星のカービィin呪術廻戦   作:春風春嵐

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「5.星の盟友」のとあるシーンを想像して描いてみました。

【挿絵表示】



6.きみも

 

 

倒れている天内から出てきた小さな星のような光。それはふわりと宙に浮かび、カービィの身体に触れて吸収されるかのように入っていった。

天内と「またね」をしたカービィは、天内を傷付けた甚爾をじっと見据えていた。

 

フレンズハートでもすぐに復活はできなかった。そこに転がる天内の死体が、再び生命活動を始めて起きるなんてことはなかった。

 

こちらの世界(呪術廻戦)あちらの世界(星のカービィ)の世界法則が拮抗し合っているからだ。

 

甚爾は夏油の呪霊による猛攻を躱しに躱している。全然余裕、ぬるいくらいな表情。

 

甚爾は己の天与呪縛・フィジカルギフテッドの情報を開示をする。

 

甚爾は呪力が完全にゼロである代わりに超常的な身体能力と五感を持っている。未登録の呪力に対してアラートを発する高専の結界が反応しなかったのもその影響だ。

 

カービィは天内の瞼を閉じさせ仰向けにさせると、二人が争っている方へ向かって走り出した。

 

夏油の手持ちの中で最高硬度を誇る虹龍が甚爾に向かって口を開き突進するが、釈魂刀によって容易く切り刻まれてしまう。

 

その次に、仮想怨霊・口裂け女が簡易領域によって甚爾を捕捉するも___これもまた失敗。甚爾の髪を切り、その左耳に刃をかけたハサミ、それの他にも甚爾を囲うようにして浮遊するハサミたちは彼の所有する特級呪具「天逆鉾」によってバラバラに砕かれる。それと同時に簡易領域も崩壊した。

 

そこで夏油は甚爾の間合いに入り込んだ。

 

手を翳して呪霊操術により甚爾の身体に巻き付いている低級で格納能力を有する呪霊を奪おうとした。

 

しかし___

 

 

バチィッ!!

 

反発し夏油の伸ばした腕は弾かれた。

夏油はその一瞬思考が停止した。

 

甚爾の恐ろしいところはその常軌を逸した身体能力だけではない。彼が格納型呪霊から取り出す呪具は非常に厄介だ。

どんな術式が刻まれているかわかったものじゃない。特級呪具も入れられている。

 

だが彼はフィジカルギフテッド。呪力が完全にゼロということは呪具さえなければ夏油の呪霊を祓うことが出来なくなるのだ。

 

___ならばその武器庫を抑えるのみ。

 

甚爾の間合いに入り格納型呪霊を取り込めると確信した夏油は同時に油断をしてしまったのだ。

 

夏油は、甚爾の格納型呪霊から取り出した刀によって口裂け女と共に斬られ、蹴り飛ばされる。意識を刈り取られ、力無く地面に倒れ伏した。

 

「術師なら死なねぇ程度に___」

 

「はぁっ!!」

 

勇ましい掛け声と共に迫る岩の拳を甚爾は刀で受け止めた。強い力を受け止めた刃がカタカタと揺れ動く。力がぶつかり合っている。

 

「ちいせぇもんでスルーしてたが…なかなか、厄介だな」

「ぽよ!!」

 

 

コピー能力「ストーン」

様々な石で構成されたツノ付きの帽子を被り、多種多様なデザインの石ころに変身できるコピー能力。8トンのおもり、筋肉モリモリのマッチョさん、時には仲間たちの彫刻などにも変身できる。もちろん、一部分を石に変化させることも可能。変身中は無敵であるが、基本的に移動ができないところが少々ネック。

 

カービィはこちらへ向かう最中戦闘の影響で崩壊した建物の瓦礫を吸い込みストーンをコピーをしたのだ。

 

双方、後ろに飛び退く。

 

カービィは倒れている夏油を庇うように背にして甚爾と睨み合う。

 

「最近になって登録された特殊呪骸…妙だな、呪力が感じられねぇ」

 

甚爾の目に映るのはこの世には存在しないはずの異物。この世の理で証明することのできない前例のない異質な存在。

 

しかし、そいつが一体なんなのか、そんなのはどうでも良かった。立ち塞がるのであるのなら殺すまで。何もかも捨て去った甚爾には今更失うものなどない。ただ降りかかる火の粉を振り払うのだ。

 

「まぁ、どうでもいいか」

 

格納型呪霊が吐き出した釈魂刀を取り出し、甚爾が地面を蹴った瞬間___その姿が消えた。

 

気付けばカービィの真横。

振り抜かれる釈魂刀。空気ごと断ち裂く横薙ぎ。だが。

 

「ふっ!」

 

カービィの身体がふわりと歪むように浮き、刃はわずかに空を切った。避けられた。

 

「……チッ」

 

確かに、何かを掠めた感触があった。

浅い。手応えが軽すぎる。確実に斬っているはずなのに、芯を捉えきれていない。

 

次の瞬間にはカービィは甚爾の頭上へと移動し、大きな石に変身し強力な重圧を押し付ける技___「ヘビーおしつぶし」を発動させる。

 

咄嗟に横へ飛ぶ甚爾。狙いを外したカービィは地面を陥没させ衝撃を波紋のように広げた。

 

星の模様が描かれたブロックはその場でじっと静止している。

 

「(確実に斬る___!)」

 

岩と化し不動のカービィに今度こそその魂を斬ろうと釈魂刀を叩き込んだ。

 

 

 

妙な感覚がした。

確かに釈魂刀が外側の石に引っかかるような感覚はした。だがその中身___カービィの生身に触れることはなかった。

 

まるで中は空っぽで何もないかのようにするりと通り抜けたのだ。

 

「な___」

 

確かにその魂を斬ったはずだった。

 

岩が弾けるように解除されそのピンク色をあらわにする。その体躯に一片の外傷なし。

 

だがほんの少しだがダメージはあるようだ。

 

ガード状態で喰らう中ボスの攻撃くらいのダメージだ。

 

釈魂刀による攻撃はマホロアのブラックホールのような、無敵貫通なのだ。リーフで隠れていても強制的に吸われてしまうような攻撃。

 

だがカービィにとっては、ぺちっと叩かれた程度に過ぎない。折れない。

 

スライディングをして姿勢を低く!まるでファイターのライジンブレイクの如く身体を捻り上昇し、石化した拳を甚爾の顎にぶち込んだ!

 

甚爾は驚異的な反応速度で首を引き完全直撃を免れるも___鈍い衝撃が走る。身体がわずかに浮くがすぐさま着地。

甚爾は釈魂刀を振り硬直するカービィにダメージを与える。

だが、肉が裂けて斬れるのではなく、バットで叩かれたかのようにカービィの軽い身体はぶっ飛んだ。

 

「あー…いってぇな…」

 

甚爾は頭がぐらぐらする感覚を堪える。このピンク玉の攻撃は威力が高い代わりに鈍い。技を放った後に硬直が見られる。

 

ぶっ飛ばされた先、勢いよくぶつかった衝撃で大きい音と煙を立てて建物が崩れていく。

咄嗟に石ころへんしんしたので、衝突によるダメージはない。

 

 

煙の中で、星の形に光るものが見えた。

 

その光は、探検帽についたライトの光であった。

 

バンバンバン!!

 

耳を劈くような音と共に連続して黄色に輝く星型弾が放たれる。甚爾は飛び退いて避ける。

 

ストーンだと苦戦するなと考えたカービィは何か良いコピー元はないかと探していたのだ。天内を殺め、夏油に向かって銃弾を放った銃がカービィのぶっ飛ばされた先にあったのだ。

 

 

コピー能力「レンジャー」

星型ライトをつけた探検帽を身に付け、ラッパ銃を操るコピー能力。射程距離が長く弾速も早い。カービィのコピー能力の中で数少ない遠距離攻撃を得意とするコピーだ。

 

「俺の捨てた銃を食ったな。食ったもんから能力を得る術式___いや、お前のは術式じゃねぇか」

「ふぅっ!!はっ!!ぽよぉっ!!」

 

休む暇もなく立て続けに星型弾を放ち続ける。

甚爾は次々に迫り来る星型弾の群れの潜り抜け、カービィの元へと駆けていく。

命中しそうな弾は呪具でもなんでもない普通の刀で切り捨てられ、どんどんと甚爾とカービィの距離は縮まっていく。

 

「それを選んだのは失敗だったかもな」

 

遂にはカービィの眼前まで迫る。

 

しかし、カービィには狙いがあった。

 

 

甚爾は不敵な笑みを浮かべ釈魂刀を上から下へ振り下ろした瞬間、カービィはくるりと回って回避を行った。

そう、ちょうど、ジャスト。ジャストな回避だ。

 

最近になってできるようになった技だが、タイミングよく回避ができると、なんだか俗に言うゾーンというやつに入り、カービィはその間周りが遅く見えるのだ。そして身体は速く動くようになる。

 

___甚爾の身体に連続する星型弾を叩き込む!!

 

「ッ……!」

 

至近距離から放たれた弾、もはや回避の余地はない。

一発、二発、三発___

星型弾は甚爾の肉体に突き刺さり、魂を揺るがす衝撃を与えた。

肉体的な負傷はないが___確実にダメージが蓄積された感覚がある。腕が痺れ身体が重く感じる。

 

「(誘われたな)」

 

内心舌打ちをして、甚爾は作戦を変更することにした。

 

 

「…!ぽよ!!りこっ!」

 

 

甚爾はカービィを無視し一直線に天内の死体がある方向へと向かう。

このまま戦闘を続けていたらこちらに決定打無く押されて負けるだろう。なら、わざわざ戦う必要はない。

 

甚爾は格納型呪霊に格納させていた、大量の蝿頭___四級にも満たない雑魚呪霊を出し、目眩し、足止めを行う。

無論こいつらはピンク玉に即祓われるだろうが、それでも星漿体を連れ去って逃げるくらいの時間は稼げる。

 

 

甚爾はカービィを一瞥し、天内の死体を連れて逃げた。

 

 

 

 

「ぱやっ」

 

 

カービィはレンジャーのコピーを解除して、がんばりすいこみによって全ての蝿頭を吸い込んで巨大星型弾を甚爾の逃げる背に向けて放った。

しかし、巨大な星型弾は速度が出ない。甚爾にヒットすることなく壁に大きな穴を開けるだけになった。

 

 

 

 

 

##########

 

 

 

 

甚爾は天内の遺体を依頼主___盤星教の代表役員・園田茂に渡し、依頼を完了することができた。仲介役の孔時雨とも別れた後、甚爾によって殺害されたかのように思われた五条が反転術式を会得し復活したことにより立ち塞がった。

 

覚醒した五条が甚爾を圧倒し___『虚式「茈」』によってその身体は左腕から脇腹にかけてを失った。

 

彼の敗因___それは、覚醒した無下限呪術の使い手を、自身を否定した呪術界の頂点であろうその男を捩じ伏せたいと逃げずに勝負に乗ってしまったことだ。

違和感を無視し続けて、そのまま突き進んでしまったのだ。

 

橙色の空が、太陽が、もうすぐ生命を失う彼を後ろから照らしていた。

 

風が吹いている。

 

草木が揺れている。

 

脳裏にもう居ない彼女がふとちらついた。

 

 

「最期に言い残すことはあるか?」

 

五条は甚爾の目の前に降り立った。

言い残すことはない、そう言ったが___ふと、一人の子供の顔が淡く思い出された。

 

「二、三年もしたら俺のガキが禪院家に売られる___好きにしろ」

 

 

そうして、命の灯火が消え___

 

 

 

「ぽいっ!」

 

 

夕焼けを裂くように、ピンク色の光が弧を描いた。




戦闘シーン…すっごく難しい
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