抜きゲーみたいな島に住んでるボッチはどうすりゃいいですか?   作:くももん

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ボーイ・ミーツ・ボーイ

 

 

 

「あっあっあの、助けて頂きありがとうございます。」

 

鼻血を出していた女子生徒は頭を下げる。鼻にティッシュを詰めながら、、、

 

こいつが「奈々瀬さん!!」といいながら、男3人衆がいる3階に行こうとしたときは、後悔しかけたが、急いで止めて懇切丁寧に嘘であることを説明すると礼を言われてしまった。

 

「あー、気にすんな。それじゃあ」

 

お礼を言われるなんて、妹の小町以外では久しぶりのことだったので居心地が悪くなりすぐにこの場を去ろうとする。

 

立つ鳥跡を濁さず。エリートなボッチも禍根を残さない。クールに去るぜ。

 

そうして、身を翻して1階へ行くために身を翻そうとすると、

 

 

 

「アサちゃんっっ!!!!!!」

 

 

眼鏡を掛けた男子生徒がこちらに声を上げながら近づいて来ていた。

しかも凄い勢いで、

 

(まずい!避けられ、、、)

 

 

ドカッ!!

 

 

瞬間、背中に衝撃が走る。

 

 

気付けば、地面を背に倒れていた。どうやら、あの男子生徒に突き飛ばされたらしい。

 

「あ、兄ぃ〜〜〜!」

 

 

「アサちゃん、無事で良かった!!」

 

 

ガシッと抱きしめ合う2人。

 

どうやら、妹の方の発言から兄弟のようだ。そして、あの女子生徒は「アサちゃん」というらしい。

 

 

「大丈夫か?怪我はないか?何もされてないか?って、鼻血が出てるじゃないか!?救急車か?!救急車だな!分かった、確か電話番号は1919だったか、、、」

 

 

「落ち着いて、兄。確かにちょっと男の人に絡まれたけど、、、」

 

 

「何っ!!」

 

 

兄と思われるる男子生徒がこちらを向く。

 

 

どうやら、絡んでいた男の人を俺と勘違いしているようだ。

 

 

「うちのアサちゃんに手を出すやつは、何人たりとも許しはせん!!かかってこい!!!」

 

 

何故、そんなにも好戦的なんだ。

 

いや、よく見れば細い体にしては、筋肉の発達が凄い。所謂、細マッチョというやつだ。

眼鏡をかけていて、印象からは内向的な陰キャかと思ったが意外にも体育会系なのかもしれん。

 

 

「ちょっ違うよ、兄。その人は私を助けてくれたんだよ」

 

 

妹の方が弁明してくれる。

 

良かった〜。このままだと兄貴の方に殴り飛ばされるところだった。あやうく、この流れで金を要求する新手の美人局かと思ったじゃないか。

 

「何っ!?どういうことだ?!」

 

 

「それは、かくかくしかじか、、、」

 

 

 

---------

 

 

「本当にすまない!!!!!!!」

 

 

妹の方から説明を受けて、兄貴のほうが腰を90度曲げて謝罪をする。

 

どうやら、結構まともなやつなのかもしれん。この島に来てからまともな人を見ることすら珍しい。この島の奴ら、1言目にはドスケベ、2言目にもドスケベ、3言目にもドスケベだから。

 

というか、男とまともに会話したのは本当に久しぶりかもしれん。この島の性質上、異性との会話は多くなるが同性との会話は少なくなる。

それこそ友達がいないとな。つまりボッチな俺は同性との会話が極端に少ないということだ。別に気にしないが。

 

 

「それと、ありがとう。アサちゃんを守ってくれて。俺の名前は橘 淳之介。2年生で今年から転校してきたんだ。それでこっちが妹の、、、」

 

 

「あっあの、橘 麻沙音っていいます。改めて、助けて頂いてありがとうございます。」

 

 

どうやら、兄貴は淳之介、妹は麻沙音というらしい。苗字で呼ぶと2人と呼び名が混ざってしまうから、橘兄と橘妹と呼称しよう。

 

「大丈夫か?本当にすまない、突き飛ばしたりしてしまって。てっきり、アサちゃんに言い寄る男だと思って、、、」

 

橘兄が目を伏せて申し訳なさそうに言う。

 

正直、初手から突き飛ばすのはやり過ぎだと思うが、この島ではそれくらいしないと守れるものを守れないのかもしれない。

 

それに兄貴は妹を何があっても守るものだからな。

 

「いや、気にしていない。妹さんを大切にな。」

 

同じ兄貴として、橘兄を嫌いにはなれなかった。俺も小町が同じ状況なら同じことをしたかもしれない。そして、逆に突き飛ばされ返されて負けちゃう未来が見える。負けちゃうのかよ、、、

 

 

そうして、今度こそ身を翻し1階に向かおうとする、、、

 

 

「淳にアサちゃん。どうかしたの?」

 

 

まだ来るのかよ。早く帰らせてくれ。

 

そうして、声のする方を向くとそこには、あのレジェンドクソビッチの称号を持つ片桐 奈々瀬がいた。

 

 

「って、八幡じゃない。どうしたのこんなとこで。淳といるなんて珍しいじゃない」

 

 

そう、俺と片桐は実は知り合いである。

というのも、俺は人目をさけて過ごせるベストプレイスをいくつか持っているのだが、そこには片桐がいることが多い。彼女は人目を避けて、何とかドスケベを免れている。

その関係で人目がつかない場所に片桐と出会うのは、ある意味必然といっても過言ではなかったのだ。

 

そこで、軽い会話をしてある程度の交流をしている。しかし、出会ったら会話する程度で、どちらも積極的に会話をすることはない。知り合い以上友達未満というやつだ。

その関係が少し居心地が良い自分がいた。

 

「あっ奈々瀬。実はかくかくしかじか・・・」

 

 

 

「へぇー、意外なのだわ。アンタが誰かのために動くなんて。でも、アサちゃんを助けてくれてありがとう。大丈夫?アサちゃん?」

 

目を大きく開けて驚く片桐。

 

「はい!奈々瀬さん!奈々瀬さんと会話したら、すっかり良くなりました!!」

 

橘妹は元気よく返事をする。先ほどのオドオドした態度はどこへやら、、、

 

「うん?八幡っていうことは、さっきの話の比企谷八幡って、、、」

 

 

「えぇ、彼のことだわ」

 

 

「そうか、そうか、、、」

 

 

橘兄は考えるように。顎に手を当てている。

 

あのー、早く帰りたいですけどね。完全にアウェーなのこっちは。友達に連れられて、友達の友達のグループに連れられるってこんな感じなのかな。友達いないから知らんけど

 

 

「すまない、比企谷だったか?ちょっと付いてきてくれ」

 

 

「は?」

 

ガシッと強く肩を掴まれて、そう告げられる。

どうやら、逃げられないらしい。

 

 

 

早く帰りたい。

 

そう切実に願う今日このごろでした。まる

 

 

 

 

 

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