綾小路 in Cクラス   作:NIES

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終盤に少しだけ一之瀬の視点が入ってます
初挑戦なので違和感があったら教えてもらえると助かります


第33話:決戦前夜

 

 

 

我ながら、今までオレはよくやってきたと思う。他のクラスメイトにバレないように点数を調整することを覚えたし、ちゃんと龍園に協力もしてる。クラスがBに上がれたのだって、30%くらいはオレのお陰だと思う。

 

だからこそ、今日のような日があっても誰もオレを責めれないだろう。

 

 

 

 

「─────美味しいですね。これ」

 

 

目の前で、ショートケーキを一口食べて微笑むひより。うーん、去年から変わらず天使だ。

 

 

「………だな。無限に食べてられる」

 

「無限はダメです。綾小路くんが虫歯だらけになるの嫌ですから」

 

「歯磨きは毎日してるぞ………」

 

「量が多ければリスクも高まるという話です」

 

 

今日、オレはひよりと共にケヤキモールのカフェに赴いていた。少し値段が張るということで、人も少ない。小説を読みながら語らっても迷惑にはならない場所だ。

 

 

「一理というか二理くらいあるな。しかし、椎名は普段お菓子とか食べるのか? あまり、そういう印象がないんだが」

 

「食べませんね………朝昼晩の食事だけで満足ですし。それに、太りたくないので」

 

「女子は大変だな」

 

「綾小路くんだって、悠長にしてられる立場じゃないと思いますよ? アイスとヨーグルトならまだしも、お菓子やケーキにまで手を伸ばし始めたらとうとうお終いです」

 

「椎名にそう言われると怖いな、気を付ける」

 

 

 

 

 

 

 

 

三月十五日。今日、全クラスの指定内容十種が公開された。今回の試験での相手であるCクラスの内容を見て、龍園は悪そうに笑ってた。相手が不憫だ。

 

 

『英語テスト』

『化学テスト』

『現代文テスト』

『公民テスト』

『古文テスト』

『サッカー』

『数学テスト』

『テニス』

『物理テスト』

『歴史テスト』

 

 

 

Cクラスの指定してきた種目はこれだ。学力で明らかに劣っているオレたちに対する策としては嫌なくらい有効なテスト固め。嫌がらせか? いや、嫌がらせか、普通に。

 

しかも、あっちは全教科の成績が比較的高い所為で教科を絞り込めないのも厄介だ。それに、明らかに異質なスポーツ二つも気になる。得意な奴がいるのだろうか。

 

 

 

 

 

「お前ら、先日言った通り、オレたちは今回の試験で確実に勝ちに行く。悪いが、人数消費の為に捨て駒になる奴も出てくる。それでもやる気はあるな?」

 

 

相も変わらず教卓に腰掛け、龍園はそう尋ねる。大きな返答こそなかったものの、金田やアルベルト、石崎といった家臣たちは力強く頷き、伊吹は顔を逸らしながらも当然と返していた。

 

因みに、うちの指定する内容は以下の通りだ。良くも悪くもうちの特性を生かし、勝つ為の内容。相手の内容に迎え撃つ為に、事前に策を想定していた龍園の思考錯誤の賜物である。

 

 

『英語テスト』

『大繩跳び』

『化学テスト』

『空手』

『柔道』

『チェス』

『テコンドー』

『バスケットボール』

『バレーボール』

『キックボクシング』

 

 

 

分かる人は分かると思うが、中盤にある『チェス』がオレが龍園に告げた絶対に勝てる内容(・・・・・・・・)だ。Aクラスとの勝負だったなら坂柳が出る為不安要素はあったが、相手がCクラスなら負けることはない。

 

 

 

 

 

 

「────そういえば、良かったんですか?」

 

「何だが?」

 

「選抜種目試験の内容のことです。龍園くんから聞きましたが、『チェス』の内容は一騎討ち指定らしいじゃないですか」

 

 

いつも通りの帰り道を歩いていると、不意にひよりにそんなことを言われた。今の言葉は、実力バレないのか?というのを内包している。

 

 

「今まで龍園は裏だけで色々とやるだけで満足していた。やろうと思えば、オレを表に引き摺り出すことも出来たのにな。せめてもの礼を込めて、一種で確実に勝利を渡す。それに、チェスは元々一対一の勝負だからな」

 

「………ずっと言えなかったんですけど、もしかして綾小路くんが龍園くんに従ってる理由は、私ですか?」

 

 

ひよりの瞳が揺れる。少しだけ暖かくなってきた春を運ぶ風が、オレたちの背中を撫でたような気もした。

 

 

「──────そんなことはない。オレが実力をバラされたくなかったら頭を貸せと言われたから協力しているに過ぎない」

 

「そう、ですか。…………なら、いいんですが。もし清隆くんの重荷になっているのなら、それは耐えられないです」

 

「重荷だなんてとんでもないな。オレはひよりといれる現状に満足している。それは、龍園への助力も含めてな」

 

 

少しだけ安心したような顔をするひよりを見れば、この嘘も人の為になったと思える。それに、オレが直接戦わずとも大体の問題は龍園がやってくれるから本当にちょっとしか手を貸してないしな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆一之瀬帆波視点◆

 

 

──────今回の試験で対戦することになった龍園くんたちの提出してきた種目を見て私は、逡巡を繰り返していた。

 

今まで、ずっと叶わなかった相手との直接対決。正直言って、怖い。無人島試験で負けて、グループ別試験で負けて。体育祭とペーパーシャッフルで何とか盛り返したポイントを以ってしても、結局追いつけずにいる。

 

変わらぬ全幅の信頼を預けてくれているクラスの皆の期待に、私は応えなければいけない。

 

 

 

「………一之瀬、怖いのか?」

 

 

気付けば隣に立っていた神崎くんが、そんなことを言う。まるで心の内を見抜かれたみたいで、少しだけ胸が苦しくなる。

 

 

「そう、だね。まだ着いてきてくれてる君に言うのもあれだけど、怖いよ」

 

「確かに、龍園は強い。俺たちが想像もできなかったような奇想天外の一手でいつも俺たちの上を行く」

 

「…………」

 

「だが、それはあくまで裏工作が通じる試験での話だ」

 

「え………?」

 

「今回の試験、七種目本番で選ばれるのなら各クラス三個は確定で、最後の一つがランダムで選ばれる可能性が高い」

 

 

言われてみれば、そうだ。私たちが選んだ種目も、絶対に選ばれる。椎名さんたちのように頭のいい人もいるけど、それでも負ける気はしない。

 

 

「向こうの選んだ種目から見れば、『柔道』『キックボクシング』『空手』『テコンドー』の四つはほぼ確定と見ていいだろう。テストは恐らくブラフだろうから、残りの四つを分担して練習すれば怖い相手じゃない」

 

「そう、だよね。まだ、私たちは負けてない」

 

「ああ。一人が強ければ勝てる試験もあるが、今回はそれじゃない」

 

「あとは、嫌がらせさえなくなってくれればいんだけどね」

 

「学校に報告したところで見過ごされるような小さな内容ばかりだ。下手に気にするよりも、見過ごすのが吉だろうな」

 

 

 

三百と少し離れてしまったポイント差を少しでも縮める為に、全種目勝つつもりで挑む。そう決意し、私は神崎くんと一緒に教室を出た。

 

 

 

 

 




因みに、試験当日にも触れる予定ですが種目『チェス』には約30%の確率で引き分けが起こるので、その場合二局目を開始。それでも引き分けになった場合AIによって先手後手を考慮した上で『攻めていた』時間が多かったと判断された方の勝利とするルールになってます

今は綾小路or龍園の視点しかないが、他クラスメンバー(坂柳・一之瀬・平田など)の視点を書いて欲しいか否か

  • 話の進みが遅くならないならいいよ
  • 見てみたいから話数が多くなってもOK
  • いらん
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