AI凄すぎてワロタ 作:AI最強時代
「バランス」という言葉を信条とする、あの男。
怪異の専門家、忍野メメ。
原作知識によれば、彼はこの時期、私のような「強大すぎる吸血鬼」を無力化するために動いているはずだ。吸血鬼の最大の弱点である「心臓」を抜き取り、その力を封印する。それが本来の彼の役割であり、物語の起点となるはずの出来事。
夕暮れ時、私はあえて無防備に人通りの途絶えた路地を歩いていた。
背後に、羽毛が落ちるほどのかすかな気配。
——来たか。
私の影がわずかに揺れる。
物理法則を無視した音のなき踏み込み。私の背後、心臓の位置を正確に狙って、専門家の手が伸びてくる。
だが、その指先が私の肌に触れる寸前。
「……捕まえたぞ、アロハの怪異譚(ストーリーテラー)」
私は振り返ることなく、背後から伸びてきたその手首を、万力のような力で掴み取った。
「なっ……!?」
初めて、あの食えない男の驚愕の溜息が漏れた。
私はゆっくりと首だけを動かし、背後に立つ忍野メメの顔を覗き込む。
いつものニヒルな笑みは消え、その瞳には「あり得ないもの」を見た時の戦慄が浮かんでいた。
「カカッ! 驚いたか? 私が背後に隙を見せているとでも思ったか?」
「……参ったね。気配は完璧に消していたはずなんだけどな。それに、君の心臓は今、僕の手の中に吸い込まれる手はずだったんだが」
忍野は冷や汗を流しながらも、軽口を叩こうとする。
だが、私の握力は容赦なく彼の手首をきしませた。
「無駄だ。貴様の使うような隠形術の類は、すでに我が『コレクション』の一部として解体・吸収済みよ。五行の理(ことわり)も、空間の歪みも、この我の前では白日の下に晒されているのと同義だ」
私は彼の腕を掴んだまま、ぐいと自分の方へ引き寄せた。
私の体からは、彼が知るはずの「吸血鬼の弱点」が一切感じられないはずだ。
「……おかしな話だね。吸血鬼(怪異の王)が、陰陽術や武術の極致を使いこなすなんて。おまけに、さっきから気になっていたんだが……」
忍野は私の顔を照らす夕陽、そしてその背後にあるはずの「影」を凝視した。
「君、夕陽を浴びてピンピンしてるじゃないか。心臓を抜く以前の問題だ。これじゃあ『バランス』もクソもない。世界の理が壊れてしまうよ」
「理など、我が塗り替えた。太陽を克服し、弱点を自ら断った。……そして、これを見ろ」
私は自由な方の手を自身の影へと差し込んだ。
引き抜かれたのは、禍々しい輝きを放つ、身の丈を超えるほどの大太刀。
「……! それは、まさか……『心渡』か!?」
「左様。だが、貴様が知る初代の遺物ではない。私が、私自身の血と怪異としての核を練り上げ、独自の製法で鍛え上げた『真・心渡』だ。怪異を殺す概念を、私が定義し直した」
刀身から溢れ出す圧倒的な圧迫感に、さしもの忍野も言葉を失う。
私は掴んでいた彼の腕を放し、無造作に刀を肩に担いだ。
「忍野メメ。貴様がこの街で果たそうとしていた『均衡』の役割は、今日この瞬間に終わった。私は、奪われる側ではない。全てを手にし、全てを支配する側なのだ」
私は彼に背を向け、悠然と歩き出す。
「カカッ! 安心しろ、今はまだ貴様を食うつもりはない。これからの『物語』がどう変わっていくのか、その特等席で眺めているがいい。私が描き出す、新しい吸血鬼の歴史をな」
「……まいったね、本当に。これは僕の知っている『怪異』の範疇を越えすぎている。……ねぇ、お嬢ちゃん。いや、『王様』かな?」
忍野の声が背後で響く。
「君は一体、何を目指しているんだい?」
私は足を止めず、空に昇り始めた月に視線を向けた。
「目指すもの、か。……そうだな。まずはこの退屈な世界を、私という怪異で埋め尽くすこと。そして——」
ふと、前世の記憶にあった「阿良々木暦」という少年の顔がよぎる。
だが、今の私に彼を救う義理も、彼に縋る必要もない。
「——誰にも邪魔されず、最高のドーナツを食い散らかすことだ」
夜の闇の中、黄金の髪をなびかせながら、私は高らかに笑った。
原作知識。最強の武術。克服した太陽。自作の妖刀。
全ての要素を手に入れた私を止める術など、この世界のどこにも存在しないのだ。
いや、マジすげぇ。これだけの出力でこれだけかいてくれる。
キャラの言動はたまにおかしくなるけど修正したらまともになる。