綾小路 in Cクラス   作:NIES

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第17話:ビターエンド

 

 

 

 

船上試験二日目、夜八時五十分。

 

オレは自室のベッドに腰掛け、静かにその時を待っていた。龍園・葛城のAC同盟による一斉優待者当てイベントの決行時刻は午後九時、つまりあと十分ほどになる。

 

龍園によれば各グループのメンバーには話を通しており、また巳グループの優待者指名はオレが任されているため、現在進行形でメールの画面を開いて待機している。この件を一切知らないBDの連中は腰を抜かすかもしれないな。

 

 

 

 

「──────よし」

 

 

スマホの画面端に映る時刻が21:00を示した瞬間、オレは指定のメールアドレスに『佐藤摩耶』の名前を打ち込み、送信した。

 

数十秒後、スマホに大量の通知が鳴り響いた。正確に言えば、数は十一(・・)、だが。

 

 

 

画面を開き直せば、十一件全ての通知が学校側からによるものだった。当然だろう、十一個のグループの試験終了を知らせるメールなんだからな。

 

 

『子グループの試験を終了いたしました。当グループ所属の生徒は今後試験への参加は必要ありません』

『丑グループの試験を終了いたしました。当グループ所属の生徒は今後試験への参加は必要ありません』

『寅グループの試験を終了いたしました。当グループ所属の生徒は今後試験への参加は必要ありません』

『卯グループの──────』

 

 

各グループの試験終了を告げるメールが、ずらっとそこに並んでいる。仲間外れは、昨日試験が終了した申グループ(・・・・・・・・・・・・・・)以外なかった。

 

無事試験が終了したことへの安堵と、龍園が上手くやってくれたことへの満足感がオレに押し寄せ、不意に寝たい気分になった。少し早いが、今日くらいは誰もオレを咎めないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

学校から大量のメールが送られてきて、その内容を確認した俺は隠すこともなく笑っていた。作戦の成功は確信していたが、勝利の味はいつでも美味い。

 

その蜜を葛城にも啜らせてやったわけだが、本人に言ったとおり何の問題もない。葛城が俺のやり方を学んだとしても、綾小路清隆(Cの切り札)の作戦までをも超えることは卒業まで不可能だろうしな。

 

 

『勝ったな』

 

『ああ。手を貸したのは慧眼だったな』

 

『前のことを忘れるつもりはないが、お前の‘‘勝つ’’という結果の為の執念は買っている』

 

『そうかよ』

 

 

葛城からきたチャットの返信を済ませてから、オレは今回の影の立役者である綾小路にチャットを送る。アイツがいなければ、法則を割り出せたかは怪しい。悔しいが、クラスの勝利の半分はアイツのお蔭といっても過言ではないだろう。

 

 

『勝ったぞ』

 

 

それだけ送り、返信を待つ。だが、暫くしても返ってこなかったので飽き、俺は就寝のための準備を始めた。後々の始末はまだ残ってるが、そんなことは明日以降の暇な時間にやりゃいい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝。

 

比較的早い時間に目覚めたオレは、まだ眠っている山田と金田を起こさないように静かに部屋を出る。六時半、まだ廊下も静かで、起きている人はほとんどいない。

 

スマホの通知を確認すると、龍園からチャットが来ていた。短く『勝ったぞ』だけ。今回オレは優待者決定の法則を見抜いただけで、他は何もしていない。葛城との同盟も龍園が考案したものだから、今回の勝利は龍園のものといっていいだろう。

 

『流石だな』

 

それだけ送り、オレは朝食をとるためレストランへ向かうことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は少し遡り試験二日目の昼時。

 

 

 

「──────少し止まってもらえるかしら?」

 

 

廊下を一人で歩いていた私、伊吹澪は、そう言われて振り返る。すると、目の前には以前Dクラスのベースキャンプで見かけたことがあるような顔の女が立っていた。

 

 

「何?」

 

「無人島試験での借り、今回で返させてもらうわ」

 

 

 

 

 

 

「この前の試験ではよくもやってくれたな。龍園」

 

「全部、作戦通りだったなんて」

 

「負け犬の声は小さくて聞こえねぇな。騙される方が悪いって義務教育で習わなかったか?」

 

 

辰グループのディスカッション後、他の奴らとは離れて歩く俺に、後ろから一之瀬と神崎が話しかけてきた。無視してもいいが、乗ってやるのもまた一興だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何から話しましょうか」

 

「なるべく早くしてもらえると助かる。約束が控えてるんだ」

 

「そうですか。じゃあ、あなたからは胡散臭い匂いがすると思ったところからですね」

 

 

オレ、綾小路は朝早くから運が悪い。なんと、試験で同じ巳グループだった森下に、レストランで捕まってしまった。他にはまだニ三人しか人がいなかったのもあり、逃げられなかったのだ。助けてくれ。

 

 

────────────────────────────────────────────

 

 

試験結果載せておきます

 

 

結果:全グループ結果3にて終了

 

↓優待者当て一覧↓

 

子グループ:Cクラスが的中

丑グループ:Aクラスが的中

寅グループ:Cクラスが的中

卯グループ:Aクラスが的中

辰グループ:Aクラスが的中(葛城)

巳グループ:Cクラスが的中(綾小路)

午グループ:Aクラスが的中

未グループ:Cクラスが的中

申グループ:Dクラスが的中(高円寺)

酉グループ:Aクラスが的中

戌グループ:Cクラスが的中

亥グループ:Aクラスが的中

 

 

CPT変動

 

現A(葛城)クラス :+150

現B(一之瀬)クラス:-150

現C(龍園)クラス :+100

現D(平田)クラス :-100

 

 

試験後CPT

 

A(葛城)クラス :1474

B(龍園)クラス :866

C(一之瀬)クラス:596

D(平田)クラス :0

 

 

PPT変動

 

葛城クラス:+150万

龍園クラス:+400万

 

 

~~~~~~

龍園と葛城が結んだ契約は、一グループ分つまり50CPT多く葛城に渡す分、収益として入るPPTの半分を龍園に譲渡するというものです。

クラス単位で見れば20万得し、加えて坂柳を黙らせる材料にもなるため、葛城は了承しました。よって本来の収益は「Aクラス:300万、Cクラス:250万」のところ「Aクラス:150万、Cクラス:400万」になってます

 

 

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