VOICEROID in バカテス   作:かなりまな板だよこれ

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第一話からこの投稿ペース……これ、完結までどれくらいかかるんだろう(遠い目)


第一問 登校と親友とクラス分け

晴れ渡る空。澄んだ空気。暖かな日差し。

ドアを開けた私を待っていたのは、そんな良好な天気だった。

朝走っている時から薄々予感はしていましたが、まさかこれほどの天気になるとは少々予想外でした。

しかしこんな良い天気だと今日起こることなんてどうでも良くなって…………きませんね、うん。むしろ落ち込んできました。

これから起こることを思い出してブルーになっていると、後ろからギイッとドアが開く音が聞こえた。

振り返ると私の想い人である同居人のアキ君がドアから出てくるところだった。

アキ君は鍵を閉めると、私の方を向いた。

 

「お待たせ、ゆかりちゃん」

 

「それほど待ってませんよ。では行きましょうか」

 

私とアキ君はマンションの出口へと歩き始めた。

 

「それにしても今日は随分と着替えに時間かかってましたね」

 

「あー、まあ色々とあったんだよ」

 

歯切れの悪い返事が返ってくる。

 

「まさか去年みたいに玲さんのセーラー服を着てしまったのですか?」

 

まあさすがにそれは――――

 

「何で分かったの!?」

 

…………マジですか。

 

「アキ君、私と同居している人が姉の服を着て興奮してしまう変態なのですが、どうすれば良いと思いますか?」

 

「ちょっ、違うよ! ただ間違えただけだから! てか興奮してないし!」

 

「あの服のどこに制服と間違える要素があるんですか?」

 

「え? うーん…………触感?」

 

「…………」

 

「じょ、冗談! 冗談だからその豚を見るような目は止めて!!」

 

「いえ、これはゴミを見る目です」

 

「僕ゴミ以下なの!?」

 

そんな他愛の無い会話をしながらマンションを出る。

 

「アッキー! ゆかりん!」

 

と、そこで声をかけられた。

振り向くと、そこには二人の少女がいた。

一人は、二本のアホ毛付きの腰まで伸ばした金髪に緑色の目、そして自己主張の激しいものを持った少女、もう一人はこちらも腰まで伸ばした濃い緑色の髪に黄土色の目、そして平均的なものを持った少女。

私の親友である弦巻マキと東北ずん子だ。

 

「「おはよう」」

 

「うん、おはよう」

 

「おはようございます」

 

まず朝の挨拶を交わす。挨拶は大事ですからね。

……しかし、何か違和感が……。

 

「マキちゃん、今日は随分と早いね」

 

……あっ、マキちゃんが今この場にいるからですね。いつもでしたら私達が迎えに行くまで寝ていますので。

 

「フフン、私だって早く起きれる日ぐらいはあるよ」

 

マキちゃんがこれ見よがしに胸を張る。

……まあ大方、クラス分けの結果が気になりすぎてあまり眠れなかったとかそんな理由でしょう。

 

「いつもそうだと助かるんですが」

 

「うん、無理。それよりも皆はどのクラスに入れると思う?」

 

おっと、話題を変えてきましたね。まあそれは良いでしょう。

で、クラスですか……。

 

 

 

私達が通っている学校、文月学園は成績でクラスが決まる制度を取り入れています。その制度により、Aから成績順に振り分けられます。

つまり頭が良い人はAクラス、悪い人はFクラスということです。そして成績順ということは所属しているクラスを見ただけでその人が頭が良いか悪いか分かってしまいます。

 

 

 

まあそんなことはどうでも良いのですが、それでも私としては最下位であるFクラスだけは避けたい。

……避けたかったのですが……。

 

「私とアキ君はFクラス確定ですね」

 

「はい!?」

 

私がそう口にしたところ、マキちゃんが過剰に反応した。

 

「アッキーはともかくゆかりんがFクラスってどういうこと!?」

 

「マキちゃん、僕はともかくってどういうこと?」

 

どういうことって言われましてもね……。

 

「アキ君はFクラスに入ってもおかしくないという意味じゃないですか?」

 

「違うよ!? ……いや違わないけど私が聞きたいのはそっちじゃないよ!!」

 

「ねえ、フォローは? 僕に対するフォローは?」

 

「もう、忘れたのですかマキちゃん?

ゆかりちゃんと明久君は寝坊して一日目の試験を休んだんですよ」

 

「あっ、そういえばそうだったね」

 

そう、私とアキ君はとあることを二人で夜通しやった結果、ものの見事に寝てしまい一日目の試験を受けられなかったのです。で、その一日目の試験は5科目で理系が中心、私の得意科目は理系全般、後は分かりますよね?

因みにマキちゃんとずん子ちゃんも寝坊したらしいですが、こちらは間に合ったようです。まあその所為で私達のことまで気が回らなかったそうですが。

で、私とアキ君が寝坊する原因になったそのとあることというのは……

 

「まあ徹夜でゲームしていたらしいので、自業自得ですね」

 

そう、ゲームです。

 

「いやぁ、だってその日にマルチでいつもお世話になっている人主催の大会があったからさ……テストと被るわけじゃ無いし大丈夫かなぁって」

 

「そうそう。その日しか無い大会といつでも出来る勉強、どちらを優先させるかなんて分かりきっていることでしょう?」

 

「で、寝坊してしまったんですね」

 

「「うぐっ」」

 

さ、さすがに二次会に参加するのは止めとくべきでしたね。

 

「でさ、結果はどうだったの?」

 

「ゲームですか? 私とアキ君のいるチームが僅差で勝ちました」

 

最後の宝探しでアキ君があの高得点アイテムを探しあてられなければ大差で負けるところでしたが。

……まあそもそもアキ君がクイズでボケて無ければあそこまで追い詰められる事は無かったんですがね。尤も、本人は本気で答えていた様ですが。

と、話がずれましたね。

 

「で、マキちゃんはどうなんですか?」

 

「えっ、大会は出てないよ」

 

「いや、クラスですよクラス」

 

「あっ、そっちか。

……ふふんっ、それはね……」

 

私がそう聞くと、マキちゃんは待ってましたと言わんばかりに胸を張った。

 

「絶対にAクラスだよ!」

 

「ほう、それはずいぶん自信がおありのようですね」

 

「だって文系科目が今までで一番解けたからね!」

 

確かにマキちゃんは文系科目は上位に食い込むぐらい出来ますからね。それでここまで自信があるということはマキちゃんの言う通りなのかもしれません。

……で

 

「理系科目はどうだったんですか?」

 

「……いやー、まさかあんなスラスラと書けるとはねー」

 

ああ、理系科目はいつも通りですねこれ。

 

「まあとにかく、私がAクラスなのは確定的に明らかだよ」

 

「じゃあもしAクラスじゃなかったらどうしますか?」

 

「その時は駅前の喫茶店で皆に好きなだけ奢るよ!」

 

駅前の喫茶店……ということはラ・ペディスですか。

 

「その約束、忘れてはいけませんよ」

 

「わかってるって。

まあ絶対にAクラスだから覚える必要は無いけどね」

 

ふむ……自信満々にこう言っている辺り、これは本当にAクラスかもしれません。

しかし、自分に利益が無い約束を自ら提示するとは……相変わらずチョロいですね。まあさすがにそれだとあれなのでマキちゃんがAクラスに入った暁にはそこで一番高いパフェを奢りますが。

 

「で、ずんちゃんはどうだったの?」

 

「4482点でしたからよほどのことが無い限りAクラスです」

 

成る程、確かにその点数なら余裕でAクラス……ん?

 

「……ずんちゃん、どうして自分の点数がわかるの?」

 

「解き終わった後自己採点してみたので」

 

「自己採点!?」

 

マキちゃんがすっとんきょうな声をあげた。かくいう私も少し驚いています。

 

「……えっとずん子ちゃん、回答用紙ってすぐに回収されたよね」

 

「確かにそうですが……でもある程度は覚えてましたし、問題用紙は回収されなかったので問題ありませんでしたよ」

 

「問題用紙……? ずん子ちゃん、問題に答えかなんかを書き込んでたの?」

 

「いえ、そうではありません。ただ解いた痕跡があるのでそこから自分がどう解いたかの予測が出来ました」

 

それだけの情報であんなに細かい点数を出せるとは……

 

「相変わらずずん子ちゃんは頭がおかしいですね」

 

「いえいえ、それほどでもありませんよ」

 

「ずん子ちゃん、そこは謙遜するところじゃ無いよ。ゆかりちゃんもそんなこと言わないの」

 

「冗談ですよ冗談」

 

とまあそんなこんなで色々と話している内に、学園の玄関に着いた。

玄関の前には浅黒い肌をした短髪の筋肉もりもりマッチョマンの変た…………男が立っていた。

 

「おはよう結月、弦巻、東北、吉井」

 

「おはようございます鉄……西村先生」

 

「おはようございます鉄人」

 

「おはようてっちー♪」

 

「おはようございます西村先生」

 

私達が口々に挨拶をした途端、鉄人は顔をしかめた。どうかしたのでしょうか?

 

「……吉井、今何か言いかけなかったか?」

 

「ははっ、気のせいですよ」

 

アキ君、目を逸らしながら言っても説得力がありませんよ。

 

「……まあ良いだろう。それよりも結月、堂々と鉄人と呼ぶな」

 

「なら鉄人先生の方が良かったですか?」

 

「名前で呼べと言っているんだ」

 

ふむ、そうでしたか……では

 

「宗一」

 

「……どうやら結月には補習が必要のようだな」

 

言われた通りにしましたのに……解せません。

 

「あと弦巻、てっちーと呼ぶな」

 

「えー、じゃあ鉄人の方が良い?」

 

「そうじゃない。西村先生と呼べと言ってるんだ」

 

「分かったよ、てっちー先生」

 

「……どうやら弦巻にも補習が必要のようだな」

 

「ちょっ!?」

 

おっと、マキちゃんも補習ですか。

 

「駄目だよ二人とも、ちゃんと敬わないと。鉄人はこれでも一応先生なんだよ?」

 

「お前も補習だな、吉井」

 

「えぇっ!?」

 

そしてアキ君が自爆。

 

「私もその補習に参加しても良いですか?」

 

「別に構わないが……」

 

そしてずん子ちゃんが自主参加と。

順番は違えどいつもの流れですねこれ。といってもそこまで起きているわけではありませんが。

 

「まあ補習の件は一先ず置いておこう。

それより吉井、結月、受け取れ」

 

「「ありがとうございます」」

 

鉄人から私とアキ君は自分の名前が書いてある封筒を受け取った。

この封筒の中には自分のクラス結果が書いてある紙が入っている。

 

「受け取らなくても結果は分かってるんですけどね」

 

「まさか大事な試験の日に寝過ごすやつがいるとはな」

 

「それほど前日一生懸命やっていたんですよ」

 

ゲームを。

まあ一応確認しておきましょう。もしかしたら奇跡が起こってるかもしれませんし。

 

 

 

『結月ゆかり……Fクラス』

 

 

 

……でしょうね。

しかし分かっていたとはいえさすがに落ち込みます。

 

「アキ君はどうでしたか? Zでしたか?」

 

「いや、そんなクラスは無いからね。

……まあ予想通りFクラスだよ」

 

でしょうね。

 

「弦巻」

 

「はいはーい!」

 

鉄人が差し出した封筒をマキちゃんが元気よく受け取った。

 

「文系科目は今までで一番良く出来ていたぞ」

 

「本当!?」

 

ふむ、文系科目の出来はいつも以上ですか…………これは、本当にAクラスかもしれませんね。

 

「その調子で理系科目をもっと鍛えろ」

 

「……善処しまーす」

 

マキちゃんが封筒の上をビリビリと破き、中から紙を取り出した。

 

 

 

『弦巻マキ……Fクラス』

 

 

 

「Fクラスでな」

 

「え……?」

 

おっと、この流れでこの結果ですか。

 

「て、鉄人!」

 

マキちゃんが鉄人に詰め寄る。

 

「Aクラスじゃないのは百歩譲るとして、どうしてFクラスなの!?」

 

「確かに、点数はAクラスに入れる程の出来だった」

 

「じゃあどうして――――」

 

「ただし」

 

マキちゃんの言葉を鉄人が遮った。

 

「名前を書いていればの話だがな」

 

それを聞いたマキちゃんの動きがピタッと止まった。

 

「書いてなかった?」

 

「ああ。それも文系の科目だけな」

 

「oh……」

 

残酷な結果に、マキちゃんが地面に手をついた。

まあ無理もありませんね。名前を書き忘れるなんていう凡ミスで最高クラスを逃すどころか、最低クラスになってしまったんですから。

 

「マキちゃん」

 

私はいまだに落ち込んでいるマキちゃんの肩に手を優しく置いた。

 

「ゆかりん……」

 

「パフェ、楽しみにしていますよ」

 

「だと思ったよ!」

 

フンガーと奇声をあげながら、マキちゃんは立ち上がった。

そのまま私に詰め寄る。

 

「てかここは普通慰めるところだよね!? なんでゆかりんはいつも――――」

 

「まあまあ、落ち着いてください」

 

騒ぐマキちゃんに近づき、耳元で囁く。

 

「アキ君と同じクラスですよ」

 

「……あー、それなら良い……かな」

 

それを聞いたマキちゃんは瞬く間に大人しくなった。

恐るべきアキ君パワーですね。

 

「東北」

 

「ありがとうございます」

 

マキちゃんを宥めている間にずん子ちゃんが封筒を受け取っていた。

 

「この調子で頑張れよ」

 

「はい」

 

『東北ずん子……Aクラス』

 

まあ、でしょうね。

 

 

 

こうして私達は最低クラス、ずん子ちゃんは最高クラスでの学校生活がそれぞれ幕を開けた。




ゆかりさんが若干黒いような気がするけど気にしない方向で。

次は自己紹介までいきます……多分。

いつ投稿できるか? 不明です。
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