天才的ミスをする芸人枠、落ち物パズルが義務教育の世界に放り込まれる 作:土下座-アタック!
こうさてんがおかしくなっちゃったけど、タコヤキがなんとかしてこうさてんを正気に戻してくれた!!でも……ラスボスってパネルでポンのプレイヤー!?
パネポンって何なの?どう戦えばいいの?とにかく……頑張ってタコヤキ!!あなたにこうさてんと自分自身の未来がかかっているの!!!
【READY... GO!】
タコヤキとこうさてんはミスもなく正確にテンプレを作っていく。最初に発火*1したのはこうさてんだった。タコヤキもそれに合わせてTスピンを放っていく。同時に火力を打ち、二人は積み上がっているミノを消していき、同時にパフェを放つ。置きミスをすれば即死するような大火力での攻防が続けられる。その均衡を先に打ち破ったのはこうさてんだった。
タコヤキに一列のお邪魔が送られる。それによってタコヤキはパーフェクトクリアが出来なくなり、一気に10列ほど圧迫される。タコヤキは動揺せず、すぐさまテトリスとRENを送る。それによってこうさてんも何列か送られ、パーフェクトクリアを放てなくなった。
こうさてんとタコヤキは一進一退の攻防をする。しかし、こうさてんの方がレートが高いことからもわかるように、ミノを置く速さも正確さも、こうさてんの方がタコヤキより一枚上手である。
そして………タコヤキはSミノで誤って直列のお邪魔の穴をふさいでしまう。
普段の大会の何倍もの緊張がタコヤキに走った。
(だめだ。このままだとこうさてんに地力で押されて負ける。どうすれば…)
ふと、タコヤキは地形に違和感を感じる。NEXTにはLミノとJミノ。程よく積まれている左右のミノたち…
(TSTしかない!さっさと組め俺ぇぇ!)
タコヤキは全霊を込めてTスピントリプルを組み立てる。こうさてんは中央にIミノを入れようと動かした。
「……あ。……実家………………」
(あっ、こうさてんミスった)
こうさてんが実家を置いた。こうさてんはミスから数列消しで上がる列数を抑えようとするものの、トリプルからのダブル、そしてテトリスには叶わず…タコヤキはこうさてんに勝った。
「ぐはぁぁ!!!」
こうさてんはタコヤキのテトリスを受けて大きく身をよじる。巨大なテトリミノが光の粒子となって消えていく中、タコヤキは一瞬こうさてんが元の幼い弟の表情で寂しそうに微笑んだ…………気がした。こうさてんは、部屋の床に倒れ伏した。
(勝ったのか………良かったぁぁ!!洗脳されたこうさてんに負けてたら、ガチでここに居続けなきゃいけんところやった!!!)
「よっしゃぁぁぁぁ!!!」
思わずタコヤキが勝利の雄たけびを上げていると、こうさてんが目を覚まして体を起こした。
「あ、あれ?僕は…」
「お、こうさてん。気が付いたか。よかったぁ~~」
タコヤキは思わずこうさてんに抱き着く。こうさてんは目をシロクロさせるが、すぐに気まずそうな顔になる。
「タ、タコヤキさん。僕は洗脳されてて…だから、さっき言った言葉も本心じゃなくて…」
「…。大丈夫や。こうさてんが洗脳されとったのはわかっとる」
タコヤキはこうさてんに優しく笑いかけ、頭をポンッと叩いて慰める。
「タコヤキさん…」
「しっかし、まぁ…問題は洗脳した奴が誰なんかやな」
「う、うん。僕を洗脳した人はパネルでポンを使ってきたんだ。それで、"私は『小学校のコーデリア』と呼ばれているのよーお~ほっほ!"って高笑いしてたよ。」
「"小学校のコーデリア"…?いやまさか…そんなすぐ近くの席に元凶がいるわけ……」
タコヤキが今日一日での少ない知り合いにまさか中ボスとラスボスがいるわけないと思っていると、突然部屋の窓から声がした。
「よくわかったね。タコヤキくん」
「「!?」」
タコヤキとこうさてんが同時にふりかえると、窓枠にクラスメイトの七海が立っていた。沈み始めた太陽が丁度差し込み、部屋に黄金の光をそそいでいる。
「お前がこうさてんを
「ええ。私がこの世界の元凶…小学校のコーデリアこと七海ちゃんよ。持ちキャラはフリルちゃんなのに、なんでこの名前が広まっちゃったのかしらねー?」
パネポン使いこと七海は、艶やかな黒髪をなびかせて部屋に入る。七海の靴が床に触れた途端、世界がガラリと入れ替わる。橙色の霧に包まれた崖の上、辛うじて見える下から火山の火口が見えることから、ここが火山の一角であることがわかる。
七海がこうさてんににこりと笑う。こうさてんはブルリと身を震わせて後ずさりし、タコヤキの後ろに顔を青くして隠れながらひとことつげる。
「タコヤキさん、気を付けて。パネポンは理論上ずっと耐えれるから…………調子に乗ると負ける」
「…………わかった」
(妙に実感こもっているな。まさか、こうさてんが負けた相手と戦うのか?俺が?)
タコヤキが七海との戦いに物怖じしていると、それを見ていた七海が薄ら笑みを浮かべる。
「せっかくなのだし、2先にしましょうか?」
(いや、俺ならいける。全力を出したこうさてんに食いつき、耐えきって勝ったんだぞ……七海がいくら耐えてもカウンターではったおしてやるわ)
「おうよ。いくらでもかかってこい!俺がけちょんけちょんの、ぼっこぼこ、めたんこたんバカスコにしてやるわ」
「あっはっはっは!!いいよ。かかってこいタコヤキ!」
「「勝負だ!!」」
【READY... GO!】
開幕、タコヤキはTD系テンプレの一つである迷走砲を組み上げていく。迷走砲特有の置き場所にLミノとJミノを置き、OミノでTスピンをするための屋根を作る。
七海は
「はぁぁ????ナニソレ、ズルくね!?」
「なるほど?…クラス戦でもパネラーは私だけだし、やっぱりパネルでポンと戦うのは初めてなんだー?じゃあ今から楽しくなりそうね!!」
七海はタコヤキが発火する前に連鎖をし始めた。1、2、3…………連鎖している間もパネルを入れ替えて連鎖をどんどん組み上げていく。七海は途切れることなく連鎖をしているが、その間にタコヤキもテンプレを組みきる。七海は5連鎖の火力をタコヤキへと送ったが、タコヤキがTスピントリプルを撃つとお邪魔は全て消え、七海に一段のお邪魔が送られた。
「ほほーん?そっちは火力が弱いようやな?パネポンの盤面なんて、すぐお邪魔ブロックで埋め尽くしたるわ!」
七海が連鎖する前に、タコヤキはTスピンダブルとパーフェクトクリアを撃ち、七海に10段と4段のお邪魔が送られる。
「あーらら、送られちゃった~」
七海はお邪魔でせり上がりできなくて、今にも窒息しそうなのに
「……ふふ。パネポンの恐ろしさ、その目に焼き付けなさい!」
七海の指が、パネルを光速で入れ替えていく。カチャカチャカチャ! という激しい操作音と共に、パネルが面白いくらいどんどん弾けていき、お邪魔が消えはじめる。
「3連鎖……4連鎖…… 6連鎖!」
「……なっ!? 盤面が止まっとる!?」
「あら、パネポンのルールも知らないの?——パネルが消えている間やお邪魔が消えている間は死なないのよ?」
七海は軽口を言いながらも6連鎖に続いて、お邪魔を消しながら*2連鎖を続ける。しかし、お邪魔の消える時間が長い。一向に連鎖が終わらない。
「はぁぁぁぁ!!???ズルくね?????」
「パネポンの洗礼を受けなさい!」
時間として30秒。パネルの消費を抑えて最後で一気に連鎖した七海から15連鎖………42列分の高火力が送られる。しかし、その時間をつかってタコヤキはRENを組み上げていた。
「あぁミスった!!」
タコヤキは発火するのが遅く、RENで相殺しきる前に七海の大火力であえなく撃沈した。
<やった!*3
<クゥーン……クゥーン………*4
「クッソ……強いな…」
「だてにコーデリアなんて呼ばれてないからね~勝てなくてもしょうがないよ?うん」
(うぜぇ~コイツ、無意識に煽ってくるんやけど……いや、冷静になれ、次勝てば心理的に有利になれる…勝つ……………!)
【READY... GO!】
タコヤキはテンプレを危なげながらも慎重に組み上げていく。七海は限界までパネルを持ち上げ、連鎖しはじめる。連鎖する。連鎖の音が止まらない。
「はぁぁぁ????〇天堂*5か!?連鎖しすぎやない???」
「なんか今日は調子がいいなぁ!!いけっ、20連鎖!」
15秒ほどで連鎖の音が止む。その間にタコヤキがテンプレを組み上げて相殺、パフェまでとっても21列分の相殺である。その後パフェのテンプレを二回成功して30列ほどさらに抑える。67列の火力は51列分抑えても16列分。タコヤキは息をつく暇もなく窮地に陥った。
「キッツ……」
「あれ、どうしたのタコヤキくん?負けちゃうんじゃない?」
タコヤキは七海の声に応答せず、目の前の盤面に集中する。SミノをIミノと勘違いして右の穴を埋めてしまうが、七海も火力づくりに苦戦しており、タコヤキの盤面に連鎖が来る様子もない。
「あっあっあっ」
「一列消して……よっし」
タコヤキは落ち着いてSミノで埋めてしまった一列を消し、Iミノを二回差しこみ、七海の盤面に4段と5段のお邪魔を送る。
「まっずい、あーー!!!」
連鎖に失敗した七海はパネルを消すことが出来ず、タコヤキは一本を取り返す。
「うっし!」
「あちゃー、ミスっちゃった」
七海は負けたのにも拘らず、楽しそうにしている。すでにコントローラーを握りしめ、早く手を動かしたくてしょうがないという顔をしている。
(…あんまし一本取られたのが響いてないみたいやな。でも一本取れたってことは勝てないわけじゃないってことやけん…絶対に一本取って、こうさてんと俺を元の世界に返してもらう!)
【READY... GO!】
タコヤキは順調にテンプレを組み上げる。七海はパネルをせり上げるも、連鎖が一向に始まらない。
「あ、あ………れ?」
「………うん?」
七海は目がぐるぐるして、全く連鎖を始められていない。先ほどの20連鎖のぶり返しなのか、パネルを消す場所さえ見つけられていないようにも見える。
タコヤキがTスピンをミスって一列も送っていないまま、七海はもういちどパネルをせり上げさせるも、上手くパネルを消せず、そのうえ持ち上げすぎて高くなったパネルが盤面の一番上に押しあてられる。
「あ」
「え?」
「わっ」
七海、タコヤキ、こうさてんが三者三様の声を上げる。運命の三回戦目は、どちらも上級者とは思えないあまりにもひどすぎる盤面のうえでタコヤキが勝利した。
「なんか……勝った気がしない………………」
「で、でも僕が負けた相手に勝ったんだよ!やったねタコヤキさん!」
こうさてんがタコヤキにハグする。
「そうやな……これで帰れるんや…!」
七海はコントローラーを持ったまま唖然としながら画面をじっと見つめている。しかし、すぐに笑いだす。
「ははは………………あっはっはっはははは!!!!いやぁーー負けた負けた!完敗だよタコヤキくん!はっはっは!!!………………君たちをここに連れ込んだのは間違いじゃなかった。君たちが願うように、元の世界に返そうじゃまいか!」
七海が手を空にかざすと、火山の一角だった世界は光に包まれる。タコヤキの目は光に遮られる。
「またいつか会おう。タコヤキくん♪」
「こんな経験もうこりごりだわ……じゃあな。七海」
タコヤキは光に包まれる中、そこで意識は途絶えた。
タコヤキが目を覚ますと、そこは自分の部屋だった。最近買った新しい家だ。周囲を見渡しても違和感はない。スマホの型も古くはなく、新しいもので、カレンダーを見ても2026年だった。どうやら本当に現実まで返してもらえたらしい。日付は木曜日の朝、時計を見ると仕事が始まるまであと2、3時間ほどだろうか。
(朝になっとる……疲れてるのにこれから仕事か…はぁ……)
タコヤキは重い腰を上げ、仕事の支度をする。朝ごはんに歯磨き、顔を洗ってスーツに着替え、外に出る。
駅までの道で、タコヤキはふとあの河川敷が目に入る。墜落した飛行機などなく、雀が数匹、チュンチュンと鳴いているだけだ。
「なんか……すごい夢やったなぁ………もう二度とみないやろな…」
タコヤキがぶるぶると身を震わせ、思わずそんな声をあげていると、ふと、聞きなれない音が周囲に響いているのに気が付いた。轟轟と風の斬る音で、だんだん大きくなっている。辺りを見渡しても、そんな音が鳴るような物も場所もない。あるのは川と橋と、それから雲一つない青空と太陽の光だけだ。
(やんやこの音、どっかで聞き覚えが……)
そう思いタコヤキが空を見上げると、青空に紛れて見覚えのある白いそれが目に入ってくる。
飛行機が、遊歩道に落ちるところだったのだ。凹んだ川の中や平たい住宅街ではなく、ちょうどタコヤキのいる川と住宅街から出っ張っている遊歩道に。
「なんだあれ!?実家はテトリスか夢だけにしてくれ!?天丼とか誰得やねん!!!!うわぁぁぁぁぁ!!!!」
タコヤキは絶望的な状況から逃れようと足を動かしたが、デジャブと驚きによって逃げ遅れたせいで
どこからか、七海の嘲笑う声が聞こえた気がして、そこでタコヤキの意識は途切れた。
タコヤキはどうなったのか、それは………誰にもわからない………………