魔法少女ノ魔女裁判 愚かな少女   作:寝心地

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第3話

「どんな本が置いてあるのかな?」

 

3人はミライとマーゴに気付いていないのかそんな事を言いながら適当な本をパラパラと捲っていた。

 

「う〜ん、読めない」

 

「私達の国の文字じゃありませんね。この牢屋敷、何処の国にあるんでしょうね?と言うか…………まさか異世界!?」

 

「そ、そんな絶望する様な事言わないで」

 

そんな3人の話し声を聞きながらマーゴはミライの座る車椅子の手押しハンドル*1を握り3人の前に姿を現す。

 

「あら」

 

マーゴはそう声を上げ3人の注意を引く。

 

「マーゴちゃんとミライちゃん…………だよね、居たんだ」

 

「ええ、可愛いさえずりが聞こえたから、ちょっと覗きに来たの」

 

「私は単に読書の為だが」

 

「う、うるさくしてごめん」

 

「良いのよ、読める本も見当たらないし、暇してたところだったの」

 

そう言うマーゴの下でミライは持っていた本のページを捲る。

 

「ミライちゃんは本読めるんだ…………」

 

「読めている訳では無い、だが描いてある絵やその下に書かれている短い単語の様な物から予想は出来る。合っている保証も無いし虫食いだらけで意味は理解出来ないが…………暇よりはマシだ」

 

ミライがそう言うとマーゴが再び車椅子を押し出し3人もその後に着いてくる。

 

机の上にはカードが広げられていた。

 

「これって、タロットカードですよね?」

 

「ええ、娯楽室に置いてあったから貰ったの、元々好きだったのよ、貴女達の事も占って差し上げましょうか?」

 

シェリーが尋ねマーゴが肯定し占いを促す。

 

「マーゴさんはもしかして、タロットカードで魔法を使うんですか?」

 

マーゴは椅子に座り妖艶な微笑みを浮かべる。

 

「いいえ、なんでそんな事を聞くのかしら?」

 

「私、皆がどんな魔法を使うのか気になっちゃって気になっちゃって!!」

 

「ごめんなさい、魔法については教えたく無いわ。この牢屋敷でこれから殺人事件が起こるとしたら、手持ちのカードを晒すのは愚かだと思わない?」

 

「殺人事件なんて起こるはず無いよ」

 

マーゴの言葉にエマが反論するとマーゴが1枚のカードをエマ達に向ける。

 

「【塔】の正位置、近い未来、誰か死ぬは、貴女達も気を付けて、誰が殺意を抱いているか分からないもの」

 

「そんなら皆を疑う様な事は…………」

 

「昨日あったばかりなのに優しいのね、甘い、と言った方が良いかしら?」

 

「甘いと言うより愚かだ」

 

ミライは本のページを捲りながらそう呟く。

 

「そう言えば、ミライさんの魔法はどんな物なんですか?」

 

シェリーがミライにそう尋ねミライが本から顔を上げる。

 

「余り気分の良い物ではないが」

 

「是非知りたいです!!」

 

シェリーの言葉にミライは本を閉じシェリーを手招きする。

 

シェリーは嬉しそうに近づくとシェリーから髪の毛を一本抜き取る。

 

「いったぁ〜い!!何するんですかミライさん!!」

 

シェリーが目を向けるとミライの手の中で髪の毛がボロボロと崩れ落ちた。

 

「痛みはどうだ?」

 

ミライが尋ねるとシェリーはジンジンとする痛みが小さくなっている事に気づく。

 

「それが私の魔法【不等価交換】、何かを代償にそれ以下の価値の全てを得る魔法だ」

 

「全てって?」

 

「欲しい物なら全てさ、それ以上の対価を払って貰うがね」

 

ミライはそれだけ言うと息を吐く。

 

「済まないが少し疲れた、少し寝かせてくれ」

 

「ええ、レイアちゃんが来るまで私が見ていて上げるからゆっくりお休みなさい」

 

マーゴのそんな声を最後に聞きミライは眠りに着いた。

*1
車椅子の背面にある第三者が車椅子を押す持ち手の事、他にハンドグリップ(単にグリップ)とも呼ばれている




卯野ミライ 15歳
灰色の長髪の少女、右目と右腕以外の全ての四肢を欠損し車椅子で生活する少女、ラウンジでの登場時は長髪が乱れていたが蓮見レイアが自作した簡易的なヘアゴムで車椅子での移動に支障が出ない程度に纏められている。

魔法 【不等価交換】 代償とする物以下の価値の物と交換する事が出来る。物でなくとも代償さえ払えば傷の治療等目に見えない物とも交換出来る

原罪 ???

トラウマ ???
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