貴方は淫魔の国へ渡る   作:ばばばばば

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 貴方はいくらかの思考の後に覚悟を決める。

 

 貴方はあの聳え立つ山脈へ向かうことを選択した。

 

 何よりこの寄る辺ない景色の中で、もっともハッキリと目に映るモノがあれだ。

 

 

 

 

 

 何をしていいかも分からない不安をかき消すための一番わかりやすい目標

 それが貴方の選んだ選択であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 何もない荒野に浮かぶ山脈、

 地平にただある山々はあなたが息を切らせ始めても、その大きさは変わらない。

 まるで錯視じみて見える地平線と物体

 その距離感の長短が全く分からなくなる。

 

 

 

 

 一度目の小休止、1時間以上は歩いたであろうか。

 

 いまだにその景色は変わらないが貴方は考える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 半日ほど経ち、貴方が疲れて腰を下ろした時、心の中に不安がもたげる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 だが貴方は選んだ。

 選んでしまったのだ。

 ここまで歩けば引き返すのにも半日

 それを選ぶのは選ばないことよりも愚かしく貴方は感じた。

 

 

 

 

 

 

 幸いにも未だ空には月が浮かび、暗くはなっていない。

 

 その異常性にも勤めて気づかないようにしながらも貴方は歩く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 しだいに足を運ぶたび、痛みにも似た違和感が増していく。

 

 軽装のズボンのポケットについた財布や携帯さえ貴方には枷に思えてくるだろう。

 

 貴方は一歩踏み出すごとに足の違和感を感じるようになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなどうしようもないことを思いつけば

 喉に耐えがたい渇きから貴方は生唾を飲み込みこむだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 貴方はそれでも歩き、歩き、歩き続けた。

 

 途中2度、その固い岩肌に身をうずめ仮眠を取りもした。

 

 それでもこの薄暗いのか明るいのか分からない空は変わらない。

 

 貴方は自身の正気が削れていく様を感じながら、残された現実逃避を行うしかできない。

 

 

 

 

 貴方は歩いた。

 

 歩いて、歩いて、歩いて、歩き続けた。

 

 

 

 

 不意に、貴方は膝から下の力が抜け、倒れ込む。

 

 いや、不意に、ではない。

 

 貴方はとうとうこの時が来たのだと理解した。

 

 

 

 

 

 意識的な休息ではなく、体の限界から倒れ伏した時。

 貴方は空を見上げる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 貴方は歩くことすらできなくなり、とうとう考えないようにした現実に捕まった。

 

 恐らく、ここからいくら歩いてもあの山にたどり着くことは出来ないこと。

 

 そんな事実を気づかぬよう必死に動かしていた行為さえも今は叶わぬこと。

 

 恐らく自分がこの黒い荒野で人知れず、ただ朽ち果てて死ぬであろうこと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 貴方は耐えがたい渇きと飢えに苛まれながら、徐々に遠くなる意識を手放した 

 

 

 

      

 

 

 




hint:貴方の行動は最も体力を浪費する選択だった。
   だが、それは本当に悪手であったのだろうか?
   どうせ死ぬなら、苦しみの時間は少ない方が良いとも言えるだろう。
   貴方が僅かな生存に望みをかけるなら上のEndから戻るといい
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