかる費用が少ないからこそ、価格も低いのだ。
安い人件費、安い原材料。それは安価な品物を生み出し人々を潤す一方で、そのしわ寄せを受ける者たちが必ず存在する。
「それを考えれば、私が生きていた時代とあまり変わりはないのかもしれません」
周りばかりが搾取され、中央ばかりが富むという構造は……奇しくも数多の属州の上に成り立ったローマの繁栄によく似ていた。
「……そんな顔をしないで、セイバー。確かに社会の仕組み自体は変化していないかもしれない。けれどその社会を変えようと、理想を目指して進む人たちの意思も変わっていないわ」
だが総体で見れば、人類が過去から進歩しているのも事実である。発展した科学は病魔を駆逐し、人の生活を豊かにし、社会全体の幸福の総量を増やしている。それは過去数千年緩やかに伸び続けた人類の総人口の爆発的な増加が証明していた。
それは地球の資源を食い潰すことによる、長い人類史から見れば星の瞬きのような一種の繁栄に過ぎないかもしれないが、それでも人は理想を目指して進み続けているのだ。
「……理想、ですか」
一方でセイバーはその言葉を聞き、表情を険しくした。理想を掲げたその先で、彼女は地獄を見たのだ。同じく理想を目指す現代の人々が、己と同じく地獄を見ないとも限らない。
(それを否定するために、私は──)
などと鬱々とした気持ちに沈むセイバーであったが。
「もっきゅもっきゅ」
「そんなに勢い良く食べなくても、食事は逃げないのよ?」
その気持ちも、現代の食の豊かさを前に消し飛んでしまった。
「一瞬で平らげてしまうなんて、見た目に依らず大食漢なのね。いえ、女性であるあなたにその言葉は不適かもしれないけれど……」
「んくっ……いえ、いつの時代も兵糧とは貴重なものです。食せるときに食さなければ、勝てる戦も勝てません」
別に食い意地を張っているわけではないのだと、セイバーは主張している。だがアイリスフィールとしては目の前の少女騎士が迷いなくお代わりを所望しているあたり、それは全くもって信用に足らない言葉であると感じた。
というかサーヴァントである以上は、兵糧もなにもないはずなのだが。
「セイバーの生きていた時代の食事について、聞いても良いかしら」
不意にそんな疑問が湧いたので、目の前で美味しそうに食事を頬張っている腹ペコ王に問いかけてみる。
すると彼女は手を止めて、まるで仇を憎むかのような表情を浮かべていった。
「……雑、でした」
「雑」
「はい」
「美味しいでも、不味いでもなく?」
「……美味と言えるものはもちろんありましたが、普段の食事はこう……とりあえず空腹を満たせれば良い、という具合でしたので」
その答えを聞いて、“やっぱりイギリスって飯マズの国なのかしら”と納得したようにアイリスフィールは頷き自分の食事へと手を付けた。
だが、それは誤解である。一説によればイギリスの料理が不味いというのは、近代以降の話であるらしい。
産業革命によって工場が立ち並ぶ中、しかし衛生という概念がないため廃棄物は川に垂れ流し。そんな川の水を口にしようものなら、たちまち腹を壊して命を落とす。
そんな中生まれた対策法が英国の紅茶文化と、何でもかんでも過剰なくらいに煮込んだり火を通すという調理法である。つまるところ彼らが飯マズになったのは、近代になってかつての食文化が消失して以降の話なのだ。
少なくとも中世のブリテンでは様々なハーブなどの香辛料を使用した豊かな食文化があったと記録されている。
では、中世以前、アーサー王の生きた時代の食文化は豊かだったのかと言われれば。
その答えはそう──五世紀のブリテンは暗黒時代なので分かりません、というものだ。目の前の生き証人が“雑”と称する以上はお察しだが、鍋の中身も食の歴史も闇の中というわけである。
流石、自国の飯が不味いから七つの海を越えて世界を支配したと呼ばれるだけはあるのだろう。
◇
空腹を満たした二人は、ようやくアインツベルンの別荘へと移り、そしてそこで当面の方針や作戦を決めて、日が暮れた頃に街へと繰り出した。
夜の冬木の街は、昼とはまた違った様相を見せている。
どこかの
美しき乙女二人が夜道を歩く。端から見れば不用心にも見えるかもしれないが、そのうちの一人は戦乱の時代を生き抜いた武人であった。
そんな彼女、セイバーが何かに気づいたように顔を上げて己を見下ろす摩天楼を睨みつけた。
「アイリスフィール、サーヴァントの気配を感じます。隠すどころか、むしろ誘っているようにも感じますが……どうしますか?」
「アインツベルンの魔術師として、招待状は丁重に受けるとしましょう。あなたの力を私に見せてくれるかしら、セイバー」
「当然です、あなたの期待に応えて見せましょう」
かくしてアイリスフィールとセイバーの二人は市街地を離れた
◇
「六騎、サーヴァントが集っているな。場所は港。クラスは……キャスターを除く、全員? はぁ、この聖杯戦争は何とも豪勢なものになりそうだな」
「ふむ」
「港に向かい、六騎のサーヴァントの真名を一度に把握するべきか。それとも孤立したキャスターのもとへ向かうべきか」
「………………港の方には、抑止力の言葉を信じるならば
「私は
「与えられた
「──『