「ぁ……えっと〜……」
顔が赤い。選択肢をミスったか?流石にさっきのはキザ過ぎたか。
「あ、いえ。別にイチカさんには手を出すつもりもありませんし、危害を加えることもありません。住処をくれればそれでよくて」
「……わ、わかったっすよ!一緒に!一緒に暮らしましょう!?」
あ、OK貰えた。よかった〜。
「ふぅ……。じゃあ、退院っていつっすか?」
「明後日ですね」
「それじゃあそれまでに色々と買い揃えておきます!……服は……」
あ、また顔赤くなってる。……異性と2人きりって緊張するもんな。そうだよな。
「自分で買いますよ。この世界の貨幣がどうなのかわかりませんけど」
「あ、これっすよ」
……どうやら、模様が変わっている。単位は変わらないものの、こちらの世界のお金は使えなさそうだ。
「それじゃあ、今度買いに行きましょうか……お手数かけます」
「は、はい……えっと、それじゃあ私帰るんで……その、これからよろしくお願いします!」
……イチカさんはそそくさと家に帰ってしまった。困った、やることがない。検診はもうないし、ここから動くのにも許可がいる。精々、自分がキヴォトスで暮らすための必需品を思い浮かべるくらい──あ。
「銃、何にしようか」
イチカさんの銃は知らない。やはり、鉄板のハンドガンかアサルトライフルだろうか。……よし、アサルトライフル買うか。そうしよう。
ここの世界にアサルトライフルがあるかわからないが、まあ収斂進化で現代の銃の形に収束していくはずだ。
「……でも、レールガンとかかっこよさそうだよな」
この世界の科学力は、ここでの検診のときの機械である程度理解している。あれほどのものなら、既にレールガンが実用化されていてもおかしくはないだろう。
「ま、そう簡単に扱えはしないよな」
結局、実銃が一番落ち着く。
「……そういや、今夜中の2時か……そっか、夜だったな」
寝よう。眠い。
「おやすみなさい……」
・・・・・
「じゃ、行きますか」
「よろしくお願いします、イチカさん」
退院日。……ここ保健室というか……救護騎士団の病棟だったんだな。めっちゃ設備がしっかりしてたぞ……これがお嬢様校か。
「一旦、私の予備の銃を渡しとくっす。持っててください」
「はい」
「……敬語じゃなくて、タメで呼んでもいいっすか?」
「……それじゃ、俺もそうさせてもらおうかな」
できうる限り、彼女の意思には応えたい。居候させてもらう身なのだから。
「えっと……風楽さん?」
「風楽でいいよ。……よろしく、イチカ……で、大丈夫?」
「う、うん!大丈夫っすよ!ほら、銃買いに行きましょ!」
「あ、ああ……」
妙に熱く押されて、銃を買いに行くことになった。……目、開いてた。
(……綺麗、だよなあ。あの目。もっと見たい)
なんて思うのは、無粋だろうか。
この小説の世界では、原作を辿ることはしないと思います。日常にフォーカスして、ほのぼの曇らせていくので楽しみにしててください。