天才的ミスをする芸人枠、落ち物パズルが義務教育の世界に放り込まれる   作:土下座-アタック!

6 / 7
 あらすじの内容が薄い……

~前回のあらすじ~

 学校では自己紹介とかいろいろして帰ってきたタコヤキ。こうさてんと1戦すると、なぜか未来のテンプレを使ってきた!?

 どーなってるのー!?


こうさてん……なんか……ヘン……

 タコヤキはこうさてんと昼食の席につく。タコヤキは背中に流れる冷たい感覚を誤魔化すようにお弁当を食べていた。

 

(……おかしい。やっぱりおかしいぞ。2014年にTD砲をあんなにスムーズに組める小学生がおるわけない。TD砲が使われだしたのはもっと後……テトリスの神が大会で倒されてからや。あいつ、もしや俺と同じで中身は現代のこうさてんさんなんか……?)

 

 静かな食卓で、タコヤキがこうさてんに問いかける。

 

「なぁこうさてん、TDテンプレなんていつ覚えたんだ?」

 

 こうさてんは卵焼きを頬張りながら、不思議そうに目をパチクリさせた。

 

「え? テンプレ? ……うーん、わかんない。なんか、こうすればいっぱい消せるかなーって思って。お兄ちゃん、さっきのの変だった?」

 

「変っていうか……その、時代の先を行き過ぎとるというか……。お前、他にも山岳積み*1とか知ってたりする?」

 

「さんがくづみ? なにそれ……お山を作るの? お兄ちゃん、やっぱり今日変だよ。難しい言葉ばっかり使って」

 

(……演技か? それとも、パズル至上主義の世界だと、現代のテンプレが子供の遊び感覚で自然発生しとるんか……?)

 

 タコヤキは確証を持てないまま、白飯を口にかき込む。食卓はまた静かになり、二人がご飯を口にかきこむ音だけが聞こえた。

 

 

 

 タコヤキはこうさてんと昼食のお弁当を食べた後、パズル&パズルでパズリーグを開き、その中のテトリスのリーグ戦をしようとしていた。

 

(初期レートを最大の2500にしてっと…連勝すればすぐ上がるよな…てか、ぷよテト2だと1000、1500、2000のうちから選べたけど、プレイヤー人口が増えて初期レートの最大もあがってるんやな…)

 

 タコヤキがテトリスのリーグ戦を開くと、すぐさまマッチングする。人が多いレートだからか…それとも人口が大きくなったからか。どちらにしてもタコヤキの目的は達成できそうであった。

 

 【READY... GO!】

 

(まずは様子見や。TD砲……は真似されるかもしんないし、ここはDT砲で挨拶したるわ!)

 

 タコヤキの指が躍るようにミノを置いていく。

(ほい、ここにL、ここにZ置いて……ラグ少ないな、やっぱパズコン意外と有能や!)

 

 DT砲でも中盤でテトリスではミノを上手く置いたり、火力を見つけたりする速さで差が現れ、タコヤキはすぐに勝つことが出来た。

 

「まぁ、まぁな?こんぐらいならさすがに勝てるか………こうさてんはともかく、やっぱり東がおかしかっただけやな」

 

「へー。お兄ちゃん、東さんと戦ったんだ」

 

「びっっ!!?」

 

 タコヤキが戦績を眺めていると、後ろからこうさてんが声をかけてきた。

 

(……危な! 今一瞬、配信してるときみたいに独り言言ってたわ。こうさてんについて言ってたら、正体隠してるこうさてんが何をしに来るのかわかったもんやないわ!)

 

「……そうそう。朝のパズリーグでちょっとお手合わせしたんよ。あいつ6ボールパズルの使い手でさ……こてんぱんにやられたんよね」

 

「あー、東さん有名だもんね。小学生パズリスト名鑑にも載ってるし。お兄ちゃんそんなすごい人と戦ってたんだ……でもお兄ちゃんなら勝てるんじゃない?」

 

「いやー、ちょっと難しいわ。あいつ、片手で眼鏡クイッてしながらヘキサゴン連発してくるけん、両手だと俺が爆発オチよ……でもな、お兄ちゃんも最後は芸術的な実家建てて、教室を沸かせてやったんやぞ」

 

「あはは、お兄ちゃんってば。負けちゃったのに楽しそうだね。朝も変だったし、さっき変なテンプレ組んでたから変だなーって思ってたけど、やっぱりお兄ちゃんだ」

 

 こうさてんはタコヤキの言葉を聞いて満足したようで、アニメを見にテレビのあるリビングに向かっていった。

 

(……あれ?もしかして怪しまれてた?「やっぱりお兄ちゃんだ」……って、今のセリフどっちの意味や!? 「やっぱり僕の知ってる小学生のお兄ちゃんだ」なのか、それとも「やっぱり中身は〇tuberの芸人テトラーのタコヤキさんだ」なのか、わからん……!」)

 

 その後タコヤキはこうさてんが来るのを警戒していたが、よほどアニメが面白いのか、こうさてんの笑い声がリビングから聞こえてくるだけだった。

 

 

 しばらくテトリスのレート戦を行ってタコヤキのレートが2800ほどで安定しだした頃、既に時刻は5時を過ぎていた。そうして、タコヤキは一つの結論を導いた。

 

「…だぁれもTD砲使わないな!やっぱこうさてんも俺と同じだろ!」

 

 タコヤキはレート戦で何人ものテトラー*2と戦ったが、誰も将来の定番テンプレとなるTD砲を使わない。上位勢が使ってくるのは開幕中空け*3ばかりである。

 

「よく気が付いたね」

 

「!?」

 

 タコヤキが後ろを振り返ると、こうさてんがいた。こうさてんは今日のどの時よりも深い笑みを浮かべていて、片手にはスーパーパズルコンピューター…学校で渡されたS〇witchもどきを持っている。こうさてんはタコヤキに顔を近づける。

 

「ここは僕の作った夢の世界。本当はタコヤキさん、死んでないよ」

 

「…は?どゆ…こと?」

 

 こうさてんは手を空高く上げ、指を鳴らす。すると、こうさてんの背後にモニターが空に浮かび上がった。モニターには自室で眠っているタコヤキが映っていた。

 

「僕が閉じ込めたんだよ、この世界に」

 

「こうさてん、お前…!?」

 

 タコヤキは信じられないといった風にこうさてんを見つめる。こうさてんは目を細め、手を横に振る。モニターが移り変わり、そこに今までに編集された配信が映っていた。その中の一つで、弟が編集をしているという話題を話しているタコヤキが映っていた。

 

「弟…」

 

「そう。弟が僕になっていて驚いたでしょ?僕がもらった幻の力でタコヤキさんを、ここに招待したかったんだ。あの大会でタコヤキさんは全力で戦って負けていた。僕は…心のどこかで、どうせ負けるって思ってしまったんだ。タコヤキさんのスナイプで注目してもらえただけの、ただの塵芥(ちりあくた)なんだって」

 

「…なんでそんなことを俺にいうねん。それをいうなら俺の方や。あのなかで一番レート低かったけんさ、そんな自分を卑下せんでも…」

 

「S〇GAの運営なんて…!どうせお兄ちゃんのこと何もわかってないんだから!!!」

 

 こうさてんはぷつりと何かの糸が切れたように怒った。こうさてんの目からぽとりと涙がこぼれはじめる。

 

「…え?まってやこうさてん」

 

「お兄ちゃんのこと世界で一番よくわかってるのは僕なの!!他の誰でもない、僕!…………お兄ちゃんがどれだけ頑張っているのかも、配信裏で僕をどうにかして倒そうとしているのも、全部知ってる…!タコヤキさんのリスナーよりも、メンバーの人の誰よりも!」

 

 こうさてんの口から言葉が溢れ出してくる。癇癪をおこした子供のように、タコヤキのことなど目に入っていないかのように、一人で言葉を吐き出していく。

 

(どうしちゃったんやこうさてん、ヤンデレ妹みたいなこと言い出して……。こうさてんはこんなこと言う人じゃない。もしかして………洗脳されている?)

 

 タコヤキは決心した様子でこうさてんに声をかける。

 

「………勝負や。こうさてん。なんか変になっとるみたいやけん………俺がテトリスで倒して、お前のことを正気にもどしたる」

 

「言うね……!僕に勝つのなんて、僕が置きミスしたときぐらいしかないくせに……!」

 

 こうさてんはそう言ってS〇witchモドキもといスーパーパズルコンピューターを構える。すると、部屋が消え、巨大なテトリミノだらけの空間が現れた。巨大なミノが浮遊し、幾何学的な光が交差しているその異空間で、タコヤキの目の前には巨大な対戦スクリーンが展開されていた。

 

「うわっ!これは!?」

 

「ははっ!ここはパズルゲーム至上主義の世界。この空間だと、決められた条件は守ってもらうよ。僕が勝ったら…お兄ちゃんは一生この僕が弟の世界に居続ける」

 

「俺は…こうさてんを正気に戻す!」

 

「「いざ、テトリス勝負だ!!」」

*1
TD系のテンプレの一つ。100%組むことが出来て強いため、近年ではこのテンプレを使いこなせるだけである程度上手になれる

*2
テトリスプレイヤーの略

*3
試合開始から中空けRENをすること。端空けRENとの違いとして、盤面が高くなっても積み込んだRENの地形にミノが埋まらないことが挙げられる。タコヤキは中空けを批判するような言葉を使うが、本気でテトリスをする際はつかってもいいと自分で発言していたこともある。また、TD砲は作りきるのが他のテンプレより遅いため、相手に中空けRENを最大まで積み上げられると火力を出されて負けにつながってしまうこともある

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