今回の話は全体的にごちゃごちゃしてますので、少し読みにくいかもしれません。
騎士団との対談から数日が経った。
宿儺は、冒険者協会に入り多くの依頼をこなしており、採取や戦闘などを片っ端から行ったため、モラは増え少し有名な冒険者となっていた。
だが、依頼はそこまで多くないため暇な時間ができるため、大抵は、暇を潰すために図書館に行ったり、元素と呪力の合わせ技などを練習したりしている。
今ヒルチャール殲滅の依頼を受けて戦闘していた。かなり珍しいことに指名である。
だからこそ違和感があった。
まずは場所、基本的にヒルチャールたちは外で拠点を作っているが、今回は小さな洞窟、いや神殿だ。戦力も暴徒が五体、シャーマンが3体、王者2体とかなり危険だ。本来なら騎士団が処理するようなものだが、なぜだが冒険者教会に回って来た。そして名指しだと言う点。明らかに、こちらを試していると言うことがわかる。
宿儺は罠だと理解した。おそらくアビス教団だろう。
ジンたちと話しをした際に、モンド城内で戦ったアビスの魔術師について聞いておりヒルチャールたちを操れる事も教えてもらっている。
「中々の強さだ。」
「ふむ。やはりお前たちか。」
戦闘が終わると同時に、奥から鎧に身を包んだ人?がいた。
顔すらも鎧で覆われており、人型であることから人間であると推測することしかできない。
「用意周到だな。ここのヒルチャールの殲滅依頼を出したのも俺を誘うためか。」
「貴様には、聞きたいことがある。」
「ほう。」
「なぜ。貴様はアビスの力いや、アビスに近い力が使える?」
「アビス?」
「ふむ。わかっていないのか。あの日貴様がアビスの魔術師を屠った時貴様から確かにアビスに近い負の力を感じた。」
「負の力……」
(…呪力か。アビスと言う力と呪力は近い物なのか?)
「だが、貴様の最も異常なところは、アビスと元素を混ぜ合わせられる事だ。答えろ。貴様は何者だ?」
「なるほど。俺を戦わせたのは、その力どれほど扱えるか見るためか。」
「ああ。で、貴様は何者だ?」
(アビスについて知るには、良い機会か。)
「勝てたら教えてやる」
「抜かせ」
アビスの使徒が、両腕から青い色の剣を出現させ斬りかかる。ヒルチャールや遺跡守衛とは比較にならない速度で接近し刃を振る。刃は、負のエネルギーで構成されており、おそらくこれがアビスなのだろう。
「ふんっ!!」
宿儺は、ギリギリで体を逸らし回避し使徒は、流れるように攻撃を続けて行く。だが、それらすべてが当たる事はなく空振りとなる。
(確かに呪力に近い力だが。呪力と同じと言うわけでないだろうな。)
宿儺は、振り翳された刃を掴み反転術式を流し込む。するとアビスから形成された刃が欠けた。
「なっ!?」
使徒が驚きの声を上げ、停止してしまう。その隙を見逃さず宿儺は、腹に拳を叩き込む。
「ぐっ!!」
アビスの使徒は、体をくの字に曲げ壁に激突する。壁に亀裂が走り砂煙が舞った。
(反転術式を纏って掴んだが、一部分が消え8割近くが残ったな。呪力なら完全に消せるが、色々と試した方が良さそうだ。)
「中々やるな。」
そんな考え事をしているとアビスの使徒が、立ち上がりまた刃を出していた。
刃を出しまた切り掛かってくる。先程より早く連続で攻撃する。
それに対し宿儺は、拳で相殺する。
ただ殴り合いをしている訳ではない。呪力との違いを見つけようとしていた。
しばらく攻防が続くが、互角ではない。
アビスの使徒の攻撃を宿儺は、容易く躱す。
時折相手の刃を解や捌で斬るなど、実験をしているような感覚だ。
(反転の影響は、微弱。解よりも捌の方が破壊が容易いな。やはりアビスは、呪力と同質の力を持っている。だが、反転の効きが悪い事を見るにアビスはより上位の力と見るべきか。)
「解。」
宿儺が、そう呟くと不可視の斬撃が使徒を襲う。
「ぢぃ!!」
不可視の斬撃を捉えることができず、両腕と体から血が溢れ膝を着く。解の出力をそこまで上げていないのに。ここまで簡単に斬れるとは宿儺も想定外だった。
「ふむ。今の解で腕が飛びかけるか。アビスのコントロールがうまくできていないな。」
宿儺は膝を着く使徒を見下している。呪力同様にガードできると踏んで「解」を放ったが、刃以外はズタズタだ。
「お前も所詮はその程度か。」
「黙れ!!貴様に何がわかる。」
「お前よりは分かるぞ?」
右腕にアビスを纏わせる。感覚としては、呪力操作と似たような物だ。多少の差異で、完璧にコントロールはできないが、纏わせたり流したりはできる。
「なっ!?」
「お前とて予想していただろ?アビスに近い力が使えるなら、アビスを使えてもおかしくないと。」
そう使徒も予感はあった。刃を消したり、不可視の斬撃を放ったりとどちらも普通の人間ができることではない。その時点で、宿儺が異常である事を理解していた。
「ぐっ。今日はここまでにしてやる。」
今のまま戦った所で、使徒は敗北する事を理解していた。これ以上戦う意味もないと彼は判断し、撤退する。
すると後ろの空間が割れ神秘的な光と宇宙のような果てのない藍色の空間が、そこに存在している。
使徒は、そんな空間に躊躇なく入った。次の瞬間には、何事もなかったかのように、裂け目は消えていた。
「逃げたか。アビスの力によりの空間の結合か?アビスは、負の圧力によりこの世界をねじまげられるのか。」
呪力は、ただの負のエネルギー。アビスは超高密度な負のエネルギーと言えるだろう。世界そのものに、混沌を起こせる力。そっちの方がしっくりくるかもしれない。
「こうか。」
宿儺は、アビスの力で空間を割った。彼本人の高いラーニング能力に加え、領域展開による空間の解釈により彼は見ただけでやってのけた。
割れた空間を数分観察した後に、空間を元に戻す。
「次は、呪力と混ぜるか。」
呪力とアビスは、能力的には似たような力を持っている。それどころかアビスは、呪力の上位互換と言えるだろう。
だが、この2つの決定的な差、それは世界だ。
いくら呪力がこの世界に適応したといえど、すべてが変わったわけではなく。この世界が、情報処理できるようになっただけで根本的な核は、何も変わっていない。
別世界の負のエネルギー同士を、混ぜ合わせようとしているのだ。
呪力を右手に集中させ、左手にアビスを出し、そのままぶつける。呪力の方が扱いは慣れているため、アビスと言う器に少しずつ流していく感覚だ。
「ほう。呪力が進化した?」
混ざり合って完成した力は、呪力が進化したと言える物だ。アビスは、より負のエネルギーが増し呪力に変化された。この世界的には、特殊なアビスが生まれたと言う方が正しいかもしれない。
「解」
進化した呪力で術式を発動させた。すると放たれた解は、通常よりもはるかに高速で対象を切断した。いや、それだけではない威力も格段に上がっている。
「進化した呪力は、術式を強化させるのか。」
捌は、あまり変化はないが、十種影法術の式神や呪力により身体強化は、しっかりと影響を受けていた。
おそらくは、領域なども強化されているだろう。
「中々楽しめそうだ。」
宿儺は、面白そうに言う。だが彼は理解していなかった。アビスを変化させた事を理解している者たちがいる事をそんな奴らが、この世界にとっての異常であることを。
「ふむ。変わったアビスの力を感じて来てみれば。なんとも不思議な事だな。」
美しい女性の声が、背後から響いた。宿儺は、その声を聞いて初めて自分の背後に誰かがいることを認識した。
振り返るとそこには、白髪の長髪に白磁のような白い肌を持った女性がいる。美女と言えるほどの美しさを持つが、宿儺が目を引いたのはその手足だ。腕は、上腕から足は太ももからアビスに、変化していた。宇宙やクリスタルを思わせる美しい色は、宝石のように輝いて見えるだろう。
「いつからいた?」
「ついさっきからだ。」
宿儺は、彼女がいつ来たのか感知できなかった事に少し驚きながら質問した。帰って来たのは淡白な声だった。
「お前は、この世界の人間か?」
「………いや、違うな。」
「やはりそうか。」
彼女の質問に、迷いながらも宿儺は返答した。本来なら隠していたいが、アビスを理解し、身体の一部にしている者の前では、意味がないと判断したのだ。
「お前、名前は?」
「…………スカークだ。」
今度は、宿儺が質問した。名前。強者以外に興味がない彼が、これからの付き合いで必要になるからと言う理由以外で、唯一自ら聞いた事は、スカークと名乗る女性を強者だと理解したと言う事に他ならない。それと同時に彼は高揚していた。
モンド城周辺の敵は、あまりにも弱すぎる。
強者との戦闘。彼がこの世界で最も欲している物。
そんな欲しがっていた物が今、目の前に現れたのだ。
宿儺の目が、スカークを獲物として捉える。
それを彼女も理解しアビスで生成された剣を出す。
「さてさて。退屈させてくれるなよ。」
宿儺は、楽しそうに笑いながらスカークに言い放った。
次回戦闘です。
スカークは、私が好きなので出したのと宿儺と以外と相性良そうだと感じたため出しました。
実は、宿儺がゲームでプレイアブル化したらみたいな物を考えていて、神の目の部分をどうしようか悩んでいるのですが。何か案があれば教えてください。