綾小路 in Cクラス 作:NIES
──────学年から三人の退学者を出した過去最悪の特別試験『クラス内投票』。それが終了した翌々日の月曜日。
教室に入ってきた坂上から、重大告知が行われた。内容は、学年末に行われる今学期最後の特別試験についてだ。
「………今から、一年生最後に行われる特別試験の内容について説明します。心して聞くように」
内容をまとめれば、以下の通り。クラス全体を通して能力が問われる試験になっている為、オレたちは厳しい戦いを強いられることになりそうだ。
名称:選抜種目試験
・対抗するクラスを選択する。1クラスに選択権がランダムで付与され、それ以外は自ずと決定される。クラス対抗1対1。
・各クラスは試験で採用する内容を計10種決定する。内容は引き分けが起きないもの、マイナー過ぎないもの、実施不可能なものでない限り基本認められる。
・試験当日に事前に選んだ10種の中から『本命』として5種目を選択する。試験は両クラスが提示した『本命』10種の中からランダムに7種選択され、行われる。
・各生徒出場は1度までであり、クラス全員が1度参加した場合2度目の出場が可能。
・クラスポイントに影響する為、早期に決着が着いても試験は最後まで行われる。
・試験で勝利したクラスには100クラスポイントが与えられる。また1種目につき30クラスポイントが敗北クラスから勝利クラスへ移動する。
・各クラス1名『司令塔』を選出する。『司令塔』は試験内容に直接参加することは不可能だが、各内容に指定されているルールに則って間接的に参加可能。
・『司令塔』はクラスが敗北した場合、退学処分を受ける。
その日の放課後、自室に戻って読書に励んでいると、スマホに通知が来た。見れば、クラス全体のチャットで金田が発言していた。
どうやら、Cクラスと戦うことになったらしい。龍園はどこと当たるか決定する為にプライベートポイントを使う気はないって言ってたが、結果オーライだな。
『作戦会議と行こうぜ』
『それ、オレとやる意味はあるのか?』
『あるだろ。見落としがあったときに言うのがてめぇの役割だ』
『さいですか』
その後、龍園から電話がかかってきた。選抜種目試験までは後二週間あるわけだが、既にやる気満々のようだ。そりゃそうか、クラスポイントを盛る貴重な機会だしな。
『俺としては、真っ向からぶつかるか盤外戦術で確実に仕留めるかの二択だと思ってる』
『………驚いたな。この時期、このタイミングでお前から前者の択が出るとは思ってなかった』
『まだ地力じゃCクラスには及ばないだろうからな。今調子づいてる雑魚共の意識を明確にするには良い機会でもある』
『その二択はどちらも間違ってない。オレでも、そのどちらかを選ぶ。これが今回の答だ』
本当に、どちらでも構わない。前者を選べば勝てる見込みは低いが、実力差を痛感できより龍園への信頼も募るだろう。逆に後者を選べば更に下を突き放し、Aクラスに近付ける。新年度に向けて勢いをつけることもできるしな。
『そうかよ。なら俺は…………後者を選ぶぜ』
『そうか』
『不服か?』
『今さっき言っただろ、どちらも正解だ。それに、王の決定に異議を申し立てる部下はいない』
『そりゃそうだ。それと、今週中にお前が誰にも負けないと言える内容を一個考えておけ』
『分かった』
『じゃあな』
龍園はぶっきらぼうにそう言った後、電話を切った。最後の内容は、確実に一つ勝ちを得る為だろう。オレを頼ると言うのは悪くない判断だ。
『残念です。
『どのみちオレは一位じゃなかった。直接対決とは行かなかったんじゃないか?』
電話越しに心底残念そうな声を出す坂柳に、オレはそう返す。確かにAクラスと真正面から戦うのを見てみたいという気持ちはあるが、これは仕方のないことだ。
『それはそうですけど。でも、龍園くんなら綾小路くんを重要な種目で出すでしょう。そこで私も参戦する心算だったのですが』
『どうしてもというのなら、決定権を教師から買えばよかったんじゃないか? 龍園は買わなかったようだし、多分通ったぞ』
『まだ葛城くんを引き摺り下ろせていないのに、そんなことをする余裕はないですよ。一位にはなれましたが、リーダーの地位を確立できたわけではありませんし』
葛城も不憫だな、こんな奴と同じクラスとか。敵にも厄介なのがいるのに、内ゲバの対処も同時にしないといけないとか脳が処理落ちしそうだ。
『そうか。まぁ、月城が絡んでくる可能性のある試験で無駄に目立つ必要もないだろう』
『綾小路くんにプロテクトポイントを渡せていたら有り得たかもしれませんが、あの人が今回の試験で絡んでくる可能性は低いんじゃないですか?』
『オレのいるクラスのポイントを減らす為に動く可能性は多少ある。大きな動きは出来ないだろうけどな』
『………では、健闘を祈っておきますね』
『ああ。そっちもな』
坂柳との電話を切ってから、オレはベッドに腰掛ける。Aクラス対Dクラスの対決は、考えるまでもなくDクラスの敗北によって幕を閉じるだろう。が、問題はうちの方だ。
身体能力や武力を競う内容なら勝ちを拾うことは出来るだろうが、向こうの問題はそれを見越して学力に振ったものになる筈。そうなれば、うちではカバーし切れない差で負けることになる。
盤外戦術と龍園は言っていたが、何をする気だろうか。自身の身を第一に考えて動いて欲しいが、勝つ為なら何でもしそうなのが龍園という男だ。まぁ、任せるか。
翌日、放課後。オレはケヤキモール内の人気のないカフェに出向いていた。勿論一人じゃない。一人じゃくる勇気ないからな。
「ここなら問題ないでしょう」
「しっかし、聞いた時には割と驚いたぜ金田。まさかこいつについて知ってたとはな」
四人席、反対側には龍園が座り、隣には金田がいる。なんで野郎三人でカフェにいるのかというと、金田が龍園にオレの実力の一端を知ってるという事を打ち明けたからだ。
それで、なら遠慮なく今後は金田も作戦会議に加えちまおうという話になり、こうなった次第である。オレはなんか、流されてしまった。
「去年の無人島試験直後に綾小路氏とは話をさせていただきました。なにせ、全教科六十点は明らかに異常でしたからね」
「クク。お前もそれで気付いてたのか、俺と同じだな」
「光栄です。しかし、去年からどれだけの作戦を二人で立てて来たのか参考までに聞いてもよろしいですか?」
丁度店員がブラックコーヒーを三つ運んできたことで、金田が話を区切る。作戦会議が目的だが、時間はあるしな。
「どうせバレてるんだ。時間もあるし長くはならないだろうからオレは構わないぞ」
「そうかよ、ならしょうがない。称賛票一位の褒美に答えてやる」
それから龍園は、今迄のことを語り出した。一学期中間試験での過去問使う使わない議論、無人島試験でのリーダーすり替えさせる作戦。船上試験では優待者の法則をオレが三十秒ほどで導き出した話などだ。
「………凄いですね。僕も考えてはみましたが、そこまで早く導き出すことは出来ませんでした」
「そりゃ、コイツはヤバいからな。ほいほいと同レベルの奴がいちゃ俺が困る」
「本当に凄い。去年のペーパーシャッフルでの問題の添削をお願いしたのは正解でしたね」
「受けたかったわけじゃないけどな。参謀の言うことを聞くのは、一クラスメイトとして当然だと思ったからやったまでだ」
ペーパーシャッフルでは、難易度が高すぎる問題の採用は認められていなかった。教師陣に何度も問題を提出しながら問題を決定するのは今思い出しても骨の折れる作業だったな。
「………ありがとうございました」
「それじゃあ、始めるか。今回の試験の方針会議を」
「ちゃちゃっと決めよう。帰ったら少し予定があるんだ」
「それはお前の態度次第だな。まずはCクラスへの──────」
──────この会議から二日後、BクラスからCクラスへの嫌がらせが始まる。
今は綾小路or龍園の視点しかないが、他クラスメンバー(坂柳・一之瀬・平田など)の視点を書いて欲しいか否か
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話の進みが遅くならないならいいよ
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見てみたいから話数が多くなってもOK
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いらん