綾小路 in Cクラス 作:NIES
筆が乗ったので今の内にと書き上げました
──────三月二十二日、ついにこの日がやってきた。今日は一年生最後の特別試験である『選抜種目試験』の実施日だ。月曜日から憂鬱にさせるのが上手い学校だまったく。
「とうとうやってきたな。お前ら、今日の試験は絶対に勝つ。死んでも相手に勝つ覚悟を決めろ」
この場の最高権力者は龍園なのでいつも通り遠慮なく教卓に腰掛け言った。そして、いつもと変わらぬ威圧感とカリスマを放っている。
金田は既に司令塔の役割を果たす為に別室へと移動している。坂上も監督役で同室へ。各クラスからも平田・一之瀬・坂柳が来ていたらしいし、やはりどのクラスもプロテクトポイント保持者を司令塔にしたようだ。
教室に設置されたモニターには、リアルタイムで別室にいる金田の様子が写されている。種目勝負が始まれば、そっちも映るらしい。
はてさて、どういう結末を辿るのか。金田との作戦会議である程度の戦略は把握しているが、龍園がどういう指示を出したのか詳しい内容は聞いていない。精々、見届けるか。
Bクラスが『本命』に選んだ内容は『空手』『ボクシング』『柔道』『チェス』『バレーボール』だ。
対するCクラスは『数学テスト』『英語テスト』『現代文テスト』『サッカー』『古文テスト』、やはりテスト固めとなっている。
第一戦目
Cクラス選択『英語テスト』 必要人数8名/必要時間50分
ルール:1年度における学習範囲内の問題集を解き合計点で競う
司令塔:1問だけ代わりに解答することが可能
最初に選ばれたのは
結果:Bクラス『461点』vsCクラス『482点』でCクラスの勝利
モニターに写された結果を見て、オレは悟った。今回の試験は
「龍園くんの嫌がらせが効いていますね」
「戦略と言え。盤外戦術っていう名のれっきとした作戦さ」
龍園はまた不敵に笑ってそう言った。盤外戦術って言う名の犯罪行為じゃないのか?カラオケのドリンクに遅効性の下剤混入させたりとか、Cクラスの生徒相手に言い掛かりとか。
第二戦目
Bクラス選択『バレーボール』 必要人数6名/必要時間不明(3セットマッチ)
ルール:通常のバレーボールに準ずる。
司令塔:任意のメンバーを1名のみ入れ替えることが可能
木下や矢島、山脇といったある程度運動の出来る生徒に加え龍園自身が出張ったことで、戦況はやや過剰戦力と言える程Bクラスに傾いた。相手方の生徒の動きが明らかに鈍かったのも要因の一つだろう。
結果:Bクラスの連続2セット獲得によりBクラスの勝利
まぁ、流石にこうなるか。しかも点差だって十点以上離れての完全なる圧勝。いくら盤外戦術の所為で絶不調とはいえ、これは堪えるだろう。龍園と一之瀬は相性最悪だな。
第三戦目
Bクラス選択『キックボクシング』 必要人数2名/必要時間3分(3分3ラウンド)
ルール:通常のキックボクシングに準ずる。合計残点が多いクラスの勝利
司令塔:任意の1ラウンドの結果を無効とし、1度のみやり直すことが可能
意気揚々と教室を出て行った伊吹。試合を終えて帰ってきた龍園も彼女の自信に満ちた顔を見て、更に勝利を確信したらしい。クククって悪そうに笑ってた。あ、いつもか。
結果:Bクラス『29点』vsCクラス『22点』でBクラスの勝利
Cクラスの生徒は終始腰が引けているように見えたし、画面に写る金田の奥の一之瀬は辛そうな顔をしていた。伊吹は華奢だが武闘派だ、せめて女子は出さないようにしたんだろう。それに、後に控えているお互いの内容の為にも戦力の温存は必須。最初から勝敗が見えていた試合だったな。
第四戦目
Cクラス選択『現代文テスト』 必要人数7名/必要時間50分
ルール:1年度における学習範囲内の問題集を解き合計点で競う
司令塔:1問だけ代わりに解答することが可能
ここに来てようやくひよりが参戦することになった。他にもBクラス内では比較的学力の高い生徒たちが集められ、教室を出て行った。
「頑張ってきます」
「ああ。最善を尽くしてきてくれ」
そんな会話をした後、ひよりを見送った。総合点での勝負だから貢献できる幅は少ないが、ひよりならきっと勝てる。
結果:Bクラス『498点』vsCクラス『467点』でBクラスの勝利
流石だな、Cクラス相手に三十点程の差を着け完勝だ。本を読むのが好きなひよりと現代文テストの相性が良かったのもあると思うが。
第五戦目
Bクラス選択『空手』 必要人数3名/必要時間10分
ルール:1試合3分の寸止めルール 勝ち抜きルールを採用
司令塔:任意の対戦を無効とし、1度のみやり直すことが可能
ここではようやく我らが喧嘩自慢石崎が1番手に鈴木、2番手に小田を加えて出陣。相手には混合合宿である程度話す仲になった渡辺もいたが、普通にアクシデントもなく勝った。
結果:石崎大地が米津春斗に勝ち、Bクラスの勝利
試合を終えた三人は少し疲れたような顔をしていたが、怪我もなく帰ってきた。なんなら、心配なのはCクラスの方だろう。なんか、二人くらいお腹痛そうにしてたし。そして、ここでBクラスの勝利が確定した。
「おいおい。手応えがねえなぁ」
龍園が呟いた。それもそうだろう、向こうが選択した内容でも勝利を獲得し、加えて先に3回こちらの内容が来たわけだからな。それに、ここは実力主義元い裏工作主義だからな。勝てば官軍負ければ賊軍を体現する学校なのだ。
第六戦目
Cクラス選択『サッカー』 必要人数11名/必要時間30分(前半後半計60分休憩10分)
ルール:通常のサッカーのルールに準ずる
司令塔:任意のメンバーを1名のみ入れ替えることが可能
流石にCクラスの内容が選ばれたか。しかし、こちらは既に勝利が確定し波に乗っている状態だ、向こうにサッカー部がいることは龍園から聞いているが、どちらに転んでもおかしくないだろう。
結果:Bクラス『9点』vsCクラス『12点』でCクラスの勝利
園田や小宮、近藤など運動の出来る面子を出したが、惜しくも敗北を喫した。相手方の疲労や頭痛腹痛などによりかなり点が入る試合だったが、サッカー経験者がいなかった為連携が上手く取れなかったのが敗因だろう。加えて、万全のオレたち相手に勝利を掴んだCクラスも凄い。
さて、とうとう最後の種目になってしまった。今のところ四勝二敗と完全に勝ち越しているし、最後は何が来てもいいだろうな。残っているのは『柔道』『チェス』『数学テスト』『公民テスト』の四つ。最後は完全に運だ。
皆が視線を送る中、モニターに表示されたのは
──────『チェス』。どうやら、運はオレに巡ってきてしまったらしい。
「よろしく頼む」
「ああ、よろしく。お手柔らかに頼む」
三階に設けられた空き教室に入ると、既に対戦相手と思われる神崎隆二が来ていた。龍園からは頭も切れて運動もできる生徒だと聞いている。
「チェスは個人種目だ。誰か得意な奴がいると踏んで練習しておいて正解だったようだな」
「読まれてたわけか。だが、生憎と練習して数週間かそこらの相手に勝ちを譲る心算はない」
…………真嶋の合図で対局が開始した。
──────彼、清隆くんとCクラスの神崎くんの勝負は、まさに
以前、清隆くんと少しだけチェスの話をしたことがある。そのときに聞いたオープニングと呼ばれる序盤の段階、そこで既に二人の差は見えていた。
わずか十五分程度の対局、それだけで清隆くんは完膚なきまでに相手を叩き潰したのだ。その実力差は未経験者の私から見ても明らかで、きっと神崎くんの心は折れてしまっただろうと確信できる程度には圧倒的だった。
大切な友人が快勝したので当然嬉しい。けど、モニターに映る彼の顔に終始一切の起伏がなかったことも、鮮明に覚えている。
神崎に勝利してからクラスに戻ると、何故か歓声に包まれてしまった。「綾小路やるじゃん」とか「試験の点数良かったしね~」とか言われてる。石崎と視線が合ったと思ったらにかっと笑い返してきた。
心の中で溜息を吐きつつ、これで一年分の借り(元よりあまりない)はチャラだぞと龍園に視線を送る。来年度からは、もっと動かざるを得なくなるだろうからな。
「クク、よくやった。上出来だ」
「そりゃどうも」
龍園が右手を挙げたので、横を通り過ぎるついでに右手で叩いておいた。ハイタッチというやつだ。前に石崎ともやった。
5 - 2でBクラスの勝利
分かってると思いますが一応、AクラスvsDクラスは7 - 0でAクラスの勝利です
一年生編終了時点のクラスポイント
A(葛坂)クラス :1691(+310)
B(龍園)クラス :1171(+190)
C(一之瀬)クラス:569(-90)
D(平田)クラス :0(-210)
今は綾小路or龍園の視点しかないが、他クラスメンバー(坂柳・一之瀬・平田など)の視点を書いて欲しいか否か
-
話の進みが遅くならないならいいよ
-
見てみたいから話数が多くなってもOK
-
いらん