青春を、取り戻しに   作:打率3割

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WBC、始まりましたね……


砂地にあるラーメンを食べたことはあるかい?

 

ツーリング

 

バイクや自転車等を移動手段として用いて景勝地や観光地を訪れること。あるいは、乗ること自体を楽しむためにいくつかの景勝地や観光地などを訪れることであり、もしくは、オートバイに乗って走ること自体を楽しむために いくつかの景勝地や観光地などを形式的に目的地に設定して一応「旅」という形に仕立ててオートバイで走ること。

 

そんなことをやりたいと思って、準備している。

 

「目的地は……」

 

ない。それがピッタリだ。

 

元から家なんてないんだから適当にホテルでも取りながらバイクで旅でもしよう。

 

それじゃあ、適当に景色が良いとこにでも行こうか。

 

「……頼むぜ、相棒。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

景色がぱらぱら漫画のように移り変わる。

 

街から田舎へ、田舎から砂まみれの街へ………

 

ん?

 

「砂?」

 

なんと、アビドスに来ていた。

 

しまった、いつものめんどくさがりがここに来て仇になった。

 

え?何がまずいって?

 

じゃあ、俺のこれまでの経緯を話そう。

 

カイザーPMC、アビドスの廃校対策委員会に襲撃される

俺、感銘を受け辞職

あいつら

「コ⚪︎ス!コ⚪︎ス!絶対コ⚪︎ス!!!」

 

と言ったような感じだ。

 

しかも、アイツらが攻められた基地はアビドス砂漠にあるってこった。

 

もし、見つかろうものなら………とてもめんどくさいことになる。まぁ、アイツらが大隊で来ようが負ける気はないが。

 

とりあえず、このままツーリングを続けよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツーリングを続け、気づけば時刻は午後1時

 

この時間が何を意味するか……そう!

 

「お昼ご飯タ〜イム!」

 

至福のお昼ご飯タイムだ!

 

説明しよう!お昼ご飯タイムとは、お昼ご飯タイムである!

 

レイジはお昼にするためにご飯屋さんを探し回っていた。

 

だが………

 

 

 

「な゛い゛ッ゛!」

 

 

 

そう、ない。

 

仕方がない。だってアビドスだもの。飲食店らしきものを見つけても、もう廃墟になっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悲しみながらバイクを走らせていると、一台の屋台とテーブルが置かれた場所を見つけた。

 

屋台の看板には「柴関ラーメン」と書かれていた。

 

「ラーメン……」

 

「ラーメン!」

 

実はレイジ、高校時代からちゃんとしたラーメンを食べていないのだ!

 

カップラーメンは食べていたのだが、モノホンのラーメン、ちゃんとお椀に入って提供されるラーメンは食べていない。しかも、そのカップラーメンも激務のために味なんて気にせず速攻で流し込むか不良共や万魔殿のバカのせいで食べそびれる。つまり、今のレイジにとってのちゃんとしたラーメンは劇薬に等しい!

 

この時、レイジの脳内には「ラーメンを食べる」以外の選択肢は残されていなかった!それが空腹からなのか、はたまたちゃんとしたラーメンを食べられる喜びからなのかは神のみぞ知るというやつだろう……

 

 

 

 

 

 

 

 

レイジは屋台の近くにバイクを停めた。

 

周りのテーブルには制服を着た生徒4人とアルバイトの子だろうか?「柴関ラーメン」と書かれたTシャツに三角巾を頭につけた生徒が談笑していた。

 

「いや〜、わざわざおじさんのためにありがとうね〜」

 

「気にしないでください!」

 

「ん、先輩は私達を置いて行こうとしたから奢るべき。」

 

「ええ!?これおじさんのおかえり会じゃないの〜!?」

 

あの子達、どこかで見たことがあるようなないような……そんなことより、今はラーメンだ!

 

とりあえず、屋台の中にいる片目に傷を負っている柴犬の店主に声をかけた。

 

「すみませ〜ん!」

 

「お、カウンター席に座ってくれ!」

 

案内され、カウンター席に座る。

 

……座る前から思っていたが、匂いが良い。これだけでご飯100杯はいける*1

 

「……にしても、なんでうちでやるのよ。」

 

「だって美味しいし…」

 

「おかえり会やるのも早いうちのほうが良いし、ココならセリカちゃんともおかえり会できるからさ……」

 

「……まぁ、時間的にちょうど終わるけどさ……」

 

遠くからさっきの生徒達の会話が聞こえてくるが、今の俺にはメニュー表しか頭にない。

 

「柴関ラーメン…味噌ラーメン…塩ラーメン…」

 

いかんせん、どれも美味しそうなのだ。

 

どれか頼んでも、絶対美味しい。

 

「う〜ん……」

 

「兄ちゃん、迷ってるのかい?」

 

「あ、はい。」

 

「なら、柴関ラーメンが1番おすすめだよ!」

 

「じゃあ…それで!」

 

あいよ!と良い返事で大将はラーメンを作り始めた。

 

……決まった。

 

現状で最も良い最善手をすることができた。店主がお勧めするメニューだぞ?間違いないに決まってる。

 

そうふけっていると、ラーメンをつくっている大将に話しかけられた。

 

「…にしても兄ちゃん、この辺じゃ見ない顔だな。旅行か?」

 

「いえ、旅をしようと。」

 

「ほぇ〜旅ねぇ……それまたなんでだい?」

 

「実は俺、元々カイザーPMCで働いていて……」

 

「「「「「ブフォ!!」」」」」

 

「!」

 

俺が大将と話していると後ろで会話をしていた女子高生達が一斉に水を吹き出した。

 

「な、何だ!?」

 

「か、カイザーPMC!?」

 

「まさかまたホシノ先輩を狙いに来たんじゃ無いんでしょうね!?」

 

後ろの女子高生達が一斉に俺に銃を向ける。

 

だが、俺はこんなことで取り乱したりはしない。

 

「待て待て、俺は"元"カイザーPMCって言ったんだぞ。」

 

「あ…」

 

「確かに……」

 

「それに、俺は元々アイツら嫌いだったしな。」

 

「…ごめんなさい。」

 

女子高生達は銃を下ろした。

 

「…ま、仕方がないさ。君たちは大事な先輩をあのゴミ共に誘拐された挙句、監禁されていたんだからな……」

 

こればっかりは恨まれてもしょうがない。俺だったら多分、何の迷いもなく撃ち殺していただろう。

 

「本当にすみませんでした。」

 

「いや、いいんだ。悪いのは全部あのバカイザー何だから。」

 

「ば、バカイザー……」

 

「やっぱあそこは腐っても腐りきってる場所なのね……」

 

そこからラーメンが来るまで少し会話に花を咲かせていた。

 

どうやら、一番背の低い子が誘拐された小鳥遊ホシノで、狼の耳がついた子が砂狼シロコ、ブロンドとグレーが混ざり合ったような髪色をした発育が良い子が十六夜ノノミ、眼鏡をかけた真面目そうな子が奥空アヤネ、柴関ラーメンのTシャツを着ている猫耳の子が黒見セリカというらしい。

 

それと、先生について聞いてみた。

 

「…そういえば、君達と一緒にいた先生はどこに?」

 

「先生ならお仕事ですよ〜⭐︎」

 

「なんか〜、「今すぐシャーレに戻らないとリンちゃんに血祭りにあげられるー!」とか言ってたよ〜」

 

「……大変なんだな。」

 

…どうやら、先生は社畜だったらしい。お労しや…

 

「はい!柴関ラーメンお待ち!」

 

あの子達と話していると、大将の声が響いて俺の前にラーメンが置かれる。

 

「おお……」

 

透き通るような醤油味のスープ、まっすぐに伸びたメンマ、丁度いい具合に切られたチャーシュー、みずみずしいネギ、全てが完璧に盛り付けられ、そこから香る匂いが鼻腔を刺激する。

 

「いただきます。」

 

一口、食べる。

 

美味い。

 

二口、三口、四口………止まらない。

 

あっさりとした醤油味のスープがもちもちの麺に絡みつき、口の中で何度も聞きたくなるような二重奏を奏でている。

 

そのまま止まらず完食してしまった。

 

「美味かったな…」

 

思わず口からそんな言葉がこぼれた。

 

「へへっそうかい。そんな言葉を聞けるなんて、職人冥利に尽きるぜ…」

 

聞き取った柴大将が感慨深そうに言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

席を立ち会計を済ませようとした時、俺の頭の中に電流が流れた。

 

これならまた「かっこつけ」ができるのでは……?

 

「大将………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うへー美味しかった〜♪」

 

「ん、ここはやっぱり美味しい。」

 

「ですね〜」

 

私達はあのお兄さんが帰った後も話したりラーメンを食べたりしていた。

 

あのお兄さんが元カイザーPMCだと言っていたから思わず銃を向けてしまったけど、あの人は許してくれた。本当に良い人だと思う。

 

だけど、もしあそこで発砲していたら……もしかしたら私達は負けていたのかもしれない。

 

お兄さんの座ってた椅子に立てかけてあったあの機関銃……あれは少し違うところもあったがヒナちゃんのものと同じだった。

 

しかも、銃を向けていても隙は全く無く、発砲されてもすぐに撃たれるだろう。

 

私は盾があるからまだ良いが、シロコちゃん達は蜂の巣にされてしまうだろう。

 

「先輩、そろそろ帰るわよ。」

 

私がそんなことを思っているとセリカちゃんから帰ると言われた。

 

少しからかっちゃおう。

 

「うへ〜、おじさん眠いからセリカママにおんぶしてほしいなぁ〜」

 

「それぐらい何とかしなさいよ!」

 

本当に反応が良くて面白い。

 

「大将、お会計お願いしま〜す」

 

「あ、お会計ならもう済んでるよ。」

 

「え?」

 

ノノミちゃんがお会計をしようとすると、気の抜けた声を出した。

 

「さっきいたあの兄ちゃんが「アイツらの元にいながら君たちを助けることができなかったことのお詫びだ」って言って小切手で払ってくれたよ。いやー、小切手なんて初めて見たよ。」

 

どうやら、あのお兄さんが払ってくれたらしい。

 

「ん、あの人すごい。」

 

「小切手で払うなんて……」

 

シロコちゃんとアヤネちゃんも驚いているらしい。

 

あのお兄さんに会ったらお礼しなくちゃな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ふ」

 

決まった。

 

最高の「かっこつけ」だったろう?そうだろう?

 

あの子達に黙って会計を済ませる……何ともスマートでかっこいいんだ…

 

これで俺も、先生に近づけたかな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くしゅん!…誰か噂でもしてるのかな?」

 

「口を開いてないで手を動かしてください。」

 

「はい。すいませんでした。」

*1
ぜったいむり




実は僕、学生なので不定期投稿になります…

バッドエンドルートを書くかどうか(曇らせ)

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