仲正イチカはトラウマを克服できない。   作:ただねこ

5 / 10
仲正イチカと一緒に暮らす。

「ぁ……えっと〜……」

 

顔が赤い。選択肢をミスったか?流石にさっきのはキザ過ぎたか。

 

「あ、いえ。別にイチカさんには手を出すつもりもありませんし、危害を加えることもありません。住処をくれればそれでよくて」

 

「……わ、わかったっすよ!一緒に!一緒に暮らしましょう!?」

 

あ、OK貰えた。よかった〜。

 

「ふぅ……。じゃあ、退院っていつっすか?」

 

「明後日ですね」

 

「それじゃあそれまでに色々と買い揃えておきます!……服は……」

 

あ、また顔赤くなってる。……異性と2人きりって緊張するもんな。そうだよな。

 

「自分で買いますよ。この世界の貨幣がどうなのかわかりませんけど」

 

「あ、これっすよ」

 

……どうやら、模様が変わっている。単位は変わらないものの、こちらの世界のお金は使えなさそうだ。

 

「それじゃあ、今度買いに行きましょうか……お手数かけます」

 

「は、はい……えっと、それじゃあ私帰るんで……その、これからよろしくお願いします!」

 

……イチカさんはそそくさと家に帰ってしまった。困った、やることがない。検診はもうないし、ここから動くのにも許可がいる。精々、自分がキヴォトスで暮らすための必需品を思い浮かべるくらい──あ。

 

「銃、何にしようか」

 

イチカさんの銃は知らない。やはり、鉄板のハンドガンかアサルトライフルだろうか。……よし、アサルトライフル買うか。そうしよう。

 

ここの世界にアサルトライフルがあるかわからないが、まあ収斂進化で現代の銃の形に収束していくはずだ。

 

「……でも、レールガンとかかっこよさそうだよな」

 

この世界の科学力は、ここでの検診のときの機械である程度理解している。あれほどのものなら、既にレールガンが実用化されていてもおかしくはないだろう。

 

「ま、そう簡単に扱えはしないよな」

 

結局、実銃が一番落ち着く。

 

「……そういや、今夜中の2時か……そっか、夜だったな」

 

寝よう。眠い。

 

「おやすみなさい……」

 

 

・・・・・

 

 

「じゃ、行きますか」

 

「よろしくお願いします、イチカさん」

 

退院日。……ここ保健室というか……救護騎士団の病棟だったんだな。めっちゃ設備がしっかりしてたぞ……これがお嬢様校か。

 

「一旦、私の予備の銃を渡しとくっす。持っててください」

 

「はい」

 

「……敬語じゃなくて、タメで呼んでもいいっすか?」

 

「……それじゃ、俺もそうさせてもらおうかな」

 

できうる限り、彼女の意思には応えたい。居候させてもらう身なのだから。

 

「えっと……風楽さん?」

 

「風楽でいいよ。……よろしく、イチカ……で、大丈夫?」

 

「う、うん!大丈夫っすよ!ほら、銃買いに行きましょ!」

 

「あ、ああ……」

 

妙に熱く押されて、銃を買いに行くことになった。……目、開いてた。

 

(……綺麗、だよなあ。あの目。もっと見たい)

 

なんて思うのは、無粋だろうか。




この小説の世界では、原作を辿ることはしないと思います。日常にフォーカスして、ほのぼの曇らせていくので楽しみにしててください。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。