諦めたPと篠澤広   作:ラ メ ル テ オ ン

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入れ!女子寮!

偉い人も言っていた早朝は1日の中で1番頭が回る時間。そんな頭で考えた完璧な作戦、知り合い、特に佑芽か千奈が朝練に出てきた時に話しかけて入れてもらう。そんな完璧な作戦だった。

 

「この人です」

 

「痛い!痛い!ちょっ!?いきなり何!?」

 

「抵抗はしない方がいいですよ。僕は格闘技を嗜んでいるからね。」

 

すでに朝練を終えて帰ろうとしてる寮生からすると女子寮の近くで出待ちしている俺は不審者にしか見えないという点を除けば…

 

女子寮の入り口付近で出待ちしていた俺は背後から近づいていた、声を聞く限り女の子であろう人物に腕の関節を決められて跪かされていた。

 

「ちょ!まじで待って!話聞いて!不審者じゃないプロデューサー科2年の斉藤って言うものです!」

 

「2年の斉藤…聞いたことあるよ。悪徳プロデューサーで有名な人だよね。酷すぎて担当アイドルに捨てられたって言う」

 

「…そんな人がこんな早朝になんの様ですか?」

 

痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!腕が取れる!

 

少し離れたところに立っている女の子の言葉に、関節を決めている女の子がさらに腕を決めてくる。信用がないのは自明だが問答無用すぎるだろ!もっと段階踏んでくれ!

 

「篠澤広呼んできて!プロデュースしてるんです!用があってきたんです!」

 

「なにしてるの?」

 

朝から騒ぎすぎたのだろう周囲には人だかりができていて寮の中からも人が出てきていたらしいその中に混ざっていた篠澤が声をかけてきた。

 

「篠澤!俺がプロデューサーだよな?」

 

「うん」

 

「ほら!早く離してくれ!」

 

納得してくれたのか俺の腕が解放される。痛みを遠心力で解放するかの様に回し異常がないか確認する、特に問題はなさそうだ。

 

後ろに目をやるとボーイッシュの中に可愛さが隠れている様な女の子とトゲトゲした雰囲気を待っとている女の子がいた。

 

「すみませんでした。その…どう見ても不審な動きをしていたもので…」

 

「有村先輩、謝る必要なんてないよ。この人どう見ても不審者にしか見えなかったし。むしろこのくらいで済んでありがたく思って欲しいよ」

 

頭を下げる有村という子をトゲトゲしい雰囲気の子が庇う。俺もそれに追従して、

 

「…そうですよ、怪しい行動してた俺が悪いんですし頭を上げてください。」

 

有村という子の行動を肯定しておく。そう彼女は後輩を守ろうとして最善を尽くしたのだ何も間違えてはない…

 

問答無用で関節決めてくること以外はな!まず話聞けよ!実力行使を1番最初に持ってくるんじゃねえよ!と心の中でキレて見たが…まあ不審者して関節を決められる原因を作った俺が1番悪い…それもあって俺はにこやかに対応する。そんな謝り倒している俺を見て、

 

「ふふ、プロデューサーって意外とポンコツ、だね。私とお揃い」

 

「…うるさい」

 

篠澤は謎の仲間意識を持ってきた。…有村さんは騒ぎを聞きつけて集まってきていた寮生や警備員の方に説明などをしてくれていた。いやほんとすみません…

 

そんなこんなで騒動はなんとか収まり俺は女子寮に入ることができた。本当に朝からとんでもない目にあった…俺が苦難を笑えるようになるにはまだまだ時間がかかりそうだ…

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