「よいしょっと」
駐車場に相棒を置く。そして、目的地まで歩く。
周りを見るとこの学園だけ時代の先を行っているように感じる。
……またやりたいことが増えた。それらもゆっくり一つ一つやっていこう。何せ、金も時間もたくさんあるのだから。
目的地であるキラキラした外観の建物の前に着いた。
辺りの建物に比べるとその建物だけ異様に広く、看板も煌びやかだった。
……結局、あのゲームをやってからエムデンリングやブラッドポーンなどの難しくて面白いと有名なゲームをやってみた。面白すぎてずーーーーっとやってしまい、最初に行こうと思っていたゲームセンターに行くのに大分時間がかかった。
ここに来た目的は「アーケードゲーム」なるものを遊ぶためだ。
ストリートスチューデントや鋼拳などの格闘ゲームや、モモテス、パックンチョマンなどの有名なゲームをプレイしてみたい。
早速、ストリートスチューデントの台に座る。
初めて見るボタンやスティックの位置に少し戸惑うが、近くに初心者用のコマンド表が書いてあるのでそれを見ながらやる。
30分後
カタカタカタカタカタカタ……
『小テスト拳!小テスト拳!』
技を放つのに慣れてきた。
『レポート旋風脚!』
基本的な攻撃方法はマスターしたし、ガードもできるようになっていった。
俺が練習を続けていると髪が床につくほど長い髪をした少女と、ピンクと緑の猫のような耳と尻尾をつけた双子の子と、赤く長い髪をしたおずおずとしてる子が来た。
「アリス、このゲームがしたいです!」
「ストリートスチューデントじゃん!やろやろ!」
髪の長い子は俺の隣に座ると早速やり始めていた。
使っているキャラは……小さい子には似合わない、なんか……めちゃくちゃゴツい漢って感じのやつだった。
あの双子の子も座っていく。
さあ、ここで問題が発生した。
ストリートスチューデントの台は俺が座っているのを含めると4台。だが、この場にいる人数は5人。
そう、席が足りないのだ。
ふっ……案ずるな。ここでこの子達にしっかりと「大人」を見せつけていくさ。
俺は台から立ち上がる。
そして、何気なく。ただ他のゲームもやりたいから立ちましたよ感を出して他の台に行く。相手に特別な気遣いなんてさせない。
……これが大人の流儀さ。
次はクレーンゲームをやることにした。
狙うはお菓子の台。
カントリーママのクレーンゲーム限定版のやつだった。
別に、クレーンゲーム限定に惹かれた訳では決してない。もう一度言おう、決してない。俺はそんなチョロくはない。何故この台にしたかは……えっと……ぱ、パッケージが可愛いからだからな!
先ほどのストリートスチューデントの台を見ると4人でワイワイ楽しそうにやっていた。
どうやら、あの赤い髪の子と対戦している猫耳双子の赤い方とやっているようだが……
「ちょっとユズ!本気出さないでよ!」
「……」
「ユズすごいです!これがハメ技なのですね!」
「あ、お姉ちゃんが一回も攻撃できずに終わった。」
「うわぁぁぁぁ!!」
……一方的にボコされてしまったらしい。あの赤髪のおとなしそうな子は集中していたのか無言でボタンをカチャカチャしていた。手が速すぎて見えない。どうやったらあんな動きができるのだろうか。
それはさておき、俺はこの台に向き合う。
世の中には「確率機」という言葉がある。その名の通り、確率によって取れるかどうか決まる……具体的には、このアームの力が弱かったり強かったりする。
だが、そんなことに左右されているようじゃ甘ちゃんだ。
100円を入れる。ピコンッという音が俺を出迎えると同時に、カウントダウンが始まった。
俺はレバーを操作して景品を掴む。
無理に1回で取りに行こうとしない。何回かで取る前提で動かす。
景品は四角くなってるので、落とす用の穴から遠い方を持つ。
……成功だ。ちょっと近くなった。
これを繰り返す。
よし、もう良いだろう。
景品は穴から近くなった。今が勝負!
アームは景品の真ん中を掴む。そして、上に上げる。
よし!決まった!
目を閉じてガコッと音が鳴ったのを聞く。台を見ると……
最初の位置に戻っていた。
……あれ?丘people?
なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?
おかしい。なぜ元の位置に戻ってるんだ?
やぁ皆んな!俺はナレーションだぜ!
レイジは絶対入ったと思って目を瞑っていたから、俺が代わりにありのまま今起こったことを伝えるぜ!
景品が一番上に上がった後に景品が落ちて穴の周りのプラスチックの板にぶつかって最初の位置に戻ったんだ!
かわいそうなレイジ。だけど、レイジのクレーンゲームの腕前はへたくそだ!この世に完璧な人はいない、皆んな何かしらの欠陥は抱えてるもんだ!それじゃ、また会う日まで!
くそが。
だが、こんなとこで諦められない。
また一からやれば良いだけのことだ。絶対に取ってやる。
〜30分後〜
「ァ……イヤ……ァァ……」←ち⚪︎かわ
くそくそくそほんとくそ。二度とやらない。
なんだよ、10回くらい同じこと繰り返して結局元の位置に戻ってるじゃねぇか。
これもう店員がどっかから操作してんじゃないのか…?
俺はヤケになって他のゲームをやろうと別の台に行った。
「……」
俺は今、少し涙目になりながら道を歩いていた。
何故かって?それは……
あの後2時間くらい色々な台をやっても一つも景品が取れなかったからだ。
「……」
駐車場に着いたので、料金を払って相棒のエンジンをかける。
ブロロロロロ
あぁ、こいつは慰めてくれているのだろうか。
もしそうだとしたら俺は泣いてしまうだろう。
この時、哀愁漂う雰囲気のレイジとそれに同情するように、レイジのバイクはエンジンを吹かせていた。
バイクに意思は無いはずなのに。
今回は生徒視点無しで書いてみました。本当は生徒視点も書きたかったんですが……恥ずかしながら、どうやって書こうか悩み、結局書かないことにしてしまいました。できるだけ、生徒視点も書いていこうと思います。
バッドエンドルートを書くかどうか(曇らせ)
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やりましょう!
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いいや、やらなくて良い!