AI凄すぎてワロタ 作:AI最強時代
荒野を疾走する大型バイクのエンジン音が、結晶化しゆく世界の静寂を切り裂き続ける。
藤丸立香の視界の端では、大地が音を立てて透明な銀色の水晶へと変貌していた。触れれば即座に「異星の資質」へと書き換えられる死の境界線。
その極限の並走の中、隣を飛翔するモルガンが魔槍を構え、その冷徹な瞳をさらに鋭くした。
### 女王の進撃
「……不愉快ですね。この星の神秘も、魔術基盤も、すべてを等しく『捕食』し、塗り潰すというのですか。礼儀を知らぬ侵略者(ゲスト)ですこと」
モルガンが魔槍を振るう。
その一撃から放たれた漆黒の雷光が、ORTから伸びる結晶化の触手を粉砕した。
だが、壊された端から大地は再び結晶へと再生していく。物理法則そのものがORTの味方をしているのだ。
「夫よ、速度を落とさないように。この『蜘蛛』は、我々が立ち止まることすら許さない」
「わかってる、モルガン! 足止めは任せていい!?」
「ええ。――路(みち)を造りましょう。我が夫(つま)が、あのアリのような矮小な獣の眉間に辿り着くための路を!」
モルガンの背後に、無数の魔術回路が展開される。
それは本来、一人のサーヴァントが持ち得る規模ではない。異聞帯のブリテンを二千年にわたり支配し続けた「女王」としての広域殲滅魔術。
「――**『今は亡き理想郷(ロードレス・キャメロット)』**!!」
幾条もの光の柱が、ORTの周囲に降り注ぐ。
300キロ先のスノーフィールドから見れば、それは地平線に現れた「光の檻」だった。
### スノーフィールド:英雄王の戦慄
「……庭を焼くか。それも、この惑星(ホシ)の理ではない魔術で」
ギルガメッシュは、ビルの屋上で風に髪をなびかせながら、その光景を注視していた。
彼の「全知なるかな神の眼(シャ・ナクパ・イルム)」は、その魔術の正体を見抜いている。
それは、存在しないはずの歴史。編纂事象から切り捨てられた、強すぎる「 IF 」の力。
「あの娘……あのような『世界の重み』を、その細い肩で幾つ背負ってきたのだ?」
ギルガメッシュの隣に、音もなく緑の衣を纏った友、エルキドゥが降り立つ。
「ギル、あれを見て。あの子が走るたびに、人理の糸が紡がれている。彼女はただのマスターじゃない……。あれは、人類史そのものが、生存を賭けて放った『最後の一矢』だ」
「フン、言われずとも判っている。だが、あの蜘蛛は止まらぬぞ。アレは『死』の概念を持たぬ。あの魔女がどれほど火力を叩き込もうと、ただの足止めに過ぎん」
ギルガメッシュの言葉通り、光の檻の中で、銀色の蜘蛛がゆっくりとその巨大な脚を持ち上げた。
それだけで、モルガンの魔術障壁にヒビが入る。
### 次なる一手
「――くっ……!」
バイクのハンドルを握る立香の腕に、凄まじい衝撃が走る。
ORTが放つ重力波。
バイクのタイヤが悲鳴を上げ、スリップしそうになるのを、立香は必死に立て直した。
結晶化の範囲が、じりじりと彼女の方へ広がってくる。
「モルガンの一撃でも、これだけなの……!? だったら!」
立香は左手の令呪をさらに光らせる。
一個の聖杯に匹敵する、人理からのバックアップ。
彼女が繋いできた「縁」は、まだ一つではない。
「止まってられない……! 盾が必要だ。あいつの一撃を耐えきって、私をあのアリーナまで運んでくれる、最強の盾が!」
立香は並走するモルガンの向こう側、荒野の虚空を見据えた。
バイクの速度は180キロを超えている。
風圧で声が掻き消されそうになりながらも、彼女は新たな名前を叫んだ。
「――来て、ナポレオン!! その大砲で、絶望に穴を開けて!!」
### 虹の砲撃
「ハハッ! 呼んだか、マスター! 不可能という言葉を辞書から消しに来たぜ!!」
爆音と共に、立香のバイクの反対側に、巨大な大砲を担いだ巨漢が現れた。
虹色の魔力を纏った凱旋の英雄。
彼は召喚されるや否や、バイクの速度に合わせて走りながら、巨大な砲口をORTへと向けた。
「おいおい、あんなデカい獲物を撃たせてくれるのか? 最高の舞台じゃないか!」
「ナポレオン、結晶化を押し返して! モルガンが道を造ってくれる間に、あいつの懐まで潜り込む!」
「了解だ! 虹を架けるのは俺の仕事だからな!」
モルガンの漆黒の雷と、ナポレオンの虹色の砲火。
二つの強大な魔力が交差し、ORTが放つ銀色の波を一時的に押し戻す。
その中心で、藤丸立香は前だけを見ていた。
300キロあった距離は、いまや200キロを切っている。
スノーフィールドの全サーヴァントが見守る中、一人の少女と、彼女が率いる「人理の残火」たちが、星を喰らう神への反撃を開始した。
ナポレオン選ぶとは思わなかった。
キャラの武器の特徴も掴んでましたね。