名探偵コナン 〜桜下の操り人形(マリオネット)〜 作:ワンピース 夢幻の炎
いち早く駆けつけた、コナンと平次は、死体の周囲を確認しつつ、周りの人だかりに離れる様に指示を出す。
枝にかけられたロープ、倒れた脚立、首吊り。
首吊り自殺に見える状況。
警察がいるのであれば、現場を荒らす訳にもいかず、慎重に回りの違和感を探す。
その時、コナンが足元の灰に気がつき視線を落とす。
「どないした?工藤…」
コナンがしゃがみ込み、灰を確認しようとしたその時、警官を引き連れた平蔵が現れ、平次達を現場から出るようにと伝えた。
「ここから先は警察の管轄や」
鋭い視線が平次を射抜く。
「親父……!」
「部外者は下がっとき」
平蔵の一言で、二人は現場から押し出される。
事情聴取が始まり、参加者は順番にホテルへ戻されることになった。
ホテルへ向かう道すがら、平次は腕を組んで唸る。
「どう思う、工藤」
「さあな…
手掛かりが少なすぎて、まだ何とも」
「確かに…
そう言えば、工藤
さっきなんか見つけとらんかったか?」
「あぁ、灰みたいなものが落ちてたんだが、すぐ追い出されちまったから」
二人はしばらく黙り込む。
現場をほとんど調べられていない以上、推理の材料が圧倒的に足りない。
「……わからへんな」
その時、平次の目にホテルから出てきた1人の刑事の姿を捉えた。
大阪府警の刑事――
大滝悟郎だった。
平次の顔がニヤリと歪む。
「ちょうどエエとこに…
大滝はん!」
突然呼び止められ、大滝は振り返る。
「おお、平次くん!」
「ちょっと聞きたいことあんねん」
平次は大滝に近づき、声を潜めた。
「さっきの死体……どうなっとる?」
大滝は少し困った顔をする。
「本当は言うたらあかんのやけどなぁ……」
周囲を確認してから、小声で続けた。
「被害者は未来博の経理担当、山南敬一(やまなみ けいいち)。
死因はおそらく、首吊りによる窒息死。
死後3〜5時間位やと報告が上がっとる。
自殺か他殺かは、まだ何ともやが、会場の人間のほとんどにアリバイが有るっちゅう状況や」
そこへ、コナンが先程の灰について質問を挟む。
「あぁ、確かに、灰のようなもんが発見されて、今、鑑識が調べとる」
そこまで話をしたところで、大滝は、これ以上はと、足早に去っていった。
「結局、よぉ分からん言うこっちゃな」
「そうだな。どのみち現場も見られねぇ俺達じゃ、これ以上は警察の捜査を待つしかない。ってトコだな」
ライトアップされた桜の方を振り返り、捜査をする警察官達に視線を送る。
「ところで服部、お前部屋は?」
「なんや工藤、お前ホテル取ってへんのか?」
「バーロー、子供達と一緒じゃ捜査がやり難いから、お前の部屋に行こうと思っただけだ」
「2001や」
2人は、そんな会話をしながらホテルへと戻っていった。