抜きゲーみたいな島に住んでるボッチはどうすりゃいいですか? 作:くももん
空が青く澄んでいる
教室の窓から見える空を見て、俺は黄昏ていた。
青藍島。
四方が海で囲われて、どこかハート型に見えなくないこの島の学校に俺こと比企谷八幡は通っている。
そしていつものように、昼休みに教室の窓際から空を見上げていた。
(こんなにも空は透き通っているのに、、、。どうしてこんなにも、、、)
「孕めオラッッッ」
「いくいくセーシッッッ」
「あんあん電車いっちゃう〜〜〜」
「チンチン電車発車しま~す」
(こんなにも、、、この教室は喧しいんだ!!)
そう、ここは青藍島。島起こしのために特別な条例が施行されている島。
その名もドスケベ条例。いつでも、どこでもドスケベしていいという、頭がおかしいバグのような条例だ。
そんな島に何故俺がいるのかというと、、、端的にいうと拉致だ。知らない謎のおっさんに話しかけられたと思えば、急にヘリに乗せられて、急にこの島に連れられて、気づけば入学手続きまで済ませられた。
妹の小町が恋しい。毎週電話で話すことが出来るが、やはり会いたい。しかし、この島から出ようとするとSHOとかいう、この島の自治組織に阻まれる。どうやら、謎のおっさんの指示で俺を出さないようにしているらしい。県知事って何だよ。県知事って。
そのことを知ったときに、絶対に許さないリストの最上位に謎のおっさんこと仁浦知事追加された。
「ねえ、えっと、、、ひ、ひき、ヒキタニくん!今相手いなくて、私とHしない?」
そんなことを考えていると、クラスメイトの女子に話しかけられる。
普通の高校生活では絶対に聞くことのないセリフだが、この島では当たり前に繰り広げられる会話の一つだ。
この島くるまでの唯のボッチだった俺だが、青藍島に来てから進化したのだ。そう唯のボッチからスーパーボッチ人に。
女子に話しかけられることなんて、日常茶飯事。その成果を!今!見せるときっっ!
「えっと、あれがそれでちょっと、、、ゴニョゴニョ」
はい。生まれながらボッチが青藍島に来たくらいで変わるわけないじゃないですか。というか?元々エリートボッチですから、変わる必要なんてないっていうか?
「あっあー、そうなんだ。ごめんね、邪魔して」
明らかに「こいつ何?キモっ」って感じの表情されて、クラスメイトは他の男のところへ行った。
あれ、目から涙が。砂でも入ったかな、、、
顔を突っ伏して、寝たふりを続ける。
そう、この頭がおかしな条例がある島でも、比企谷八幡は童貞を守り続けている。
そう決して自分から話しかけるのが緊張して出来ないとか、話しかけられてもキョドって気持ち悪がられて逃げられているとか、そういうんじゃない。本当に違うからね。誇り高きボッチ、童貞を守り続けているのだ。
「おい、そこのお前」
凛とした声が響く。
思わず、ビクッと体が反応する。
「何故ドスケベをしていない?まさか、貴様非生産者か」
顔を上げて、声がするほうを向く。そこには凛々しい顔とは裏腹に、ドスケベの権化ともいわれる胸を大きく開いた服、短すぎるスカート、腕には「風紀委員」と書かれた腕章を身に着けている人物がいた。
そう、この人は糺川 礼。この学園の風紀委員長だ。
「むっ、何だ比企谷か。顔を突っ伏していたから誰かと思ったじゃないか」
「、、、うっす」
糺川先輩とは何度か交流があり、顔見知り程度の関係にある。俺が、この島で名前を覚えている数少ない一人でもある。
「まあ、お前は仕方ないな。だが!昼休みに寝ているだけとは、条例違反を疑われてもしかたないぞ。お前にも前戯でドスケベをすることはできるはずだ」
糺川先輩はSHOの下部組織SSという組織に入っており、ドスケベを推奨する役割を担っている。だから、ドスケベをしない不良の俺と必然的に会話が増える。
ドスケベをしない不良って何だよ、、、
「いくら勃たないとはいってもだな、、、」
、、、そう、俺こと比企谷八幡は勃たない。ということになっている。
何故、そういことになったのかというと、その方が楽だからだ。先ほどのようなクラスメイトなら言い訳を考えてやり過ごすことはできる。
しかし、SHO、SSに所属している人間は違う。どんなに言い訳しても、どんなに相手が気持ち悪くてもドスケベをする。
彼、彼女らはドスケベをすることによって奨学金という恩恵を得ている。
つまり、SHOとSSはドスケベを仕事にいているといっても過言ではない。
だから誰とでもドスケベをすることを厭わない。
そんな連中を回避するために、考えついた案は勃たない、つまりインポであるということだ。
1年間過ごして分かったことだが、SHO、ひいては青藍島の住民はインポに優しい。
否、可哀想という感情を持っている。
ドスケベをすることが、当たり前の彼等にとって勃たないということは、つまりは本島でいうところの障害者に当たるのだろう。
だから、勃たないということ明かしたときSHOの職員、クラスメイトは生暖かい目で可哀想な人を見る目でこちらを見てくる。「まあ、何だ、元気だせよ」と声を掛けられたことある。うるせぇよ。
「おっと、もうこんな時間か。邪魔したな。また、どこかで会おう」
軽い会話をして糺川先輩は帰っていった。いつもの指導をしているときと比べて、言葉の端々には優しさのようなものを感じた。
恐らく、俺に気遣ってのことだろう。
勃たないと嘘をついている分、少し心が痛い。
キーン、コーン、カーン、コーン
昼休みの終了を告げる鐘が鳴る。
気付けば、昼休みが終わっていた。
ふぅ、とため息をつく。
これから放課後までは普通の高校と変わらない授業が続く。いくら頭がおかしい学校でも授業はしっかりするらしい。
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英語、数学、国語と予定通りに授業が終わり放課後になる
(、、、早く帰ってゲームしよう)
そうして、机の中の教科書を鞄にいれて廊下を出て、階段を降りる。
すると1年生の廊下でたむろしている姿が見えた。男3人が1人の女生徒を囲っている感じだ。
「めっちゃ可愛いね。俺たちとドスケベしよ」
「4Pいいね。絶対楽しいよ」
「僕ちゃんのアソコはすごいんだぞ」
ここでは、何の変哲もない日常的な会話。
しかし、何故だろう。足を止めたのは。ふと目に止めたのは。
女生徒の方を見る。
髪型はツインテールで、少し小柄な身長。髪が目まで隠れており、更にうつむいているので、ここからは顔色を伺うことはでこない。
ただ、何だろう。あり得ないはずなのに。青藍島ではあり得ないことなのに。
女生徒の方がドスケベを嫌がっているように見えた。
「、、、あにぃ、助けてぇ」
『、、、お兄ちゃん、助けて』
ふと、そんな声が耳に届いた。
気づいた時には、動き出していた。
「おい、そこの3人」
「なんすか、なんすか」
「あっ、もしかして混ざりたい感じ?5P?」
「悪いな、のひ太。この女3人用なんだ」
誰だよ、のひ太君
何で声を掛けたのか。ひとえに、あの女生徒が妹の小町と重なったからだろうか。
この場面を切り抜けるためには、どうすればいいか。
カッコよく殴って撃退?
そんなことをすれば、ドスケベに反対する反逆者としてSHOに捕まる。そもそも、そんな力はない。
話し合いで解決する?
無理。無謀。性に狂った男どもは話し合いをするほどの理性は残っていない。二言目にはドスケベだ。
そう、こいつら3人は性に狂った獣だ。ただ、性と言う肉を食うことしか考えていない。
では、どうするか
結論、肉よりも美味しく、魅力的なステーキで相手を釣る
(、、、悪い、片桐)
「3階で、あの!片桐奈々瀬が10Pをしているらしいぞ!」
片桐七瀬。それは、この学園で絶対的な人気を誇るギャルビッチだ。しかし、そんな噂とは裏腹に自分と同じくドスケベから逃げる同志でもある。
しかし、噂を信じ疑わない学園の生徒にとっては効果は絶大だ。
「はぁ!マジかよ」
「10P!!混ざりにいこうぜ!!」
「奈々瀬さんは僕にこそ相応しいんだよ。待ってて、ななせちゅぁーん」
駆け足で、3人が階段を上がっていく。
なんとか、危機を脱したようだ。あいつらが単純で助かった。もし、これが通用しなかった渾身の土下座で説得するしかなかった。
プライド?知らない子ですね。
「何っ!?俺たちも行こうぜ」
関係のない人達まで、3階に上がって行く。
、、、あとで片桐にはお菓子を奢ってやろう。
はぁ、とため息をつく。
さて、あの1年生と思われる女子生徒は、、、
「奈々瀬さんが10P奈々瀬さんが10P奈々瀬さんが10P奈々瀬さんが10P!!わたしが混ざって11P!!!」
ドバドバと鼻血を出して、血走った目をしていた。
助ける相手、間違ったかな?
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「さて、我が反逆交尾勢力も着実に力を伸ばしているな」
「ええ、そうね。淳」
「しかし、やはり人員不足が否めないな。人が少ないとできることも少ない。俺、奈々瀬、アサちゃんの3人では限界がある」
「そういうことなら、1人だけ当てがあるのだわ」
「何っ!本当か奈々瀬!」
「ええ、アンタと同じで童貞を貫いている誇り高き童貞様がね」
「、、、あんまり、童貞を連呼するな」
「あら、ごめんなさい。でも普段から私をビッチ呼ばわりしているのは、どちらの誰かさんでしたかね〜」
「、、、悪かったよ。それで、そいつはどういうやつなんだ?」
「比企谷八幡。ちょっと捻くれてるけど、頼りになる奴よ」